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悪性黒色腫へのオプジーボ+ヤーボイ投与、PD-L1発現率1%未満の患者が望ましい―厚労省

2018.5.30.(水)

根治切除不能な悪性黒色腫の治療に、ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤(オプジーボ)とイピリムマブ(遺伝子組換え)(ヤーボイ)を併用投与する場合には、患者のPDーL1発現率を調べ、1%未満であることが望ましく、1%以上である場合にはニボルマブ製剤の単独投与を優先すべきである―。

 厚生労働省は5月25日に、「ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(悪性黒色腫)の一部改正について」と「抗PD-1抗体抗悪性腫瘍剤に係る最適使用推進ガイドラインの一部改正に伴う留意事項の一部改正について」という2本の通知を発出し、こうした点を示しました(厚労省のサイトはこちら(ガイドラインの一部改正に関する通知)こちら(保険診療上の留意事項を一部改正する通知))。

PD-L1発現率1%以上の患者では、オプジーボ(ニボルマブ)の単独投与を優先すべき

 ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤(販売名:オプジーボ点滴静注20mg、同100mg)は2014年7月に、画期的な「根治切除不能な悪性黒色腫」治療薬として薬事承認され、同年9月に▼20mg2mL1瓶:15万200円▼100mg10mL1瓶:72万9849円―の薬価が設定されました。

 その後、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に適応が拡大され、対象患者(つまり市場)が大幅に拡大されましたが、適応拡大時期の関係で2016年度の薬価改定で引き下げが行われず、高額な薬価が維持されたため、「薬価の特例的な引き下げ」「最適使用促進ガイドラインの策定」が行われています(関連記事はこちら)。

最適使用促進ガイドラインは、適応症ごとに作成され、「根治切除不能な悪性黒色腫」に対するガイドラインは昨年(2017年)2月に固められました(関連記事はこちら)。

今般、ニボルマブ製剤の悪性黒色腫における用法・用量の一部変更が承認されたことを受け、ガイドラインの一部修正が行われました。主な修正点は次のように「ニボルマブ+イピリムマブ」の併用投与に関する事項となっています。

▽「イピリムマブ(遺伝子組換え)(販売名:ヤーボイ点滴静注液50mg)との併用において、通常、成人にはニボルマブとして、1回1mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。その後、ニボルマブとして、1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する」旨を追記(用法・用量の一部変更の旨)

▽対象患者要件について、「本剤(ニボルマブ)+イピリムマブ投与は化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者を対象とした海外第III相試験において、イピリムマブ投与(対照)に対し有効性が検証されている。ただし、本剤(ニボルマブ)+イピリムマブ投与と本剤(ニボルマブ)単独投与を比較した探索的な検討では『PD-L1発現状況によりイピリムマブの上乗せ効果が異なる』傾向が示唆された。そのため、化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者において、本剤(ニボルマブ)+イピリムマブ投与の可否を判断する場合には『PD-L1発現率を確認する』ことが望ましい。PD-L1発現率が1%以上であることが確認された患者には、原則、本剤単独投与を優先する」旨を追記

▽留意事項において、「化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者において、本剤(ニボルマブ)+イピリムマブ投与の可否を判断する場合、PD-L1発現率も確認することが望ましいが、PD-L1発現率が確認できない場合には、本剤(ニボルマブ)+イピリムマブ投与の適否を適切に判断した上で投与する」旨を追記

 
 また、厚労省は最適使用推進ガイドラインと併せて、保険診療で用いる場合の留意事項も示しており、今般、本剤(ニボルマブ)+イピリムマブ投与について、▼化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者で、PD-L1発現率が確認できた患者に投与する場合は、PD-L1発現率を確認した検査の実施年月日と検査結果(発現率)▼PD-L1発現率1%以上の場合は、本剤(ニボルマブ)+とイピリムマブ投与の理由▼PD-L1発現率が確認できなかった場合は、確認できなかった理由—を、レセプトの摘要欄に記載することとの修正が行われました。
 
 

 

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