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斗南病院、防衛医大病院、立川病院、福岡徳洲会病院を新たに「地域がん診療連携拠点病院」に指定へ―がん拠点病院指定検討会

2025.2.13.(木)

斗南病院(北海道)、防衛医大病院(埼玉県)、立川病院(東京都)、福岡徳洲会病院(福岡県)を新たに「地域がん診療連携拠点病院」に指定する—。

現在、地域がん診療病院である王子総合病院(北海道)・国立病院機構信州上田医療センター(長野県)を、地域がん診療連携拠点病院にグレードアップ指定する—。

近畿大学病院が南河内医療圏から堺医療圏に移転するが、移転後も、優れたがん診療を提供できると見込まれるため、地域がん診療連携拠点病院としての指定を継続する—。

2月13日に開催された「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」(以下、指定検討会)で、こういった方針が固められました。近く厚生労働大臣が正式指定を行います。

斗南病院、防衛医大病院、立川病院、福岡徳洲会病院を地域がん拠点病院に新規指定

「日本全国のどの地域に住んでいても、優れたがん医療を受けられる体制を整える」(均てん化)という方針の下、我が国では、高度ながん医療を提供する病院の基準(指定要件)を設け、要件に合致する病院を▼都道府県がん診療連携拠点病院▼地域がん診療連携拠点病院▼特定領域がん診療連携拠点病院—として指定しています。

また、拠点病院が指定されていない地域では「一定の要件(拠点病院よりも少し緩めの基準)を満たしており、隣接する2次医療圏の拠点病院と十分な連携関係が構築できている」病院を「地域がん診療病院」として指定します。

拠点病院等として指定されるには、国の定めた整備基準(指定要件)を満たすことが求められます。この整備基準(指定要件)は2022年8月に見直され、例えば、▼均てん化と集約化のバランスを確保する(希少がん対策などの機能は集約化し、医療の質を高めていく)▼「都道府県やがん医療圏単位」でのBCP(事業継続計画)策定を求める▼地域がん診療連携拠点病院について「高度型」類型を廃止する▼地域がん拠点以外の都道府県拠点・地域がん診療においても、要件をクリアできていない「特例型」を位置づける(いわばイエローカード)▼「保険適用外の免疫療法等」について、実施にとどまらず、「推奨しない」ことを明確化する▼がん相談支援センターの機能強化、アクセス確保などを行う—などの点が注目されます(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちら)。なお、「集約化と均てん化のバランス」については、新たな地域医療構想で「急性期拠点病院機能を集約化する」方針が固まったことや、がん医療の質を確保すべきことなどを踏まえて「高度な医療技術は都道府県や複数都道府県単位で確保、一般的な医療技術は2次医療圏単位で確保する」などの方向で議論が進んでいます(関連記事はこちら)。

◆がん診療連携拠点病院の指定要件はこちら(厚労省サイト)

がん診療連携拠点病院等の指定要件見直し内容の大枠(がん拠点病院指定検討会1 230119)

がん診療連携拠点病院等の全体像(がん拠点病院指定検討会1 240221)



がん診療連携拠点病院等に指定されるためには、▼各病院で指定要件(整備指針)を満たす→▼都道府県が厚生労働大臣に推薦する→▼厚生労働大臣が、推薦内容・病院から提出された現況報告書(人員配置や実績など)を確認して指定する—という手続きを経る必要があります(実質的な確認を指定検討会で行う)。

こうした流れに沿って、2023年4月から新たながん診療連携拠点病院等の指定が行われていますが、「一度指定されれば期間内は安泰」というわけにはいきません。いずれの病院でも人員や患者状況などは流動するため、「毎年の現況報告書」をもとにしたチェックがなされます。その際に「要件の一部を満たせていない」ことが明らかになれば「通常型→特例型」に指定変更することとなり、逆に「要件の一部を満たせていなかったが、クリアできた」ことが判明すれば「特例型→通常型」へ復帰することなども可能です。また、新たに要件を満たして拠点病院等の指定を受けることも認められます(関連記事はこちら(2024年4月からの指定))。

