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2024年度の診療報酬に向け、まず第8次医療計画・医師働き方改革・医療DXに関する意見交換を今春より実施—中医協総会

2023.1.18.(水)

2024年度の次期診療報酬改定に向けて、まず第8次医療計画、医師の働き方改革、医療DXに ついて幅広く意見交換を行い、その後、入院、外来、在宅、歯科、調剤、感染症、個別事項等について議論していく(4月頃から夏頃までの第1ラウンド)—。

その後、秋頃から個別具体的な改定論議を深めていく(秋から冬までの第2ラウンド)—。

また、2024年度改定は、診療報酬・介護報酬の同時改定、さらに障害福祉サービス等報酬も含めたトリプル改定でもあり、3月頃から3回程度の意見交換会を行い、課題等の共通認識を醸成する—。

1月18日に開催された中央社会保険医療協議会・総会で、こういった方針が了承されました。

なお、医療DXに関しては、昨年末(2022年12月23日)の中医協で「患者・国民の声を丁寧かつ幅広く聴き、初診時・調剤時、再診時において、取得した医療情報の活用による医療の質の向上の状況等について十分に調査・検証を行い、課題が把握された場合には速やかに中医協へ報告の上、対応を検討する」旨の附帯意見(留意事項)が付されました(関連記事はこちら)。この点について「中医協で患者・国民の代表からヒアリングを行うべきか否か」が1つの争点となっており、今後、厚生労働省で調整が進められます。

介護報酬等との同時改定でもあり、意見交換の回数・内容を拡充

2024年度には診療報酬改定が予定されており、通常であれば次のような大きなスケジュール感に沿って議論が進められます。

【中医協】
▽春から夏にかけて総論的な第1ラウンド論議を行い、改定の大きな方向を見定める
▽秋から個別論点に係る第2ラウンド論議を行う

【社会保障審議会の医療保険部会・医療部会】
▽秋から「基本方針」論議を開始し、冬に取りまとめを行う

【内閣】
▽年末の予算編成過程で「改定率」を決定する

【中医協】
▽「基本方針」「改定率」を踏まえて詰めの議論を行い、年明け診療報酬改定の内容を決定する(答申→施行)



1月18日の中医協総会には、厚労省保険局医療課の眞鍋馨課長から、次のような改定論議の進め方に関する大きな方針案が提示されました。

▽2024年度改定に向けては、▼ポスト2025年も見据えた介護報酬・障害福祉サービス等報酬との同時改定である▼地域医療構想の取り組み、「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿」が取りまとめられる(関連記事はこちら)▼新興感染症対応を含めた第8次医療計画が2024年度からスタートする▼医師の働き方改革がスタートする▼医療DXの実現が強く求められている▼革新的な医薬品等の上市、医薬品の安定供給が極めて重要な課題となっている▼プログラム医療機器(SaMD)の評価体系について検討が求められている—点を踏まえて検討を進める
→これらが主要改定事項になっていくと予想される

▽中医協総会で、まず▼第8次医療計画▼医師の働き方改革▼医療DX—について幅広く議論し(4月頃から)、その後▼入院▼外来▼在宅▼歯科▼調剤▼感染症▼個別事項—などの意見交換(6月頃から)を広く行う(4月頃から夏頃まで、第1ラウンド)

▽秋頃より、個別具体的な改定項目について議論を深める(第2ラウンド)

▽プログラム医療機器(SaMD)の取り扱いを検討する「SaMDワーキンググループ」(仮)を保険医療材料等専門組織の下に設置し、検討を始める

▽2024年度改定は、診療報酬・介護報酬の同時改定、さらに障害福祉サービス等報酬も含めたトリプル改定でもあり、3月頃から3回程度の「中医協、社会保障審議会・介護給付費分科会のメンバーによる意見交換会」を行う
→例えば▼地域包括ケアのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携▼高齢者施設・障害者施設等における医療▼認知症▼リハビリ・口腔・栄養▼人生の最終段階における医療・介護▼訪問看護—などに関する課題や方向性を確認し、改定方針は決定しない(改定論議は中医協、介護給付費分科会でそれぞれ実施)

2024年度診療報酬改定に向けた中医協等の検討スケジュールの大枠(中医協総会1 230118)

中医協における検討項目と検討の場の大枠(中医協総会2 230118)



