手足口病が警報基準を超えて流行—東京都
2017.7.14.(金)
手足口病について、東京都内の小児科定点医療機関から患者報告数が都の警報基準を超えて、大きな流行となっている。
東京都は13日にこうした発表を行うと同時に、手足口病のほか、ヘルパンギーナや咽頭結膜熱(プール熱)などの小児に感染症に留意するよう訴えています(都のサイトはこちら)。他県でも手足口病の流行に関する報告があり、全国的な流行が懸念されます。
都の独自警報基準を上回る患者数が小児科医療機関から報告
手足口病は、毎年夏に小児を中心に流行するウイルスによる感染症で、主な症状は▼口の中、手のひら、足の裏などの発疹や水泡▼発熱—などですが、まれに脳炎や髄膜炎などを発症するケースもあります。現時点で特異的な治療法やワクチンはありません。
都では264の小児科定点医療機関に定期的な報告を求めており、7月3-9日(2017年第27週)の1週間で4.18人の患者報告がありました。国では「保健所単位で定点医療機関当たりの手足口病の患者報告数が1週間で5.0人を超えると『警報』を開始、1週間で2.0人を下回った段階で警報を終息させる」という基準(警報レベル)を設けています。第27週時点では、「1週間で5.0人」という警報開始基準を下回っていますが、前週(第26週)に警報開始基準をすでに上回っているため、警報が継続されています。
さらに都では「警報レベルにある保健所の管内人口合計が、都全体の人口の30%を超える場合に、警報を出す」という独自の警報基準を設けています。
現在、患者報告数が警報レベルを超えている保健所は、都内の全31か所中12か所で、管内人口の合計は都全体の人口の30.54%となったため、都の警報基準を上回る流行となっています。過去5年と比べると、2013年・2015年の大流行に迫る勢いとなっています。
ほかに、夏季に小児中心に流行する▼ヘルパンギーナ(定点当たり患者報告数は1.20人で、警報開始基準の6.0人にはまだ及ばず)▼咽頭結膜炎(プール熱、定点当たり患者報告数は0.98人で、警報開始基準値は3.0人にはまだ及ばず)―の患者報告数も増加しています。
都では「こまめな手洗い」「咳やくしゃみをする時には口と鼻をティッシュなどで覆う『咳エチケット』を心がける」「患者の多くは小児であり、▽家庭▽保育所▽幼稚園▽学校―などにおける感染予防策の徹底」を求めています。
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