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新専門医制度、18基本領域について地域医療への配慮状況を9月上旬までにチェック―日本専門医機構

2016.7.26.(火)

 新専門医制度の一斉スタートは2018年度からとし、来年度(2017年度)は各学会の責任で専門医を養成する。ただし、専門医養成プログラムが医師偏在を助長するものとなっていないか、8月いっぱいから9月上旬にかけてチェックし、都道府県の協議会や社会保障審議会などに報告する―。

 25日に開かれた日本専門医機構の社員総会で、こういった方針が了承されました。

7月25日、社員総会後の記者会見に臨んだ、日本専門医機構の吉村博邦理事長

7月25日、社員総会後の記者会見に臨んだ、日本専門医機構の吉村博邦理事長

 機構の山下英俊副理事長(山形大学医学部長)は、「既存プログラムと暫定プログラムとに2分することはできないので、基本的に18領域のすべてについて地域医療への配慮がなされているかチェックすることになる」「2018年までの1年間で、暫定プログラムの定員などについて検証していく」とコメントしています。

7月25日、社員総会後の記者会見に臨んだ、日本専門医機構の山下英俊副理事長

7月25日、社員総会後の記者会見に臨んだ、日本専門医機構の山下英俊副理事長

社員総会でも「2018年の新制度一斉スタート」を了承

 日本専門医機構では、新専門医制度の18基本領域について新プログラムが医師偏在を助長するものとなっていないかをチェック。その結果、定員が専攻医の2-3倍となっていることから大都市集中の可能性が高いことがわかり、20日の理事会で以下の方針を固めました。25日の社員総会でも、この方針が了承されています(関連記事はこちらこちら)。

(1)ここは一度立ち止まって、国民や地域の方々の懸念を払拭できるよう、機構と学会が連携して問題点を改善し、2018年を目途に一斉にスタートできることを目指す

(2)2017年度については、研修医や国民の混乱を回避するために、基本18領域については各学会に責任をもって制度を運営してもらう

(3)総合診療領域については、現状では機構で制度設計を行っており既存の学会はないが、2017年の正式な実施は差し控える。ただし、研修医の混乱を回避するため、新たな方策を考え、暫定的な措置について早急に検討する

(4)各学会に対しては、機構から、▽可能であれば、既存の専門研修プログラムを用いること、▽暫定プログラムを用いる場合には、専攻医が都会に集中しないよう、例えば基幹施設と連携施設との関係の再検討、指導医の基準の柔軟な運用などにより専門研修を実施していた施設が引き続き専門研修を行える工夫、また、例えば、都市部の専攻医の定員を過去の実績の1.2倍程度に抑える等、様々なオプションがあると思われるので、各学会で工夫して頂くこと、などを要請する

 吉村博邦新理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)は、(4)の地域医療への配慮について、▽どのような対応をとるのかを7月中(遅くとも8月上旬まで)に学会から機構に報告してもらう▽報告内容を精査し、8月いっぱいから9月上旬までに機構と学会の間で話し合いを行う▽具体的な対応方法が固まった後、都道府県の協議会に報告する―といスケジュールも明らかにしました。必要があれば、社会保障審議会・医療部会や四病院団体協議会にも報告するとしています。

 また山下副理事長は、例えば暫定プログラムの中にも、医学の発展を踏まえて既存プログラムの学術部分のみを追加したものなどがあり、既存プログラムと暫定プログラムを峻別することはできず、基本的に18領域すべてのプログラムについて医師偏在を助長するものとなっていないか確認する考えを述べています。

2018年までの1年間で定員などを検証、さらに動かしながら制度を改善

 社員総会では、「内科や外科、がん領域などでは基本領域とサブスペシャリティ領域に重なりがある。早期からサブスペシャリティ領域の研修が行えるようにすべき」「総合診療専門医のキャリアパス構築を急ぐべき」など、さまざまな意見が出されたことも吉村理事長から報告されました。

 また専門医の更新について、すでに一部の領域では機構と学会との連名による更新が始まっています。この点について機構では「広告可能な専門医資格となるよう、厚生労働省と早急に協議する」考えも松原謙二副理事長(日本医師会副会長)から明らかにされました。

7月25日、社員総会後の記者会見に臨んだ、日本専門医機構の松原謙二副理事長

7月25日、社員総会後の記者会見に臨んだ、日本専門医機構の松原謙二副理事長

 こうした指摘も踏まえて、機構では今後の1年間で課題解決に向けた議論を行っていきます。吉村理事長は、「専攻医の身分保障」や「専門医制度のあるべき姿」についても議論していく考えを強調しています。専門医制度のあるべき姿については、9月にも機構内に新たな検討の場を設置し、2-3年ほどかけて議論していく模様です。

 この点について山下副理事長は、「現在、『専門医のあるべき姿』と『専門医制度のあるべき姿』が混同されている。前者については、各学会が『専門医にはどのような知識・技術が必要か』を責任を持って検討している。一方で、地域医療への配慮など制度的な課題について機構で十分に議論していく。機構と学会との連携と役割分担をしていく」考えを改めて説明。さらに「2018年までの1年間であらゆる課題を解決することはできない。暫定プログラムの検証、たとえば専攻医定員などの検証などが行えると思う。新制度を動かしながら、理想的な形に近づけていくことになろう」とコメントしています(関連記事はこちら)。

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