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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

介護保険料の設定において、2018年度から土地売却益などを合計所得から控除―厚労省

2016.9.20.(火)

 2018年4月1日より、第1号介護保険料(65歳以上の方)の段階を判定する基準について、現行の合計所得金額から公的年金などに係る雑所得などを控除した額を用いることとする―。

 こういった内容を定めた改正介護保険法施行令が14日に公布されました(関連記事はこちら)。

 介護保険料を賦課・徴収する市町村においては、特段の留意が必要となります。

被災者が居住地を売却した場合などに生じる「一時的な保険料高騰」を是正

 2014年の介護保険法改正によって、65歳以上の第1号被保険者が負担する介護保険料は、所得段階によって9段階に設定されます(基準額の0.3倍-1.7倍)。

現在、介護保険料(第1号保険料)は、被保険者の合計所得金額に基づいて9段階に設定されている

現在、介護保険料(第1号保険料)は、被保険者の合計所得金額に基づいて9段階に設定されている

 この所得段階を判定する基準は、現在「合計所得金額」(収入から必要経費などを控除した額)を所得指標としていますが、2018年4月1日より、「合計所得金額」-「(1)長期譲渡所得および短期譲渡所得に係る特別控除額」-「(2)公的年金などに係る雑所得」となります。

 (1)は、例えば「東日本大震災で被災したために、別の安全な土地への移転を余儀なくされ、それまでに住んでいた宅地が自治体に収用された場合、それに伴う補償金が所得としてカウントされ、翌年度の介護保険料が高くなってしまう」といったような事態を避けるため、税制の考え方にならうものです。具体的には、次の金額が合計所得金額から控除されます。なお、市町村が条例によって2015年度から前倒して特例的にこの控除を行うことも可能です。

▼収用交換などのために土地などを譲渡した場合の5000万円(最大)

▼特定土地区画整理事業や被災地の防災集団移転促進事業等のために土地などを譲渡した場合の2000万円(最大)

▼特定住宅地造成事業などのために土地など譲渡した場合の1500万円(最大)

▼農地保有の合理化などのために農地などを売却した場合の800万円(最大)

▼居住用財産を譲渡した場合の3000万円(最大)

▼特定の土地(2009年および10年に取得した土地等であって所有期間が5年を超えるもの)を譲渡した場合の1000万円(最大)

▼上記のうち2つ以上の適用を受ける場合の最高限度額5000万円(最大)

 

 また(2)は、生年月日の違いによる不公平を是正するための取り扱いです。公的年金等控除額は「1月1日時点で64歳の人は70万円、65歳以上の人は120万円」とされているため、年金収入が同じであっても所得段階に差が生じることがあるので、この不公平をなくすことが狙いです。

 
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