在宅自己注射の対象薬剤にヒドロモルフォン塩酸塩製剤やデュピルマブ製剤を追加―厚労省
2019.4.29.(月)
がんの鎮痛に用いる「ヒドロモルフォン塩酸塩製剤」(販売名:ナルベイン注2mg、同20mg)や、アトピー性皮膚炎・気管支喘息の治療に用いる「デュピルマブ(遺伝子組換え)製剤」(販売名:デュピクセント皮下注300mgシリンジ)などを、この5月1日(2019年5月1日)より在宅自己注射の対象薬剤に追加する―。
厚生労働省は4月26日に通知「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部改正等について」を発出し、こうした点を明確にしました。
4月10日に開催された中央社会保険医療協議会・総会では、次の3医薬品を在宅自己注射の対象薬剤に追加することを了承しています(関連記事はこちら)。
(1)中等度・高度の疼痛を伴う各種がんの鎮痛に用いる「ヒドロモルフォン塩酸塩製剤」(販売名:ナルベイン注2mg、同20mg)を、C108【在宅悪性腫瘍等患者指導管理料】およびC108-2【在宅悪性腫瘍患者共同指導管理料】の対象薬剤とする
(2)アトピー性皮膚炎・気管支喘息の治療に用いる「デュピルマブ(遺伝子組換え)製剤」(販売名:デュピクセント皮下注300mgシリンジ)を、C101【在宅自己注射指導管理料】の対象薬剤とする(なお、気管支喘息の治療に本剤を用いる場合の最適使用推進ガイドライン等が新たに発出されている)
(3)バイオシミラー(バイオ後続品)である「エタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続2]」(販売名:エタネルセプトBS皮下注10mgシリンジ1.0mL「TY」ほか)(関節リウマチ等の治療に用いる)を、C101【在宅自己注射指導管理料】の対象薬剤とする
今般の通知では(1)の「ヒドロモルフォン塩酸塩製剤」(販売名:ナルベイン注2mg、同20mg)について、在宅で鎮痛療法または悪性腫瘍の化学療法を行っている末期の患者に対して本剤を用いて指導管理を行った場合、上述のようにC108【在宅悪性腫瘍等患者指導管理料】またはC108-2【在宅悪性腫瘍患者共同指導管理料】を算定できることを明確化。
また、(2)の「デュピルマブ(遺伝子組換え)製剤」(販売名:デュピクセント皮下注300mgシリンジ)について、さらに詳細に次のような点を明らかにしています。
▼特掲診療料の施設基準の「別表第9」(C101【在宅自己注射指導管理料】、C152【間歇注入シリンジポンプ加算】、C152-2【持続血糖測定器加算】およびC153【注入器用注射針加算】に規定する注射薬)として本剤を定める(つまり在宅自己注射指導管理料の対象薬剤とする)
▼デュピクセント皮下注300mgシリンジの自己注射を行っている患者に対し指導管理を行った場合は、C101【在宅自己注射指導管理料】を算定できるが、この場合C151【注入器加算】およびC153【注入器用注射針加算】は算定できない(本製剤は針付注入器一体型のキットであるため)
さらに、これら3製剤を在宅自己注射の対象薬剤に追加するにあたり、診療報酬算定の解釈通知(診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について、2018年3月5日付け)に関しても、次のような見直しが行われます。
▼C108【在宅悪性腫瘍等患者指導管理料】、C108-2【在宅悪性腫瘍患者共同指導管理料】
の鎮痛療法の対象薬剤に「ヒドロモルフォン塩酸塩製剤」を追加
▼C200【薬剤】の「厚生労働大臣の定める注射薬」に「ヒドロモルフォン塩酸塩製剤」を追加
▼調剤点数表において、区分01調剤の(5)「注射薬」の「在宅医療における自己注射等のために投与される薬」に、「デュピルマブ製剤」「ヒドロモルフォン塩酸塩製剤」を追加
▼調剤点数表において、別表1(保険薬局で交付できる特定保険医療材料)に「デュピルマブ製剤」の自己注射のためのディスポーザブル注射器を、別表2(自己注射以外の目的で患者が使用する注射器の対象薬剤)に「デュピルマブ製剤」を追加する
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