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初診からのオンライン診療解禁方針をトップダウンで決定、ただし電話初診は認めず—厚労省

2020.10.14.(水)

初診患者からのオンライン診療を解禁し、新型コロナウイルス感染症を踏まえた臨時特例措置でなく、恒久的な新たな診療形態の1つとする。ただし、電話初診は認めず、映像を伴うものを対象とする—。

田村憲久厚生労働大臣は10月9日の閣議後記者会見で、このような点を明らかにしました。今後、詳細について「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」で詰めていくことになりますが、検討会では「初診患者へのオンライン診療の危険性」などを説く声が少なくなく、トップダウンでこうした方針が決まっていくことに異論も出ることも予想されます。

安全性、信頼性を確保したうえで、オンライン診療の利便性を追求

新型コロナウイルス感染症対策の一環として、臨時特例的に「電話や情報通信機器(ビデオ通話システムなど)を用いた診療」が大幅に拡大されています。

「医療機関の直接受診による新型コロナウイルス感染リスク」を恐れて、慢性疾患治療中の患者が治療からドロップアウトしてしまうことを防止するために、当初は「再診患者」をターゲットに据えた「電話や情報通信機器を用いた診療」の拡大が進められました(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちらこちらこちら)。その後、政府の規制改革推進会議からの「初診患者についても医療へのアクセシビリティを確保すべき」との強い意向を踏まえ、「過去に一度も自院の受診歴がなく、他院からの診療情報提供もない患者」(以下、本稿では「完全初診」とする)に対する「電話・情報通信機器を用いた診療」が認められるに至りました(関連記事はこちら)。



この点、平井卓也IT担当大臣、河野太郎行革担当大臣と田村厚労相との間で「安全性と信頼性をベースに、初診も含めオンライン診療は原則解禁する。新たな診療形態の1つとする」方向で意識を合わせたことが報告されました。菅義偉内閣総理大臣の強い意向も踏まえたものです。現在の臨時特例措置から「恒久的な仕組み」に切り替わるものと言えます。

ただし、現在、臨時特例的に認められている「電話での初診」については、症状等が分かりにくいこともあり、「映像があることを原則とする」方針も固められています。今後、対象について具体的な検討をしていくことになります。

また対象疾患等ついて田村厚労相は「専門家の意見も踏まえ、3大臣で詳細を詰めていく」「オンライン診療を原因にいろいろな医療の問題が多発するようなことになれば、オンライン診療自体が根本から信頼を失う。安全性や信頼性をしっかり確保する」といった考えを示しています。



詳細については、今後、「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」で詰めていくことになります。ただし検討会では、医療提供サイド、患者サイドの双方から「完全初診患者(これまでに当該医療機関を一度も受診したことがなく、他院からの診療情報提供もない患者)では、患者が訴える症状の背後に隠れている疾患が見えない。また重症化徴候を見逃す可能性もある。これらを患者に自己責任とすることは、もはや医療とは言えない」という厳しい意見も出ています。

さらに、現在、大幅に拡大されている「電話や情報通信機器を用いた初診」については、3か月毎に状況を検証することとなっています。8月には第1回目の検証が行われ、そこだけでも、例えば次のような問題点が明らかにされています(関連記事はこちらこちら)。

▼「麻薬」「向精神薬」の処方を行っている事例、「ハイリスク医薬品」の処方を行っている事例がある(完全なルール違反)

▼「発熱」「呼吸器症状」の見られる患者について、対面受診を勧奨せず、電話・情報通信機器を用いた診療のみで完結させている(検査をせずに新型コロナウイルス感染症等の鑑別をすることは事実上不可能)

▼電話で「湿疹」などの初診患者に対応している事例がある(患部もみずにどう診断し、どのような指導等を行ったのかは不明)



今後、第2回目以降の検証が行われますが、それを待たずに「オンライン診療の解禁」がトップダウンで決定された点にも検討会で批判が出そうです。



ぽんすけ2020 MW_GHC_logo

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