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GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

シングルポートのダビンチSPの活用で、「より侵襲が少なく整容性を向上させたロボット手術」実施を推進―国がん

2024.4.17.(水)

シングルポートである最新型のダビンチSPを活用し、「より侵襲が少なく整容性を向上させたロボット手術」の実施を推進していく―。

具体的には、頭頸部、乳腺・婦人科領域、泌尿器、消化器など、狭い範囲での手術操作が要求されるがんや、整容性が問われるがんに対し、年間200件程度を実施する—。

国立がん研究センターが4月15日に、「手術支援ロボット『ダビンチSP』を用いた体の表面に傷がつかないがん手術を実施、新たな『ロボット手術・開発センター』から高難度症例に対する低侵襲治療の開発・拡大を目指す」と発表しました(国がんのサイトはこちら)。

まず「頭頸部」(中咽頭がん)を対象にダビンチSPを用いたロボット支援手術が実施されましたが、今後、乳腺・婦人科領域、泌尿器、消化器など、狭い範囲での手術操作が要求されるがんや整容性が問われるがんに対してより侵襲の少ない手術を実施していく考えを強調。年間200件程度を目指しています。

シングルポートによるロボット手術の術式を新たに確立し、全国普及を目指す

「ダビンチSP」は2023年1月に本邦でも薬事承認された手術支援ロボットです。従来型のダビンチXiは4本のアームがありますが、ダビンチSPはシングルポート(アームが1本)となり、「より侵襲が少なく整容性を向上させたロボット手術」が期待されています。

ダビンチSPについて



国がんでは「外科手術・ロボット手術の経験豊富な専門医が最新のダビンチSPを活用することで、『体の奥の狭い部位に発生しており、これまでロボット手術が困難であったがん』などにもロボット手術を実施でき、従来よりも体への負担が少なく、術後の回復がより早くなるメリットがある」と期待を寄せています。



今般(本年(2024年)4月)、この最新型のダビンチSPを活用して、高難度症例である「頭頸部の手術」(中咽頭がん手術)を実施。ロボットのアームを患者の口から挿入し、口の中でがんの切除を完了することができたと報告されました。

あわせて国がんでは、本年(2024年)1月に「ロボット手術・開発センター」を創設(東京都中央区の中央病院に設置)。▼ロボット手術に関わる全診療科を挙げた、侵襲の少ない質の高い手術、高難度症例に対する治癒を求めた挑戦的な手術実施▼日本の繊細な手術にマッチした手術機器の開発強化▼ロボット手術を牽引する若手外科医の育成をはじめとした、日本のロボット手術の技術向上—などを進めていく考えも強調しています。

また今後、ダビンチSPを活用し、今般実施した頭頸部領域以外にも、以下のような乳腺・婦人科領域、泌尿器、消化器などに発生した難度の高い進行がん手術を中心に症例を積み重ね、シングルポート(1本のアーム)によるロボット手術の術式を新たに確立し、全国普及へ向けた先進的な役割を果たしていく考えも示しました。年間200件程度、ダビンチSPを活用したロボット支援手術が実施される予定です。

(ダビンチSP活用により、従来よりも低侵襲なロボット手術が可能となるがん手術)
【頭頸部がん手術】
→口からロボットを入れて咽喉頭がんの切除を行う
→従来型のダビンチXiではアームの数が多く、互いに干渉し合うため、限られた患者にしかロボット支援手術を実施できなかった

【乳がん手術】
→乳がんの乳輪温存乳腺全切除術に使用する
→乳頭や乳輪への血流や神経を温存しつつ、整容性を向上させた創(傷)が目立たない根治手術を行うことが可能となる
→乳輪温存乳腺全切除術は、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)に対するリスク低減のための予防切除としても実施することができるようになる(関連記事は遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)

【大腸がん・前立腺がん・婦人科領域の手術など】
→狭い骨盤の奥に発生したがんで、手術操作が困難である高難度症例の「直腸がん」や「前立腺がん」、「婦人科がん」などで、ダビンチSPを活用し、より低侵襲なロボット支援手術を実施できるようになる



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