2月13日の指定検討会では、次の指定見直し内容を議論しました。なお、拠点病院等の名称が類似しているので、ここでは▼都道府県がん診療連携拠点病院を「都道府県拠点病院」▼地域がん診療連携拠点病院を「地域拠点病院」—と呼ぶことにします(地域がん診療病院は名称どおりとします)。
(1)地域携拠点病院・地域がん診療病院の「新規」指定
(2)地域がん診療病院→地域拠点病院への指定変更
(3)地域拠点病院(特例型)→地域がん診療病院への指定変更
(4)拠点病院等の移転



まず(1)は、これまで拠点病院に指定されていなかった病院が指定要件をすべてクリアしたことから、都道府県が「新規に地域拠点病院等にしてほしい」と申請したものです。次の4病院について「地域拠点病院として新規に指定する」ことが了承されました。

【地域拠点病院】(新規)
(a)国家公務員共済組合連合会 斗南病院(北海道)
(b)防衛医科大学校病院(埼玉県)
(c)国家公務員共済組合連合会 立川病院(東京都)
(d)医療法人徳洲会 福岡徳洲会病院(福岡県)

このうち(a)の斗南病院、(b)の防衛医大病院、(c)の立川病院については、同じ2次医療圏内に既に地域拠点病院が指定されていますが、「既存の地域拠点病院との更なる連携や相乗効果により、がん患者への貢献が増すことが大いに見込まれる」こと、「新規指定を希望する病院が、がん診療において特色を持っている」(斗南病院は「胃がん」治療実績が道トップで、小児・AYAがん診療等にも力を入れている、防衛医大病院は「移植認定施設として、血液がんへの造血細胞移植に対応できる」体制を敷いている、立川病院は「地域で耳鼻咽喉系のがん治療を行うことができる唯一の医療機関」である、など)ことなどを踏まえ、地域拠点病院として指定することが認められています。



また(d)の福岡徳洲会病院については、同じ2次医療圏(筑紫医療圏)内に地域がん診療病院として福岡大学筑紫病院が指定されています。今回、福岡徳洲会病院が新規に地域拠点病院として指定されることから「空白医療圏でなくなる」ため、福岡大筑紫病院は地域がん診療病院の指定を辞退することになります(地域がん診療病院は「空白医療圏」にしか設置できない)。福岡大筑紫病院では放射線治療が行えませんが、福岡徳洲会病院では実施可能となる(地域拠点病院の指定要件にも盛り込まれている)ため、地域のがん診療体制が充実すると期待されます。

(筑紫医療圏の現状)
・地域拠点病院:なし
・地域がん診療病院:福岡大筑紫病院

(2025年4月以降)
・地域拠点病院:福岡徳洲会病院
・地域がん診療病院:なし(空白医療圏にのみ指定可能)



ところで、「医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会病院」についても神奈川県から「新たに地域拠点病院として指定してほしい」との要望がありましたが、▼同病院では「都道府県の他拠点病院等と協働して都道府県協議会を設置し、その運営に主体的に参画する」、「各がん医療圏におけるがん医療の質を向上させるため、当該がん医療圏を代表して都道府県協議会の運営にあたり、都道府県協議会の方針に沿って各がん医療圏におけるがん医療が適切に提供されるよう努める」、「がん相談支援センターの業務内容について相談者から得られたフィードバック内容を自施設の相談支援の質の向上のために活用し、都道府県協議会で報告して他施設とも情報共有する」、「がん相談支援センターの相談支援に携わる者が、都道府県拠点病院の実施する研修を受講している」との要件を満たしていない(新規指定時には原則してすべての要件をクリアする必要がある)▼すでに同じ2次医療圏に別の地域拠点病院がある(新規指定を行わずとも、地域のがん診療体制は確保される)—ことから、「新規指定は見送る」こととなっています。

この点に関連して、「地域拠点病院でない病院は、都道府県協議会にオブザーバー参加する」などして、各都道府県に「都道府県協議会への参加実績あり」と判断してもらうことの重要性が指定検討会で確認されています。厚労省も「地域拠点病院でない病院は、都道府県協議会にオブザーバー参加することで、地域拠点病院への指定に近づく」旨を各都道府県等に周知していく予定です。



