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新型コロナ対策 医療崩壊の真実

低血圧治療薬メトリジン錠等を「起立性調節障害」、免疫抑制剤アザニン錠・イムラン錠を「視神経脊髄炎」の治療に用いること認める―支払基金・厚労省

2021.2.24.(水)

低血圧症治療薬の「ミドドリン塩酸塩」(メトリジン錠ほか)について、「起立性調節障害」に対して投与した場合、原則として当該使用事例を審査上認める―。

免疫抑制剤の「アザチオプリン」(アザニン錠、イムラン錠)について、「視神経脊髄炎」に対して投与した場合、原則として当該使用事例を審査上認める―。

こうした審査情報を社会保険診療報酬支払基金(支払基金)が2月22日に公表しましたた(支払基金の審査情報提供サイトはこちら(ページの最終部分に、今回の事例が追加された))。厚生労働省も同日に、事務連絡「医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱いについて」を示しています。

薬理作用等に照らし、審査における「医薬品使用の柔軟な取扱い」を一定程度認める

保険診療においては、医薬品が使用できる傷病は「薬事・食品衛生審議会(薬食審)で有効性・安全性が認められたもの」に限定されています。無制限に医薬品使用(適応外使用)を認めたのでは医療費の高騰・医療費財源の不適切な配分につながることはもとより、何より「医療安全の確保」ができなくなってしまうためです。したがって、「適応外使用」が行われた場合には、一連の診療はすべて自由診療となり「全額自己負担」となるのが原則です(混合診療の禁止)。

しかし医療現場では、「医学的・薬学的知見に照らし、薬食審で認められていない傷病にも一定の効果がある」と強く推測されるケースがあります。このような場合には、例外的にレセプト審査において一定の柔軟な対応(適応外使用であっても保険診療と扱うことを認める)がなされています(いわゆる「55年通知」(旧厚生省保険局長による1980年(昭和55年)発出の通知)に基づく適応外使用など)。

もっとも、こうした例外的な取り扱いを野放図に認めれば、「全国一律の診療報酬」の原則に反します。現に、地方独自の審査ルール(都道府県ルール、例えば「山間部などでは冬期に高齢者の通院が困難になるので、薬剤の1回処方量を多くすることを認める」「地域によって、疾患別リハビリテーションを1日6単位までしか認めない(診療報酬点数上は9単位まで算定可能)」など)が存在しており、是正に向けた取り組みも進められています。また「審査の透明性」という面でも大きな問題があります(関連記事はこちらこちらこちらこちら

そこで支払基金では、こうした「例外的な取り扱い」に関する審査ルールを明確にし、適宜、医療関係者らに情報提供しています(支払基金の審査情報提供サイトはこちら(ページの最終部分に、今回の事例が追加された))。



今般、支払基金は次の2つの審査ルールを明確にしました。

(1)「ミドドリン塩酸塩」(主な製品名:▽メトリジン錠2㎎▽メトリジンD錠2㎎—ほか後発品あり)について、「「 起立性調節障害」に対して投与した場合、原則として当該使用事例を審査上認める



(2)「アザチオプリン」(主な製品名:▽アザニン錠50mg▽イムラン錠50mg—)について、「視神経脊髄炎」に対して投与した場合、原則として当該使用事例を審査上認める



前者(1)のミドドリン塩酸塩は、現在、▼本態性低血圧▼起立性低血圧―への効能・効果が認められています。今般、「薬理作用(血圧上昇作用)が同様で、妥当と推定される」として、「起立性調節障害」に対する処方が審査上認められることとなったものです。

この場合の用法・用量は、次のように設定されています。
【成人】:通常1日4㎎を2回に分けて経口投与し、症状により適宜増減する。ただし、重 症の場合は1日8㎎まで増量できる
【小児】: 常1日4㎎を2回に分けて経口投与し、症状により適宜増減する。1日最高量は6mgとする。なお、▼小児心身医学会ガイドライン集▼小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン―を参照すること(いずれも有償で販売されています)



また(2)の「アザチオプリン」は、現在、▼腎臓・肝臓・心臓・肺の移植における拒絶反応の抑制▼ステロイド依存性のクローン病の寛解導入および寛解維持、ならびにステロイド依存性の潰瘍性大腸炎の寛解維持▼治療抵抗性の全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、結節性多発動脈炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、高安動脈炎など)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、および難治性リウマチ性疾患▼自己免疫性肝炎―への効能効果が認められています。今般「薬理作用(免疫抑制作用)が同様で、妥当と推定される」として、「視神経脊髄炎」に対する処方が審査上認められることとなったものです。

この場合の用法・用量は、通常、1日量として体重1㎏あたり1-2mg(成人には50-100mg)に設定されました。

また「Nudix hydrolase 15(NUDT15)Arg139Cys 遺伝子多型」を有する患者では、本剤投与後に「白血球減少」などが発現する可能性が高くなると報告されており、この場合「他の薬剤の使用を考慮する」など、投与にあたっては十分な注意が必要です。治療に当たっては多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017」「を参考にすることが求められます。



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