眞鍋医療課長は、中医協と介護給付費分科会の意見交換会について「2018年度の前回同時改定では2回、リハビリ・訪問看護・看取りをテーマに行われたが、2024年度改定に向けては『3回』『検討内容も拡充』して実施する予定である」ことを紹介し、少子高齢化が進む中で「医療・介護連携」がさらに重要になってきていることを確認しています。



こうした大方針に異論・反論は出ていませんが、「医療DX」について、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)や間宮清委員(日本労働組合総連合会「患者本位の医療を確立する連絡会」委員、安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)らは「『患者・国民の声を早急に聞くべし』旨の中医協附帯意見を踏まえて、ヒアリングを実施してほしい。2022年度改定では不妊治療について患者や医療現場の声を聴取し、それを改定内容にも反映させている」と要望しました。医療DX推進に向けた【医療情報・システム基盤整備体制充実加算】の見直しや、オンライン資格確認等システムを活用した過去の診療情報確認で「医療の質向上」をどれほど実感できているのか?負担感はどうなのか?などの生の声を中医協で聴取し、今後の議論に活かすべきとの考えと言えます。

これに対し、診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)や池端幸彦委員(日本慢性期医療協会副会長)は「患者・国民の声を広く聴取することに異論はない。しかし、個々の患者・国民の声には偏りがある。広く調査を行う中で、患者・国民の意見を把握すべきである」としてヒアリング実施には反対しています。

両側の意見ともに頷ける部分があります。眞鍋医療課長は「中医協附帯意見は重く受け止め、早急に患者・国民の声を聴くこととしたい。ただし、オンライン資格確認等システムの導入原則義務化はこの4月(2023年4月)からであり、患者・国民が利便性や効果を実感できるのはいつ頃なのかも考え、調査設計などを検討したい」とコメントしています。例えば、4月の原則義務化から間をおかずに調査やヒアリングを実施したとしても、「効果は感じられない」という声が多くなるでしょう。一方、効果的に調査やヒアリングを行うために、時期を遅くすれば「調査等の結果を改定論議に間に合わせることが難しくなる」という弊害も出てきます。「いつ頃に調査等を行うのか」「ヒアリングを行うべきか否か」なども含めて、厚労省事務局で調整・検討が行われます。

2023年度薬価中間年改定の内容を正式決定、新たな検査・機器の保険適用などを承認

また、1月18日の中医協総会では、昨年末(2022年末)の加藤勝信厚生労働大臣・鈴木俊一財務大臣・松野博一内閣官房長官の3大臣合意に基づく「2023年度薬価改定(中間年改定)の骨子」を踏まえた、薬価改定内容が了承されています。国民負担を軽減するために「全医療用医薬品の48%」について薬価を引き下げるとともに、医薬品の安定供給に配慮した「不採算医薬品再算定の特例実施」、本邦の医薬品市場の魅力向上に向けた「新薬創出・適応外薬解消等促進加算の特例実施」などが主な内容です(厚労省サイトはこちら(薬価専門部会)、関連記事はこちらこちら)。



このほか、1月18日の中医協総会では、▼新たな臨床検査の保険適用▼新たな医療機器の保険適用—などを了承したほか、先進医療・2021年度の指導・監査状況(別稿で報じます)などに関する報告を受けました。

【新たに保険適用される臨床検査】(本年(2023年)2月保険適用予定)
▽喀痰中の結核菌群rpoB遺伝子、katG遺伝子、inhA遺伝子中の変異を検出(リファンピシン耐性結核菌感染またはイソニアジド耐性結核菌感染の診断を補助)する「結核菌群リファンピシン耐性遺伝子及びイソニアジド耐性遺伝子同時検出」(963点)

▽皮疹(水疱・膿疱)の内容物、びらん・潰瘍のぬぐい液中の単純ヘルペスウイルス抗原の検出(単純ヘルペスウイルス感染の診断の補助)に用いる「単純ヘルペスウイルス抗原定性(皮膚)」(180点)



【新たに保険適用される医療機器】(本年(2023年)5月保険適用予定)
▽重度大 動脈弁狭窄を有する患者などへの経皮的心臓弁留置に用いるバルーン拡張型人工心臓弁(ウシ心のう膜弁)システムである「エドワーズ サピエン3」「Ultra RESILIA 経大腿 /経鎖骨下・腋窩システム」(エドワーズライフサイエンス社):償還価格472万円



【新たな先進医療】(保険診療と保険外診療との併用を認める)
▽軽症から中等症の左側・全大腸炎型の潰瘍性大腸炎患者に対する「抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法(A-FMT療法)」(順天堂大学医学部附属順天堂医院で実施)



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