また、次の1病院について「地域がん診療病院」(地域拠点病院のない2次医療圏でもがん診療体制を確保するために、地域拠点病院の要件は満たさないが、少し緩和された要件をクリアしており、隣接する地域の地域拠点病院と連携する病院を指定するもの)に指定してほしいとの申請があり、要件をクリアしていることから「新規指定する」ことが了承されています。

【地域がん診療病院】(新規)
▽伊万里・有田地区医療福祉組合 伊万里有田共立病院(佐賀県)

王子総合病院・信州上田医療センター、地域がん診療病院から「地域がん拠点病院」に昇格

また(2)は「地域がん診療病院→地域拠点病院」へのアップグレードを認めるものです。上述のように地域拠点病院には人員や診療実績などの厳しい基準が設けられていますが、人口の少ない地域では「医療人材の確保」や「症例、手術実績などの確保」が困難です(仮に人を確保できたとしても、症例数が少なければ診療報酬収益を十分に得られず、経営が困難となってしまう)。そこで、基準を緩めた地域がん診療病院が認められていますが、今般、病院・都道府県の双方の努力が実り、「厳しい基準のクリア→アップグレードの実現」につながったと考えられます。

(a)王子総合病院(北海道)
(b)独立行政法人国立病院機構 信州上田医療センター(長野県)



他方、▼岩手県立胆沢病院(岩手県)▼岩手県立中部病院(岩手県)—の2病院についても、岩手県から地域拠点病院へのアップグレード申請がありましたが、「専従常勤の病理医の配置」などの要件が充足できていないことから、「地域拠点病院」へのアップグレードは認められませんでした(この2病院は、要件充足が難しく「地域拠点病院→特例型→地域がん診療病院」とダウングレードが続いている、関連記事はこちら)。

岩手県サイドには「岩手県立の他病院では、がん患者数が200-500名程度にとどまるが、胆沢病院・中部病院では1100-1200名程度と多い」点を踏まえて推薦がなされたようですが、「地域拠点病院への新規指定にあたっては、すべての要件を充足していなければならない」という厳格なルールがあり、未充足病院の推薦そのものに問題があったとも思われます。

ただし、指定検討会の構成員からは「今回は未充足要件があり、他の病院との公平性を考えて地域拠点病院への指定を見送らざるを得ない」としたうえで、「病理医や放射線科医を専従常勤で確保することは、特に地方の病院では非常に難しい。遠隔病理診断技術が発達し、質も向上してきていることから、指定要件の見直し(2028年予定)では、こうした状況も勘案して、病理医・放射線科医配置について『遠隔対応でも可とする』ような柔軟化を検討すべき」と指摘が相次ぎました(黒瀬巌構成員:日本医師会常任理事、泉並木構成員:日本病院会副会長、成田友代構成員:東京都保健医療局技監)。

もっとも、どこまでの要件柔軟化が可能なのか、それによって質が維持されるのか、などについては専門的知見が必要なため、伊藤伸一構成員(日本医療法人協会会長代行)は「関係学会に考え方・指針を示してもらうべき」と進言。藤也寸志座長(国立病院機構九州がんセンター名誉院長)もこの考えに賛同しています。

今後、がん診療連携拠点病院等の指定要件(整備指針)見直し論議が「がん診療提供体制の在り方に関する検討会」で行われますが、重要論点の1つとなるでしょう。なお、現行の指定要件(整備指針)では「術中迅速病理診断」については「遠隔診断」を可能としています。

市立三次中央病院(広島県)、特例型拠点病院から地域がん診療病院へ移行

他方、(3)は「一部要件をクリアできていなかった地域拠点病院(特例型)」が、やむなく「地域がん診療病院」にダウングレードするものです。

特例型は、基準の一部を満たせなくなった場合の、いわば「1年間の猶予措置」であり、1年の間に当該要件を何とかクリアして「いわば通常型への復帰」を目指さなければなりません。1年を経過しても当該要件をクリアできなかった、あるいは、別の要件未充足が生じてしまった場合には、「可能であれば別の類型(地域がん診療病院)に移る(ダウングレードする)」、「別の類型に移れない場合には拠点病院等の指定が更新されない」(=一般病院となる)という厳しい対応がなされます。

