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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

総合診療専門医、2017年度は「日本専門医機構のプログラム」での募集は行わず

2016.8.8.(月)

 新たな専門医制度の一斉スタートは2018年度に延期されることとなり、来年度(2017年度)は各学会の判断で専門医の養成を行います。

 これに関して日本専門医機構は、各学会の意向を確認し、▽小児科▽整形外科▽耳鼻咽喉科▽救急科▽形成外科▽病理―の6領域で暫定プログラム(新たなプログラム)に基づく専門医養成を行うものの、地域医療への配慮がなされていると判断しました。残りの12領域では既存のプログラムに基づいた専門医養成が行われます。

 また懸案となっていた総合診療専門医については、2017年度は「機構のプログラムによる養成は行わない」ことが決まりました。

8月5日の理事会終了後に記者会見に臨んだ、日本専門医機構の吉村博邦新理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)

8月5日の理事会終了後に記者会見に臨んだ、日本専門医機構の吉村博邦新理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)

6分野で暫定プログラム(新プログラム)運用も「地域医療への配慮」がなされる

 新たな専門医制度について、日本専門医機構は7月20日に理事会、同25日に社員総会を開き、「2018年度に一斉スタートする」方針を決定。来年度(2017年度)は、各学会の判断で専門医養成を行うことになりました(関連記事はこちら)。

 その際、「既存プログラムによる養成」を機構から依頼し、「暫定プログラムによる養成を行う場合には、医師の偏在を助長させない策を講じているからなど、地域医療への配慮について各学会と機構で話し合い、確認をする」こととしていました(関連記事はこちら)。

 機構の調べでは、▽小児科▽整形外科▽耳鼻咽喉科▽救急科▽形成外科▽病理―の6領域で、暫定プログラムによる専門医養成がスタートとする模様です。また機構は、各領域で次のような「地域医療への配慮」を講じることも確認しています。

【小児科】連携施設について、「規模」や「指導医数」を承認基準から除外する。大都市圏では「小児科専門医/小児人口」の比を参考に募集定員の削減を行い、定員は過去実績の1.3倍とする。さらに応募において地域偏在が生じた場合には、大都市の基幹施設で「地方・地域へ専攻医をローテートさせるプログラム」となっていない場合には、募集定員をさらに削減する

【整形外科】定員を過去実績の1.2倍とする。関連施設において既存プログラム・暫定プログラムを併用し、施設の指導医要件を緩和する

【耳鼻咽喉科】現行の育成システム(地域中核病院の主たる担い手は専門医資格取得者であり、専攻医はプログラム2-3年目に専門医の所属する地域中核病院で研修を受ける)とほぼ変わらない。指導医のいない施設に対し、指導医資格の取得を促すとともに、基幹施設から外勤形式で指導医を派遣して研修指導をサポートする

【救急科】すでにネットワークが構築されており、多様な研修内容の確保とプログラム内での柔軟な人的配置が可能である

【形成外科】暫定プログラムと既存プログラムを併用する

 また病理について吉村博邦新理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)は、「もともと専攻医が少なく、都道府県を跨ぐ広範囲で研修を行うプログラムが大半である」と説明。

 なお、▽内科▽皮膚科▽精神科▽外科▽整形外科▽産婦人科▽眼科▽脳神経外科▽放射線課▽麻酔科▽臨床検査▽リハビリ―の各領域は、来年度(2017年度)は実質的に既存プログラムでの専門医養成となります。

 こうした状況を総合的に勘案し、機構の理事会は5日に「地域医療への混乱はない」と判断しています。

 

 また懸案となっていた総合診療専門医について5日の理事会では、「来年度(2017年度)は機構として養成する枠組みはしない」ことを決断。ただし、日本プライマリ・ケア連合学会による「家庭医療専門医」の養成プログラムを受講した専攻医について「不利にならないような配慮を行う」(吉村理事長)との方針も固まっています(総合診療専門医の資格を取得できる取り扱いとするかは、今後、詰めることになります)。

 

 さらに5日の理事会では、機構内部に「基本問題検討委員会」(吉村理事長が委員長を務める)を設置し、制度の基本的枠組みやサブスペシャリティ領域の検討、ダブルボードの検討、総合診療専門医のあり方などを議論することも決定。吉村理事長は「9月中には一定の方向性を出したい」とコメントしています。

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