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大阪や北海道の大地震等で被災したDPC病院、2019年度の機能評価係数IIで配慮―中医協総会(2)

2018.12.19.(水)

 2019年度のDPC機能評価係数IIの設定に当たって、▼2018年6月18日に発生した「大阪北部地震」▼2018年6月下旬から7月上旬の「西日本豪雨」▼2018年9月6日に発生した「北海道胆振東部地震」—の被災地区にあるDPC病院(合計316病院)では、一定の配慮を行う―。

 12月19日に開催された中央社会保険医療協議会・総会では、こうした方針も了承されました。

震災等による診療制限等を踏まえ、2017年10-2018年9月の診療実績を調整

 DPC制度においては、包括部分の収益を「DPC点数」×「医療機関別係数」×「入院日数」で算出します。医療機関別係数のうち、当該病院の果たしている機能に着目した「機能評価係数II」は、過去の実績を相対評価して、毎年度、設定されます。

 来年度(2019年度)の機能評価係数IIについては、昨年(2017年)10月から今年(2018年)9月までの診療実績が評価の基礎となります。

 しかし、この評価期間に大きな災害にあい、診療を一時中断せざるを得なかったなどの事情がある医療機関では、通常の計算によった場合、機能評価係数IIが低くなってしまう可能性があります。例えば、地域医療係数(機能評価係数IIの1項目)のうち「がん」や「脳卒中」「心筋梗塞」などでは、診療実績(診療報酬項目の算定回数等)によって早退評価を行うため、「診療の中断」によって実績が低くなることが考えられるのです。これを放置すれば、こうした病院の2019年度収益は低くなり、復旧・復興が遅れてしまいかねません。

 そこで厚生労働省保険局医療課の森光敬子課長は、12月19日の中医協総会において、次のような配慮を行うことを提案。原案通り了承されました。東日本大震災や熊本地震で被災したDPC病院にも同様の配慮がなされています。

▽下記のDPC病院において、機能評価係数IIのうち「診療実績に基づく指数」(効率性指数、複雑性指数、カバー率指数、救急医療指数、地域医療指数)については、【通常と同様の取扱いとした場合(2017年10月から2018年9月の診療実績の「生」データ)】と【各病院における被災月の診療実績を、「それ以外の月の診療実績の平均値」に置き換えて算出した場合】とを比較し、「より高い値」を当該病院の診療実績データとする

▽対象病院
▼2018年6月18日に発生した大阪北部地震の被災地にあるDPC病院(80病院)
▼2018年6月下旬から7月上旬の西日本豪雨の被災地にあるDPC病院(142病院)
▼2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の被災地にあるDPC病院(94病院)

●今回の配慮の対象となる地域はこちら(中医協資料)

膀胱がん再発診断等を補助する新検査を2019年1月から保険収載

 12月19日の中医協総会では、新たな臨床検査2件の保険収載も了承しています。来年(2019年)1月から保険収載される予定です。

▽膀胱がんの再発の有無を診断するための「膀胱がん関連遺伝子」検査【尿中細胞の3番、7番および17番染色体の異数倍数体、ならびに9p21遺伝子座の欠失の検出】(膀胱鏡では再発所見がない患者に対し、尿細胞診に代えて遺伝子検査を行うことで再発の有無をより早期に発見することが可能と期待される)

 
▽褐色細胞腫の診断を補助するための「遊離メタネフリン・遊離ノルメタネフリン分画」検査【血漿中の遊離メタネフリンおよび遊離ノルメタネフリンの測定】(従来の検査は入院が必要であったが、本検査は外来で済み、感度・特異度も同等程度以上)

 
 
 
 
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