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外来医療・看護の機能強化、看護DX推進、看護職員の長時間労働是正・健康確保を実現せよ—日看協

2024.6.6.(木)

医療・介護ニーズが複雑化し、医療スタッフの負担が増加している中で、「外来医療・看護の機能強化」「看護DXの推進」「看護職員の長時間労働是正・健康確保」に向けた取り組み・支援を強力に進めてほしい—。

日本看護協会は5月30日に、このような内容の要望書を武見敬三厚生労働大臣に提出しました(日看協のサイトはこちら)。

医療・看護分野のDX推進が必須であり、財政的・人的支援の強化を

今回の要望内容は、(1)外来医療・看護の機能強化(2)看護DXの推進(3)看護現場の長時間労働是正および労働者の健康確保—の3点です。

まず(1)では、外来医療の高度化・外来患者の高齢化が進む中で「他職種と連携しながら、看護職が専門性を発揮し、診療の補助、患者のセルフケア行動の維持・向上にむけた継続的な療養支援の提供が求められる」「効率的・効果的な療養支援の実施にあたっては遠隔医療に期待される役割も大きい」とし、一層の体制整備を求めています。例えば、複雑な医療・介護ニーズを抱える高齢者が増える中では、「外来への通院困難患者の増加」→「在宅医療・訪問看護のニーズ増」が見込まれるためです。

あわせて、ICTを活用した外来医療・看護提供体制(▼D(医師) to P(患者) with N(看護職)▼N(看護職) to P(看護職)▼MaaS(自動運転やAIなどのさまざまなテクノロジーを掛け合わせた次世代の交通サービス)—など)の在り方を、2040年を見据えた「新たな地域医療構想」に向けて検討することも要請しました。

「新たな地域医療構想」では、「入院」のみならず、「在宅医療」「かかりつけ医機能」「医療・介護連携」をも包含した医療提供体制改革の設計図を描きます。その中では、当然、上述の「ICTを活用した外来医療・看護提供体制」も重要な検討要素の1つになります(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちら)。

日看協要望1



また、(2)では、▼デジタル技術導入にあたっての一層の財源確保(看護業務の効率化・負担軽減を推進することで、看護職員の定着及、護サービスのさらなる質向上が期待される)▼デジタル技術導入に係る相談支援体制の強化—を要請しました。

少子高齢化が進む中で、医療ニーズが増大する一方で、医療スタッフの確保がさらに困難になっていきます。そうした中では、デジタル技術を活用した業務効率化・生産性の向上が医療・介護分野において必須の要素となり、また、先進的な医療機関等では実績も上がっています。しかし、▼デジタル技術導入には相応のコストがかかる▼中小規模の医療機関では、デジタル技術の導入を検討する際の人材確保が難しい—という大きな課題もあります。

こうした点を重く見て、日看協では、より具体的に「医療勤務環境改善支援センターにおける、デジタル技術活用等についての相談支援体制のさらなる強化」も要望しています。

日看協要望2



さらに(3)では、労働負荷が大きい「夜勤交代制勤務に従事する労働者」の健康確保のため、以下の項目について措置を講じてほしいと要望しました。
▽看護現場では、変形労働時間制のもと2交代・16時間夜勤が増加しているが、勤務時間の不規則性は業務の過重性の要因である。長時間労働の是正と労働者の健康確保のための措置を図られたい。
▼夜勤交代制勤務時間数に応じた所定労働時間の短縮
▼変形労働時間制のもとで1日の最長勤務時間の上限設定(13時間以内)
▼11時間以上の勤務間インターバルの確保
▼勤務時間が8時間を大きく超える場合の休憩時間の確保(12時間勤務の場合は90分以上など)
▼夜勤回数(時間数)上限の基準設定

日看協要望3



今後の動きに注目が集まります。



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