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保健所・市区町村の常勤保健師の配置、島根県が最多、東京都が最少―厚労省

2017.3.13.(月)

 保健所および市区町村に常勤する保健師は、2015年度には2万5377名で前年より334名充実した。また都道府県別に人口10万人当たりの配置状況みると、全国平均は19.8名で前年より0.3名の増員となったが、都道府県間のバラつきは依然として大きい―。

 こうした状況が、厚生労働省が9日に公表した2015年度の「地域保健・健康増進事業報告の概況」から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

人口10万人当たりの常勤保健師、全国平均では19.8名で、前年から微増

 「地域保健・健康増進事業報告」は、保健所・市区町村ごとに保健政策の展開を調査するものです。2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて後期高齢者となることから、地域で▼住まい▼医療▼介護▼予防▼生活支援―の各サービスを総合的・一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築が求められています。そこでは健康維持や疾病・介護予防で大きな役割を果たす保健師への期待がますます高まってきています(関連記事はこちらこちら)。

 2015年度の事業報告では、保健所・市区町村の地域保健事業に携わる保健師は2万5377名(前年度に比べて334名増員)であることが分かりました、内訳を見ると、▽都道府県保健所:3613名▽政令市・特別区:6829名▽政令市・特別区以外の市町村1万4935名―となっています。

 また都道府県別に人口10万人当たりの配置状況みると、全国平均は19.8名で前年より0.3人の増員となりました。最多は島根県の41.1名で、高知県34.4名、山梨県36.1名と続きます。逆に最も少ないのは、東京都の11.4名で、ほか神奈川県12.0名、埼玉県13.7名などという状況です。

 最多の島根県と最少の東京都の間には、3.61倍の開きがあります。前年度には、この格差が3.82倍でした(最多の島根県で40.2名、最小の東京都で10.5名)ので、徐々に格差縮小に向かっていますが、依然として大きなバラつきがあります。

人口10万人当たりの自治体常勤保健師配置状況を見ると、全国で大きなバラつきがあることが分かる

人口10万人当たりの自治体常勤保健師配置状況を見ると、全国で大きなバラつきがあることが分かる

 

 このほか、保健所・市区町村の地域保健事業に携わる常勤の医療職の配置状況を見てみると、▼医師894名(前年度に比べて31名減)▼歯科医師2508名(同35名増)▼薬剤師3016名(同5名減)▼理学療法士161名(同8名減)▼作業療法士105名(同14名減)▼管理栄養士3183名(同76名増)▼助産師133名(同7名増)▼看護師848名(59名増)▼准看護師122名(同14名減)―などとなっています。

がん検診受診率、軒並み前年度から大幅低下

 市区町村が実施したがん検診の受診率を見ると、▼胃がん:6.3%(同3.0ポイント減)▼肺がん:11.2%(同4.9ポイント減)▼大腸がん:13.8%(同5.4ポイント減)▼子宮頸がん:23.3%(同8.7ポイント減)▼乳がん:20.0%(同6.1ポイント減)―となっています。軒並み受診率が低下しており、要因分析などが求められます。

 また市区町村別・がん種別に、検診受診率の状況を見ると、子宮頸がん・乳がんでは「50%以上」の市区町村が3桁ですが(ただし割合にすれば10%未満)、胃がんではわずか3自治体にとどまっています。胃がんについては、10%未満が921自治体で、全体の53.0%を占めており、受診勧奨の改善などを早急に進める必要がありそうです。

がん検診の実施状況を見ると、胃がんでは「10%未満」の自治体が半数を超えている

がん検診の実施状況を見ると、胃がんでは「10%未満」の自治体が半数を超えている

 

 なお、2014年度に市区町村が実施したがん検診における要精密検査者のうち、「がんであった者」の「がん検診受診者」に対する割合は、▼胃がん:0.10%(前年度から増減なし)▼肺がん:0.04%(同)▼大腸がん:0.19%(前年度から0.01ポイント増)▼子宮頸がん:0.04%(同0.03ポイント減)▼乳がん:0.34%(同0.03ポイント増)―という状況です。

 
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