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紙カルテの長期保管サービス、外部保存通知に則るなどの条件を満たせば法に抵触せず―経産省

2017.3.2.(木)

 例えば廃院予定の医療機関から「紙媒体のカルテを人目に触れることなく保管し、確実に処分してほしい」との要望を受け紙カルテを長期間保管するサービスは、医師法や医療法に違反しない―。

 経済産業省は1日、グレーゾーン解消制度に基づき、こうした見解を公表しました。

紙カルテの外部保存、個人情報保護や診療のための迅速利用体制の整備などが必要

 医師法第24条第2項では、診療録(カルテ)について、▼病院・診療所に勤務する医師のした診療に関する診療録は、その病院・診療所の管理者において▼その他の診療に関する診療録は、その医師において―5年間保存しなければならない旨が定められています。

 また医療法第21条第1項では、病院に対して「診療に関する諸記録」などの記録を備えておかなければならないとしています。

 この法文からは「カルテは院内で保存、管理する」と読めますが、厚生労働省は通知「診療録等の保存を行う場所について」(2013年3月25日が最終改正付)を発出し、一定の要件を満たす場合には「院外での保存」(外部保存)を認めています。そこでは、診療録などを「紙媒体のままで外部保存する」場合には、▼必要に応じて直ちに利用できる体制を確保しておく▼個人情報保護法などを遵守し、患者のプライバシー保護に十分留意し、個人情報の保護を担保する▼外部保存は、診療録などの保存の義務を有する病院・診療所などの責任で行い、事故などが発生した場合の責任の所在を明確にしておく―ことを求めています。

 

 ところで医療機関(とくに廃院予定の医療機関)には「紙媒体のカルテを人目に触れることなく長期間保管し、確実に処分してほしい」とのニーズがあります。このニーズに応えるために次のようなサービスが検討されています。

▼医療機関が、『紙の診療録』と『エックス線写真』を段ボール箱単位で事業者に預け、事業者は段ボール箱のまま、これを補完(電子データは扱わない)する

▼医療機関から「カルテの一時取り寄せ」要求があった場合には、段ボール箱単位で対応する

▼再診などで「データ化した診療録が早急に必要」などの医療機関からの要望があった場合には、診療録をスキャンしPDFファイルにして、電子メールなどで送付する。

  

 経産省や厚生労働省で、本サービスを検討したところ「上記規定(医師法、医療法などの規定)に違反しない」ことが明確となり、1日の公表となったものです。経産省では、「医療機関が紙媒体診療録を外部保管する際の基準がより明確となり、本サービスの導入が進めば、『医療機関における業務効率化』や『本領域におけるアウトソーシング市場の拡大による産業競争力の強化』が期待できる」とコメントしています。

 

 なお、電子データの外部保存についても上記の外部保存通知で詳細が明確にされています。

   

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