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GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

介護医療院、介護療養などからの転換は総量規制に含めず、新設は含める―厚労省

2017.8.18.(金)

 2018年4月から新たな介護保険施設として医療・介護・生活の3機能を備えた「介護医療院」の整備が始まるが、介護療養病床・医療療養病床などからの転換は、いわゆる総量規制の対象に含めないが、介護医療院の新設については総量規制の対象に含める—。

厚生労働省は10日に通知「第7期介護保険事業 (支援) 計画における療養病床、介護医療院等の取扱いに関する基本的考え方について」を発出し、こうした考えを明確にしました(関連記事はこちら)。

総量規制の対象となれば、上限超過分のベッドは介護保険指定拒否の可能性

市町村と都道府県は3年を1期とした介護保険事業計画・介護保険事業支援計画を定め、この中で、各種介護保険サービスの整備量などを見込みます。この整備量に基づいて、3年間の介護保険料が設定されるのです。したがって、サービスの整備量を多くすれば、利用者に十分な介護サービスが提供できますが、保険料の高騰につながってしまいます(逆に整備量を少なくすれば保険料の水準を抑えることができますが、十分なサービス量を確保できない)。このため、厚労省は▼特別養護老人ホーム▼介護老人保健施▼介護専用型特定施設▼認知症高齢者グループホーム―などについて、「必要利用定員総数・必要入所定員数」という上限を設け、これを超過した整備申請(開設申請など)は「介護保険の指定を市町村や都道府県が拒否できる」【総量規制】こととしています。

ところで、介護療養病床と、医療法の看護配置4対1を満たさない医療療養病床については、2017年度末(2018年3月末)で設置根拠となる経過措置が切れます。このため別の施設に転換することが求められていますが、例えば「介護療養から認知症高齢者グループホームに転換しようと考えているが、総量規制によって『転換が認められない』」といった事態が生じるのかが気になります。

この点について厚労省は、介護療養・医療療養が▼認知症対応型共同生活介護▼地域密着型特定施設入居者生活介護▼地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護▼介護専用型特定施設入居者生活介護▼介護保険施設―に転換する場合には、その増加分は「必要利用定員総数・必要入所定員数」に含めないことを明らかにしています。

 
また、厚労省は介護療養などの転換先の選択肢として、医療・介護・生活の3機能を備えた新たな介護保険施設「介護医療院」を創設します(関連記事はこちら)。この点、▼介護療養▼医療療養▼介護老人保健施設―が介護医療院に転換する場合、その利用者数・入所者数の増加は「必要利用定員総数・必要入所定員数」に含まれず、【総量規制】による指定拒否は生じないことも明確にしました。

介護療養に生活機能をプラスアルファした新たな介護保険施設を創設し、利用者像によって2つに区分する考えが示された

介護療養に生活機能をプラスアルファした新たな介護保険施設を創設し、利用者像によって2つに区分する考えが示された

 
なお「介護医療院」は、新たな介護保険施設として介護保険法本則に位置付けられており、「一般病床からの転換」や「新設」も可能となります。こちらについては、利用者数・入所者数の増加は「必要利用定員総数・必要入所定員数」に含まれ、超過している場合には【総量規制】による指定拒否が可能となることも明らかにしています。

介護医療院の整備量、転換意向踏まえ、都道府県・市町村で決定

 では「介護医療院」をどれだけ整備するのか、「必要入所定員数」をどう設定するのでしょう。この点について厚労省は、▼介護療養などからの転換意向(こちらが優先)▼新規参入の意向―などを踏まえ、「都道府県と市町村との協議の場」において設定するよう指示しています。

前者の転換意向については、同じく10日に通知「第7次医療計画及び第7期介護保険事業(支援)計画の策定に係る医療療養病床を有する医療機関及び介護療養型医療施設からの転換意向の把握について」も発出し、療養病床を持つ医療機関に▼現在▼2018年度末▼2019年度末▼2020年度末▼2023年度末―のそれぞれの時点において、【療養病棟入院基本料】【介護医療院】【介護保険施設】【地域密着型サービス】などを、どれだけ届出る見込みなのかの具体数などを調査するよう要望しました。調査を受けることで、各医療機関が「将来の方向性」を具体的に検討することにもつながると考えられます。

 
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