偽造ハーボニー、東京都でも見つかる―厚労省
2017.1.24.(火)
先日、メディ・ウォッチでもお伝えしたとおり、画期的なC型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が一部で流通しています。厚生労働省は23日、新たに東京都でも偽造ハーボニーが見つかったことを公表しました(厚労省のサイトはこちら)。
医薬品を譲り受ける際には、「本来の容器包装などに収められているか」「譲渡人が必要な販売業許可を有し、適正な流通経路から入手しているか」などの確認を徹底するよう、改めてご留意ください。
ロット番号では見分け困難だが、偽造品は裸のボトルで流通し添付文書なし
ハーボニーは画期的なC型肝炎治療薬として2015年7月に薬事承認され、高額な薬価が設定されています(2016年度の薬価改定で特例の市場拡大再算定を受け、薬価が一定程度下げられています)。
先般、奈良県の薬局チェーンで偽造品が発見されたことを受け、厚労省は注意喚起をしていました。厚労省はこのほど、▼奈良県▼奈良市▼京都府▼東京都▼大阪府―において薬局・卸売販売業者への立入調査を行ったところ、東京都において新たに同様の特徴を持つ偽造品が9ボトルされました。
偽造品では、箱から取り出され裸のボトル状態(ボトル自体は正規品)で流通(正規品は通常、シールで封緘された箱に入った状態で流通)しており、「ボトルと一緒に箱に封入されている添付文書」が添付されていません。また、正規品の錠剤の形状は「ひし形で橙色、錠剤の表面に『GSI』、反対側に『7985』の刻印あり」ですが、偽造品の錠剤の形状は「楕円体で、まだら模様の薄い黄色」と大きく異なっています。
なお偽造品のロット番号は正規品でも使用されている番号であり、厚労省は「ロット番号により正規品と偽造品を見分けることは困難である」と指摘。引き続き、流通の各段階で医薬品の状態を確認し、偽造品が患者の手に渡らないように対応するとしています。
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