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口腔状態に問題ある高齢者は要介護や死亡リスクが2倍超、地域で「オーラルフレイル改善」の取り組み強化を—都健康長寿医療センター

2022.9.9.(金)

高齢者の2割程度は「口腔状態に問題」があり、その場合、そうでない高齢者に比べて要介護リスクや死亡リスクが2倍超となる—。

「活舌が悪くなる」「食べこぼしが起こる」「噛めない食品が増える」など、高齢者の「口のささいなトラブル」に留意し、口腔機能改善に向けた取り組み(開口訓練、舌圧訓練、咀嚼訓練など)を地域で展開していくことが極めて重要である—。

東京都健康長寿医療センター研究所(東京都板橋区)が9月1日に研究トピックス「高齢期における口腔機能の重要性—オーラフレイルの観点から—」を公表し、こうした点への留意を求めました(研究所のサイトはこちら)。

「口のささいなトラブル」に早期に気づき、対処することが介護予防にとって重要

ついに今年度(2022年度)から団塊世代が75歳以上の後期高齢者となりはじめ、2025年度には全員が後期高齢者となります。高齢化の進展は「要介護者、要支援者の増加」につながるため、「介護予防」などが非常に重要となり、その一環として「フレイル対策」が重視されています。

フレイルとは「加齢に伴い抵抗力が弱まり、体力が低下した状態」や「自立喪失(介護が必要な状態や死亡)のリスクが高まっている状態」などと定義され、自立→フレイル→要介護状態と進んでいきます。

しかし、適切な支援・介入により「フレイル→自立」と回復することも可能です。このため「フレイルの予防・改善を目的とした介入プログラム」が極めて重要となります。

そうした中で「口腔の健康状態改善」がフレイル対策に重要であることが分かってきています。さらに、「口腔衛生」は▼誤嚥性肺炎の発症予防▼手術を受ける前から手術後までの期間(周術期)の短縮▼がん治療の際に生じやすい口腔内合併症の予防・軽減▼入院日数の他祝—などにつながるという研究結果も報告されてきています。

研究所が実施した「地域在住高齢者を対象とした大規模調査」では、▼咀嚼機能低下が2年後のフレイルの発現と関連する▼フレイルと構音機能(いわゆる滑舌)とが関連している—ことも分かっており、例えば次のような状況も明らかになりました。

▽(1)歯の数(2)咀嚼の困難感(3)嚥下の困難感(4)舌の力(5)舌口唇運動機能(6)咀嚼力—の6項目のうち「3項目以上該当する」場合を「オーラルフレイル」と定義したとき、高齢者の2割程度(19.3-20.4%)が「オーラフレイル」に該当する

▽「孤食」の人は、そうでない人に比べて、年齢や性別、独居の有無、生活習慣などの影響を調整しても「オーラルフレイルの割合が1.82倍」高い

▽オーラルフレイルの高齢者は、そうでない高齢者に比べ「低栄養状態である割合が2.17倍」高い

▽4年間の追跡調査によれば、オーラルフレイルの高齢者は、▼死亡リスクが高まる(そうでない者に比べて2.1倍)▼身体的フレイルになりやすい(同2.4倍)▼要介護状態に陥りやすい(同2.4倍)―

オーラルフレイルの健康リスク



こうした結果を踏まえれば、「オーラフレイル対策」が極めて重要であることが分かります。研究所ではオーラフレイルを下図の4レベルに分けていますが、「とりわけ第2レベル『口のささいなトラブル』(活舌低下→食べこぼし→噛めない食品の増加→むせ)が重要である」と指摘します。早期にフレイルにつながる「口」にまつわる問題に「気づき、対処する」ことが、フレイル予防・改善、要介護状態の防止などにとって極めて重要となり、そこでは「地域保健事業、介護予防事業」が効果的です(研究所が参画する神奈川県の「オーラルフレイル対策事業」で口腔機能改善の成果が出ている)。

オーラルフレイルの概念図



研究所では「オーラルフレイル改善プログラム」として、▼準備体操▼開口訓練▼舌圧訓練▼無意味音音節連鎖訓練▼咀嚼訓練―を紹介しており、これらも参考に「オーラルフレイル対策」に地域で取り組むことに期待が集まります。



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