今般、次の1病院が、「専従常勤の放射線治療医の配置」要件を満たせず、「特例型の地域拠点病院→地域がん診療病院」にダウングレードすることが了承されました。

▽市立三次中央病院(広島県、関連記事はこちら

ここでも「専門人材」(放射線治療医)の確保難が浮き彫りになっており、2028年度の指定要件(整備指針)見直しで「柔軟化すべきか否か」などを検討していくことになるでしょう。

近大病院は移転後も地域拠点病院に、大阪南医療センターは地域がん診療病院に

また、(4)は、地域拠点病院である「近畿大学病院」が2025年11月1日に、現在の「南河内医療圏」から「堺市医療圏」へ移転することを踏まえ、前回(2024年2月)の指定検討会で、「移転後も全ての指定要件を充足する見込み」「移転後の診療実績の見込みの詳細」「移転元と移転先のがん医療圏の患者受療動向への影響を含めたがん診療提供体制の詳細」を確認して、地域拠点病院に継続指定するか否かを判断することになっていたものです。

2月13日の指定検討会には、大阪府から次のようなデータが示されました。
▽移転後も地域がん診療 連携拠点病院の指定要件を充足する見込みである

▽近接地への移転(直線距離3.63km)で患者のアクセスに大きな変化はなく、堺市・南河内の両医療圏における診療実績の割合はそれぞれ一定の割合を維持できる見込みである

近大病院移転後の診療見込み等1

近大病院移転後の診療見込み等2



▽手術室、外来化学療法室等の設備を拡充し、堺市および南河内の両医療圏に居住する患者も含め、増加見込みである全ての患者の診療 担える体制の構築に取り組んでいる状況にある

近大病院移転後の診療見込み等3



このデータからは「移転後も十分な診療体制を確保し、質の高いがん診療を継続できる」と判断され、「移転後も含めた1年間(2025年4月1日から2026年3月31日まで)を指定期間として地域拠点病院としての指定更新を認める」こととなりました。



なお、近大病院が現在位置する「南河内医療圏」には、もう一つの地域拠点病院として「独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター」があります。

しかし、同センターについては「放射線治療延べ患者数が年間200人以上」との要件を満たすことができず、「特例型」となっており、今後も、この要件を満たすことが難しい状況です。このため、「特例型の地域拠点病院」としての指定を、この4月(2025年4月)以降も継続することはできません。

一方、上述のように近大病院が南河内医療圏から移転してしまうため、このままでは「2025年11月以降、南河内医療圏は拠点病院空白地域」となってしまいます。

そこで大阪府は「拠点病院空白地域を生じさせない」ように、2025年11月から「大阪南医療センターを地域がん診療病院として指定してほしい」と推薦。指定検討会でも、この推薦が認められました。

結果、南河内医療圏のがん診療体制は次のように、やや複雑な状況となります(ただし、この取り扱いにより、拠点病院が空白となる期間は生じない)。

(現在)
・地域拠点病院:近大病院
・地域拠点病院(特例型):大阪南医療センター

(2025年4月-10月)
・地域拠点病院:近大病院
※大阪南医療センターは指定なし

(2025年11月-)
・地域拠点病院:なし(近大病院は隣接する堺医療圏へ移転)
・地域がん診療病院:大阪南医療センター

本年(2025年)4-10月の期間は、大阪南医療センターは地域拠点病院でも地域がん診療病院でもないため、厚労省・大阪府が連携して「がん患者に不利益が生じないようにする」(例えば近隣病院と連携してがんゲノム医療を滞りなく実施するなど)ことになります。



