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診療報酬改定セミナー2022 診療報酬改定セミナー2022

地域で明確化する紹介中心型病院、「紹介状なしでは特別料金がかかる」ことが患者に明示されるべき―全日病・猪口会長

2021.10.29.(金)

外来医療機能分化に向けた議論が進められ、外来診療データをベースに各地域で「紹介中心型の病院」(医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関)を明確化することとなっている―。

他方で「200床以上の医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」では紹介状なしに受診した場合に特別負担(初診時には7000円以上)を患者が負担することになるが、これは「病院の機能」とは全く別の話であろう。同じように「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」でも199床であれば特別負担は義務化されないが、患者・国民が納得するのだろうか―。

呼称については、患者視点では「紹介状がなければ特別料金がかかりますよ」という話で、そこが分かりやすくならなければいけない。その際、特定機能病院や200床以上の地域医療支援病院でも特別負担徴収義務があるが、そこも含めて同じ呼称とするのか―。

議論すべき事項が山積しており、個人的には「外来機能分化論議はもう少し時間をかけて行うべきではないか」と考えている―。

10月27日の四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)・総合部会後の記者会見で、全日病の猪口雄二会長がこういった考えを示しました。

同機能でも200床以上は特別料金有、199床は特別料金なしは患者・国民に理解されるか

Gem Medで報じているとおり、外来医療機能分化に向けた論議が進められています。

外来医療において「まず、『かかりつけ医』を受診し、そこから『高機能の病院外来』を紹介してもらう」という患者の流れを強化することで、▼病院勤務医の負担軽減▼医療の質向上―などを目指すものです。軽症患者が大病院の高機能外来に殺到すれば、「真に高機能外来が必要な重症患者」への医療提供が後手後手となってしまうこと、勤務医が軽症外来に忙殺されてしまい「重症患者対応が十分でなくなる」可能性があることなどが問題視されているためです。

このためには、「高機能の外来医療を提供する病院」はどこなのか、「かかりつけ医機能を果たす医療機関」はどこなのか、といった点が患者に明らかにされていなければなりません。そこで改正医療法では、次のような仕組みが構築されました。

(A)「一般病床・療養病床を持つ医療機関」(病院・有床診療所)に外来診療に係るデータを都道府県に報告することを義務付ける【外来機能報告制度】

(B)提出された外来診療データや病院等の意向などをもとに、各地域で紹介中心型病院となる「『医療資源を重点的に活用する外来』を地域で基幹的に担う医療機関」を明確化する

(C)重点外来基幹病院へは、かかりつけ医等からの紹介受診を原則とする(紹介状を持たずに受診した場合には特別負担徴収を義務化)

特別負担徴収義務を拡大していく方向そのものに異論は出ていない(医療保険部会(1)1 201126)

特別負担額を引き上げ、初・再診料相当額を保険から控除する方向が示されている(医療保険部会 201202)



外来機能報告制度の来年(2022年)4月スタートに向け、「外来機能報告等に関するワーキンググループ」(「第8次医療計画等に関する検討会」の下部組織)で(A)(B)の詳細を年内に固めることとなっています((C)の詳細は主に中央社会保険医療協議会で議論する)(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。



この点について、病院団体では「地域性を十分に考慮しなければならない」といった点をかねてから強調。さらに今般、四病協では▼「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」という機能に着目する議論▼200床以上の「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」では紹介状なし患者から特別負担(初診時には7000円以上など)徴収を行う(義務化)という費用負担に着目する議論―とは「まったく別のものであろう」との問題意識が再確認されています。

例えば、地域でA病院・B病院の2施設が「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」として明確化されたとします。両病院とも、手術前後の外来提供や外来化学療法など「医療資源を重点的に活用する外来」を相当程度行う点で「同様の機能を果たす」と言えるでしょう。

しかし、例えばA病院が200床、B病院が199床だった場合、紹介状を持たない患者がA病院を受診した場合には「7000点以上の特別負担」を徴収され、B病院ではそうした負担はないことになりますが、これを「患者・住民に納得してもらえるのか?」という問題点です。

この点に関連して、厚労省のワーキンググループでは「呼称」についても議論が行われ、例えば▼紹介患者への外来を基本とする医療機関▼紹介による受診を基本とする医療機関▼紹介外来医療機関▼紹介受診医療機関▼紹介医療機関―などの素案が出ていますが、猪口全日病会場は上記の問題点に照らし、「患者視点では『この病院は紹介状がなければ特別料金がかかる、費用が高くなる』という点が明確かつ、分かりやすくなっていなければいけないのではないか」と指摘。

また、すでに特定機能病院や200床以上の地域医療支援病院では特別負担徴収が義務化されていますが、そうした病院の外来も「新たな呼称」でまとめて考えるのだろうか、という点も整理する必要があると指摘。猪口・全日病会長は「外来機能分化に向けたワーキンググループ論議は急ピッチで進められているが、今の方法による外来機能分化で国民が納得するのか、もう少し時間をかけて議論する必要もあるのではないか」との考えを示しました。今後の外来機能報告等ワーキンググループの議論が注目されます。

日病・全日病・医法協の3団体で、2021年度上半期の病院経営状況調査を実施へ

また、四病協では、昨年度(2020年度)に続き「今年(2021年)4―9月の病院経営状況調査」を実施する方針も固めました(対象は日病・全日病・医法協の3団体の会員病院)。昨年度(2020年度)には四半期ごとの調査を行っていましたが、病院側の回答負担も考慮し「上半期、下半期の調査」に改めることとなります(関連記事はこちら)。

猪口雄二会長は「できるだけ早期に調査実施し、結果を公表するが、各医療機関の9月分支出が固まるのは11月に入ってしまうのではないか」と見通しています。調査実施・結果公表までには少し時間がかかりそうです。

コロナ病床から一般病床への転換、人員配置や稼働を元に戻すには1か月程度必要

なお、10月22日に開催された日本病院団体協議会(日本病院会や全日本病院協会、日本リハビリテーション病院・施設協会、日本私立医科大学協会など15の病院団体で構成される)の代表者会議では、新型コロナウイルス感染症にかかる補助金・支援金について「例えば、コロナ患者受け入れ病床として空床にしていたベッド・病棟を、『●月●日からは一般用のベッドに戻していただいて結構です』と決定されたとして、一般傷病の患者を受け入れ、ベッドの稼働を元の水準に戻していくには相当の時間(1病棟30床であれば1か月程度)がかかる。人員配置や設備設置もコロナ感染症対応で変化させており、元に戻す(コロナ病床→一般病床)ため際には、『一般病床→コロナ病床』への転換時よりもコストと時間がかかる。こうした点を国や都道府県には十分に理解してほしい」旨の考えで一致したことが斉藤正身議長(日本リハビリテーション病院・施設協会会長)と小山信彌副議長(日本私立医科大学協会参与)から報告されています(関連記事はこちら)。



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