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GemMed塾 看護モニタリング

緊急手術時の出血抑制に用いる『ケイセントラ』など、次の改定まで出来高算定―厚労省

2017.8.31.(木)

 ビタミンK拮抗薬投与中の患者において緊急手術時などの出血傾向を抑制するために用いる『乾燥濃縮人プロトロンビン複合体』(販売名:ケイセントラ静注用500・同1000)などについて、DPCでは包括対象外とする—。

厚生労働省は30日に、通知「『厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法第一項第五号の規定に基づき厚生労働大臣が別に定める患者について』の一部改正について」を発出し、こうした点を明らかにしました(関連記事はこちら)。次の診療報酬改定まで出来高算定となります。

DPC病院での新薬使用を阻害しないよう、出来高算定を認める

 DPC制度では、診断群分類ごとに、入院基本料や検査、薬剤費などの費用が包括された定額の診療報酬が支払われます。この定額報酬は、定型的な治療内容と実績に基づいて設定されます。そのため、高額な新薬が保険収載された場合に、その新薬の費用は定額報酬には反映されていないことから、DPC病院がその新薬を使用すると、病院の支出が定額報酬を上回ってしまう(持ち出しになる)こともあります。

 これを放置したのでは、病院側が新薬の使用を手控え、患者が有用な医療にアクセスできなくなってしまいます。そこで、一定の要件(1入院当たりの新薬薬剤費が各診断群分類で使用される1入院当たり薬剤費の84パーセンタイル値を超えていること)を満たした場合、その高額な新薬はDPCの包括範囲から除外され、結果として「その新薬を用いた治療は出来高算定」となります(高額薬剤の費用だけを別途請求できるわけではない)。

 23日に開かれた中央社会保険医療協議会・総会で7成分・10品目の新薬について保険収載が承認された医薬品や、近く効能効果追加などが認められた医薬品の中で上記要件を満たしたものについて、今般「DPCの包括外となる」ことを厚労省が通知しています。

(1)ビタミンK拮抗薬投与中の患者における、急性重篤出血時または重大な出血が予想される緊急手術・処置時の出血傾向を抑制するために用いる『乾燥濃縮人プロトロンビン複合体(販売名:ケイセントラ静注用500・同1000)注用1000』:すべての診断群分類で出来高算定

(2)深在性皮膚感染症、びらん・潰瘍の二次感染治療に用いる『タゾバクタム/ピペラシリン水和物』(販売名:ゾシン静注用2.25・同4.5、ゾシン配合点滴静注用バッグ4.5):▼050170閉塞性動脈疾患▼050180静脈・リンパ管疾患▼080011急性膿皮症▼080070慢性膿皮症▼080245放射線皮膚障害▼080250褥瘡潰瘍▼100081その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシス除く、末梢循環不全あり)▼100100糖尿病足病変―の一部で出来高算定

(3)がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞がんの治療に用いる『レゴラフェニブ水和物』(販売名:スチバーガ錠40mg):060050肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性含む)の一部で出来高算定

(4)膵・消化管神経内分泌腫瘍の治療に用いる『ランレオチド酢酸塩』(販売名:ソマチュリン皮下注120mg):▼060010食道の悪性腫瘍(頸部含む)▼060020胃の悪性腫瘍▼060030小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍▼060035結腸(虫垂含む)の悪性腫瘍▼060040直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍▼06007x膵臓、脾臓の腫瘍▼060080食道の良性腫瘍▼060090胃の良性腫瘍▼060100小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍含む)―の一部で出来高算定

(5)関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制に用いる『デノスマブ(遺伝子組換え)』(販売名:プラリア皮下注60mgシリンジ):070470関節リウマチの一部で出来高算定

(6)乳児型脊髄性筋萎縮症の治療に用いる『ヌシネルセンナトリ』(販売名:スピンラザ髄注12mg):010155運動ニューロン疾患等の全てで出来高算定

 
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