こうした動きに関連して伊藤構成員は「新たな地域医療構想では、構想区域や2次医療圏の統合方針も打ち出しており、がん医療圏についても、今後、統合していくことになろう。その場合の拠点病院整備の在り方なども今後、検討していく必要がある」とコメントしています。なお、「がん診療提供体制の在り方に関する検討会」では「拠点病院空白医療圏の解消」に向けて、「がん医療圏を統合する」手法や「病院の機能分化等を進める」手法の検討を都道府県に求めており、今後、各都道府県で「がん医療圏・拠点病院の整備」について地域の実情を踏まえた見直しなどを考えていくことになります。



なお、たとえば「一部の指定要件に問題があり、指定期間を短く設定されていたが、その後、指定要件をしっかり充足していることが判明した」ようなケースでは、上述のような個別審議をせずに「拠点病院などの指定を継続する」取り扱いとなっています。今般、以下の病院について各類型の指定更新が認められています。

【都道府県拠点病院】
▽独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター(北海道)

【地域拠点病院】(指定更新)
▽社会医療法人恵佑会札幌病院(北海道)
▽秋田県厚生農業協同組合連合会 秋田厚生医療センター(秋田県)
▽会津中央病院(福島県)
▽春日部市立医療センター(埼玉県)
▽大和市立病院(神奈川県)
▽岐阜県厚生農業協同組合連合会 中濃厚生病院(岐阜県)
▽京都府立医科大学附属北部医療センター(京都府)
▽公益財団法人 天理よろづ相談所病院(奈良県)
▽近畿大学奈良病院(奈良県)
▽橋本市民病院(和歌山県)
▽紀南病院(和歌山県)
▽住友別子病院(愛媛県)
▽日本赤十字社長崎原爆病院(長崎県)
▽社会福祉法人 恩賜財団 済生会川内病院(鹿児島県)
▽独立行政法人労働者健康安全機構釧路労災病院(北海道)
▽岩手県立磐井病院(岩手県)
▽一般社団法人福岡県社会保険医療協会社会保険田川病院(福岡県)

【地域がん診療連携拠点病院】(現況報告)
▽山形市立病院済生館(山形県)
▽置賜広域病院企業団 公立置賜総合病院(山形県)
▽日本医科大学千葉北総病院(千葉県)
▽独立行政法人国立病院機構災害医療センター(東京都)
▽川崎市立井田病院(神奈川県)
▽社会医療法人厚生会 中部国際医療センター(岐阜県)
▽愛知県厚生農業協同組合連合会 海南病院(愛知県)
▽公立学校共済組合近畿中央病院(兵庫県)
▽公立八女総合病院企業団(福岡県)
▽医療法人 原三信病院(福岡県)
▽福岡赤十字病院(福岡県)

【地域がん診療病院】
▽独立行政法人労働者健康安全機構 北海道中央労災病院(北海道)

コロナ感染症の落ち着きなど踏まえ、拠点病院等の指定にかかる手続きを一部見直し

このほか、2月13日の検討会では、拠点病院等の指定手続きに関して次のような点も了承れています。

▽「新型コロナウイルス感染症の影響による一時的な患者数の減少による未充足は許容する」とされていたが、新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」へ位置づけ変更となったことを踏まえ、「2025年度の指定検討会からは、特例的な経過措置は設けず、要件充足状況に基づき、指定の可否を検討する」

▽現在は「検討会の開催時点での指定要件の充足状況等を勘案し、指定の可否を判断」しているが、事務処理期間(データの確認等)を考慮し、「通常1月・2月に検討会が開催されるため、検討会開催前年の12月末日までの指定要件充足状況(所定の書類を厚生労働省に提出し、受理されること)を持って判断する」ことと改める



なお、患者代表として指定検討会に参画する村本高史構成員(サッポロビール社人事総務部)や藤座長は「コロナ対策として面会制限を厳しくしている病院もあるが、がん患者では面会制限が精神的なデメリットになることもあり、各病院では、そうした点も踏まえた制限を行ってほしい」旨をコメントしています。各病院では「感染のリスク」と「面会による入院患者のQOL向上」とを勘案して、自施設にマッチした「面会の在り方」を検討していくことが期待されます。



病院ダッシュボードχ ZEROMW_GHC_logo

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