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GemMed塾 2024年度版ぽんすけリリース

健保組合の後発品割合、調剤ベースでは2023年1月時点で84.5%となったが、依然として大きな地域格差—健保連

2023.6.9.(金)

今年(2023年)1月時点で、健康保険組合における後発医薬品の使用割合(調剤ベース)は84.5%となった—。

また、「80%をクリアできていない県」はなくなったが、地域格差が依然として大きい—。

健康保険組合連合会が6月5日に公表した「後発医薬品の普及状況」(数量ベース)【令和5年1月診療分】から、こういった状況が明らかになりました(健保連のサイトはこちら)。

後発品割合の伸び悩みの背景には「長引く後発品の供給不安」があります。「医薬品の安定供給」に向けた関係者のさらなる努力が切望されています(関連記事はこちら)。

今年(2023年)1月、健保組合の後発品割合は調剤ベースで84.5%(健保組合後発品割合23.01(1) 230605)

医科・歯科・DPCなど含めれば後発品割合は低くなるため、課題はより深刻

Gem Medでも繰り返し報じているとおり、医療保険財政が厳しさを増しています。

医療技術の高度化は患者・国民に大きな恩恵をもたらしますが、一方で医療費の高騰を招きます。脊髄性筋萎縮症の治療薬「ゾルゲンスマ点滴静注」(当初1億6707万円)白血病等治療薬「キムリア」(当初3350万円)などの超高額薬剤の保険適用が相次ぎ、さらにキムリアに類似したやはり超高額な血液がん治療薬も次々に登場してきています。

同時に、高齢化の進展による医療費高騰も続きます。ついに昨年度(2022年度)から団塊世代が75歳以上の後期高齢者となりはじめており、2025年度には全員が後期高齢者となります。後期高齢者は若い世代に比べて、傷病の罹患率が高く、1治療当たりの日数が非常に長いため、高齢者の増加は「医療費の増加」を招いてしまいます。

このように医療費が高騰していく一方で、支え手となる現役世代人口は急速に減少していきます(2025年度から2040年度にかけて急速に減少する)。

少なくなる一方の支え手で、増加する一方の医療費を支えなければならず、医療保険の制度基盤が極めて脆弱になってきているのです。

こうした中では、「医療費の伸びを、我々国民が負担できる水準に抑える」(医療費適正化)ための取り組みが極めて重要です。政府は、▼平均在院日数の短縮による入院医療費の適正化(入院基本料や特定入院料、DPCの包括点数は「1日当たり」の支払い方式であり、在院日数の短縮が入院医療費の縮減に効果的である)▼後発医薬品(ジェネリック医薬品、後発品)の使用促進による薬剤費の圧縮▼病院の機能分化推進と連携の強化▼地域差(ベッド数、外来受療率、平均在院日数など)の是正▼保健事業の充実による健康寿命の延伸―など、さまざまな角度から医療費適正化に向けて取り組んでいます(2024年度から新たな医療費適正化計画がスタートする、関連記事はこちら)。



主に大企業の会社員とその家族が加入する健康保険組合全体でも後発品割合の向上に向けて取り組んでおり、このほど、本年(2023年)1月時点では「84.5%」であることが明らかにされました(調剤分)。10月時点と比べて0.9ポイント上昇しています。

この数字だけを見ると「調剤ベースでは80%をクリアできている」ことが分かりますが、次のような2つの課題があるのです。

(1)調剤ベースの健保組合後発品割合は、一昨年(2021年)11月から83%台に、昨年(2022年)5月から84%台に乗ったが、依然として「停滞」期に入っている(2022年12月→23年1月ではダウンしている)



(2)都道府県別にみると依然として大きなバラつきがある(ただし、最も低い徳島県(80.8%)、高知県(81.3%)でも80%台をクリアできた)

すべての都道府県で80%以上をクリアしているが、依然として格差が大きい(健保組合後発品割合23.01(2) 230605)



さらに、これらの数字は「調剤」ベースであり、調剤・医科・DPC・歯科分の合計でみると「低くなる」ことから、(1)(2)の課題はより深刻に捉える必要があります。



なお、後発品シェア拡大が停滞している背景には「後発品の供給不安」があります。後発品をめぐっては「一部メーカーによる不祥事」(関連記事はこちらこちら)などに端を発し、供給停止・出荷調整が頻発し、時間の経過とともに拡大してきています(A医薬品が出荷停止になると、代替薬であるA1医薬品のニーズが高まり品薄になる、そして次なる代替品A2医薬品のニーズが高まり・・・と連鎖していく)。

医療機関・薬局の努力では解決できない事情によって「後発品割合を維持・向上することが困難」な状況が生じています。厚労省は診療報酬上の手当て(供給不安になっている品目を加算算定のベースから除外することを認めるなど、関連記事はこちら)を行っていますが、「供給不安そのものを解消するための取り組み」が切望されています。

こうした事態の解消に向けて、厚生労働省の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」では、▼後発品メーカーに、より厳格な「安定供給確保」要件を設け、クリアできない企業の撤退を促す▼先発品メーカーが特許期間中に研究開発コストを回収でき、特許期間後は後発品に市場を明け渡す環境を整える▼薬価制度の改革を行い、これらを下支えする—ことなどを盛り込んだ報告書をとりまとめました。

今後、報告書を受けてより具体的な施策の検討・実施が進められる異なり、その動きにも注目が集まります。



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