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超高額薬剤の薬価、四病協も緊急引き下げには慎重姿勢

2016.8.24.(水)

 オプジーボなど超高額薬剤の薬価に関する議論が進められているが、最適使用を進めることで相当の経済的効果が期待できると考えており、緊急的な薬価の引き下げは行うべきではない―。

 日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会・日本精神科病院協会で構成される四病院団体協議会(四病協)では、このような見解でまとまっていることが、24日に日本病院会の堺常雄会長(聖隷浜松病院総長)から明らかにされました。

8月24日の四病院団体協議会・総合部会終了後に、記者会見に臨んだ日本病院会の堺常雄会長

8月24日の四病院団体協議会・総合部会終了後に、記者会見に臨んだ日本病院会の堺常雄会長

超高額薬剤、まず「最適使用」を進め、効果を見るべき

 お伝えしているとおり、中央社会保険医療協議会を中心に、オプジーボなど「超高額薬剤の薬価のあり方」に関する議論が進められています。24日に開かれた中医協の薬価専門部会では、事実上「オプジーボを対象として、緊急的な薬価の引き下げを行ってはどうか」との提案が厚生労働省からなされました(関連記事はこちらこちらこちら)。

 この超高額薬剤問題については、四病協内部でも検討が進んでおり、24日の総合部会では次のような意見が出たことを堺・日病会長が紹介しました。

▽新薬の「承認」(厚労省の医薬・生活衛生局が所管)と「保険収載」(同じく保険局が所管)との連携が不十分なのではないか。「承認」に当たっても経済的な観点での議論が必要で、今後『抜本的な解決』をしてほしい

超高額薬剤の薬価緊急引き下げは、一見良さそうだが、「引き下げた分の財源」がどこに行くのかが明確にされておらず、なかなか厳しいのではないか

最適使用ガイドラインに沿った使用を進めることで、相当の経済効果が出ると期待できる

 とくに薬価引き下げで生じた財源については、「2014年度の診療報酬改定では、いつの間にか消費増税対応に使われることになってしまっていた」ことや、「今回の緊急的対応が前例となり期中の薬価改定が常態化する危険性もある」ことから、四病協としては「緊急の薬価引き下げ(いわば期中改定)には反対」という見解でまとまっていることが堺・日病会長から明らかにされています。

 また堺・日病会長は、「最適使用促進ガイドラインをまず進め、その効果をまず見るべきである。期中改定ありきになれば、毎年の薬価改定の可能性もあり、それは厳しい」ともコメントしています。

総合診療専門医、クリニック勤務と病院勤務の2タイプ

 ところで、新専門医制度の一斉スタートについて日本専門医機構では「1年延期」(2018年度から一斉スタート)することを決定しました。その中で「総合診療専門医については、2017年度は機構のプログラムでの募集は行わない」(日本プライマリ・ケア連合学会による「家庭医療専門医」の養成プログラムを受講した専攻医を不利にならないような配慮を行う)ことも決まっています(関連記事はこちら)。

 この点について堺・日病会長は「個人的な考え」との前提を置いた上で、「総合診療医には、かかりつけ医機能を発揮するクリニックの総合診療専門医と、病院で活躍してもらう総合診療医の2タイプがあると考える。後者については、例えば地域包括ケア病棟では『喉から手が出るほど欲しい人材』である。そう見ると、現在の議論はまだ道半ばと感じている」と述べ、日本専門医機構での今後の議論に期待を寄せました。

 

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