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統合失調症治療薬のジプレキサ、化学療法における制吐剤としても使用可能に―厚労省

2017.6.15.(木)

 統合失調症や双極性障害の治療に用いる「オランザピン」(販売名:ジプレキサ錠2.5mg・同錠5mg・同錠10mg、同細粒1%、同ザイディス錠2. 5mg、同ザイディス錠5mg、同ザイディス錠10mg)について、「抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)の投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」を抑えるために用いることを保険診療上認める—。

 厚生労働省は9日、通知「公知申請に係る事前評価が終了した医薬品の保険上の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。同日から保険適用されています(厚労省のサイトはこちら)。

強い悪心、嘔吐が生じる抗がん剤(シスプラチンなど)投与の場合に限り使用可能

 海外で使用できる医薬品が、わが国では使用できないという、いわゆるドラッグラグの解消に向けて、厚労省は「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、わが国で未承認・適応外となっている医薬品の早期開発に向けた対策をとっています(製薬メーカーへの開発要請など)。さらに、未承認・適応外薬・未承認薬の開発原資を確保するために、2010年度の薬価制度改革で新薬創出・未承認薬解消等促進加算が設けられています。

 さらに、医療保険サイドからのドラッグラグ解消にアプローチする方策の1つとして、2010年8月25日の中央社会保険医療協議会総会では「医薬品の適応外使用について、薬事・食品衛生審議会(薬食審)の事前審査で『公知申請を行っても差し支えない』と判断された場合には、翌日から自動的に保険収載する」というルールが設けられました。

 医療保険制度では、医薬品の使用は効能・効果が認められた傷病治療にしか認められておらず、新たな傷病治療への効果があると考えられる場合には、治験などによってデータを揃えて薬食審で効能・効果追加の承認を得なければならないのが原則です。しかし、これを待っていたのでは、現時点で疾病と闘う患者が医薬品にアクセスする機会を奪ってしまうことになります(治験から承認、保険収載までには多くの時間が必要)。

 そこで中医協では、海外の論文など(公知)で一定の有効性・安全性を確認できる場合には、その論文などを基にした効能・効果の追加申請(公知申請)が認められている点に着目。薬食審の事前審査で「公知申請を認めて良い」と判断された場合、原則として後に効能・効果の追加も認められることから、上記の特例ルール(公知申請可とされた翌日から保険収載する)を設けているのです。

 今般、この特例ルールにより、オランザピン(統合失調症や双極性障害の治療薬)について「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」に用いる(制吐剤として用いる)ことが保険診療上可能となりました。ただし、「強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)の投与の場合に限り」使用することが可能です。

また本剤を「制吐剤として用いる」場合には、「他の制吐剤との併用において、通常、成人には5mgを1日1回経口投与する」との用法・用量が設定されます。ただし患者の状態により適宜増量できますが、1日量は10mgを超えてはいけません。また、▼原則として▽コルチコステロイド▽5-HT3受容体拮抗薬▽NK1受容体拮抗薬―などと併用して使用する▼原則として「抗悪性腫瘍剤の投与前」に本剤を投与し、がん化学療法の各クールにおける本剤の投与期間は6日間までを目安とする—ことにも留意が必要です。

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