偽造ハーボニー、服用した患者はいない模様―厚労省
2017.2.2.(木)
メディ・ウォッチでもお伝えしているとおり、画期的なC型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が一部で流通しています(関連記事はこちらとこちら)。
厚生労働省はこの問題について詳細な調査を行い、「今回の流通ルートでは患者が偽造品を服用したケースはない」ことを確認し、1日に公表しました(厚労省のサイトはこちら)。
偽造品の内容物は、ビタミン剤などと推定
偽造ハーボニーは、これまでに奈良県と東京都で発見されました。奈良県では調剤薬局で5つの偽造品ボトルが見つかり、内容物はハーボニー配合錠、ソバルディ錠(C型肝炎治療薬)、ビタミン剤、漢方製剤であると推定されます。また東京都では卸業者で9つの偽造品ボトルが見つかり、一部については内容物はビタミン剤と推定されています。
また厚労省の調査によって今回の流通ルーツもほぼ確定し、複数の卸業者を経て調剤薬局に納入されたことも分かりました。
さらに奈良県の薬局でハーボニー配合錠を調剤された62名の患者について、奈良県・奈良市・京都府が患者や主治医らに対する健康状態などの確認を行ったところ、「現在ハーボニー錠を服用している患者を除き、C型肝炎ウイルスは検出されていない」ことが分かりました。厚労省は、「偽造品発見の端緒となった患者(服用前に偽造品と気づいた)以外に、偽造品を受け取った患者はいない」と考えています。
偽造品では、箱から取り出され裸のボトル状態(ボトル自体は正規品)で流通(正規品は通常、シールで封緘された箱に入った状態で流通)しており、「ボトルと一緒に箱に封入されている添付文書」が添付されていません。ハーボニー錠に限らず、医薬品を譲り受ける際には、「本来の容器包装などに収められているか」「譲渡人が必要な販売業許可を有し、適正な流通経路から入手しているか」などの確認を徹底するよう、改めてご留意ください。
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