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GemMed塾診療報酬改定セミナー2026

「オンライン言語聴覚療法」を保険適用することで、長期間のリハビリ支援・ST偏在対策などが可能となる—日慢協・橋本会長

2025.12.22.(月)

今後の診療報酬改定で「オンラインによる言語聴覚療法」の保険適用を検討していくべきである—。

日本慢性期医療協会が12月11日に定例記者会見を開き、橋本康子会長がこうした提言を行いました。

いわゆる潜在STの掘り起こしにもつながるのでは

2026年度の診療報酬改定論議が中央社会保険医療協議会で進んでいますが、診療報酬改定の大きな役割の1つに「新たな医療技術の保険適用」があげられます。

ICT技術・医療技術は日々進化しており、その成果・果実を広く国民が享受できるよう、安全性・有効性を確認したうえで新技術の保険適用が順次進められます。とりわけ2年に一度行われる診療報酬改定では、多くの新規医療技術の保険適用が行われます(2024年度診療報酬改定における新規技術の保険適用に関する記事はこちら)。

そうした点を背景に橋本会長は今般、「オンラインによる言語聴覚療法」の保険適用を進言しています。

失語症や高次脳機能障害の改善には「2-3年の長期間のリハビリ」が必要となるケースがあります。このため回復期リハビリ病棟などからの退院後にもリハビリを継続することが求められますが、外来での実施回数は少ないことが分かっています。

オンライン言語聴覚療法の保険適用に向けて1(日慢協会見1 251211)



外来での言語聴覚療法実施が少ないことの大きな要因として「言語聴覚士(ST)の資格保有者がもともと少ないために、配置医療機関数が限定されてしまう」点があげられます。当然、地域偏在もあります。

オンライン言語聴覚療法の保険適用に向けて2(日慢協会見2 251211)



こうした状況を改善するために橋本会長は「オンラインによる言語聴覚療法」を提案しています。すでに米国では、米国言語聴覚協会が「テレプラクティス(オンライン言語聴覚療法)は聴覚・言語療法の適切な提供モデルであり、主たる実施としても、対面の補完(ハイブリッド)としても用い得る」との考えを示しているとともに、橋本会長が理事長を務める千里リハビリテーション病院(大阪府)からは「もやもや病で発生等に支障のあった女性患者」に対してオンラインで言語聴覚療法を実施し、2年6か月後に「一般企業に就労できた」という事例も報告されています。オンライン言語聴覚療法によって「STが不在である地域の患者にも医療アクセスを一定程度確保できる」「ST資格を持ちながら、STとして活動していない、いわゆる潜在STの掘り起こしにもつながる(短時間労働が可能)というメリットも期待できます。

オンライン言語聴覚療法の保険適用に向けて3(日慢協会見3 251211)



もっともオンライン診療には「患者との対面をしていない」という大きなビハインドもあるため、橋本会長は対象患者等を次のように限定することも指摘しています。

【対象患者】
▽退院直後や生活期などの慢性期で、「医師やSTが既に対面で症状を把握し評価している」「患者/家族がテレビ会議システムを操作できる」ことが必要

【対象行為】
▽非接触で完結する言語・高次脳機能障害へのリハビリテーション(失語、発話、構音障害、言語理解、就学・就業場面の会話訓練など)
▽食形態、食事方法の指導
▽摂食嚥下評価、訓練は不可(誤嚥のリスクがあり対面のみとすべき)



橋本会長は「2028年度以降の診療報酬改定論議の中で、こうした点を検討すべき」と強調しています。



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