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診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

妊婦健診、全市区町村で「推奨される14回以上の健診」に公費助成を実施―厚労省調べ

2016.8.1.(月)

 すべての市区町村で、妊婦健診に対して14回以上の公費助成が行われており、妊婦1人当たりの助成額は全国平均で9万9927円となっている―。

 こういった状況が、厚生労働省が7月29日に公表した「妊婦健康診査の公費負担の状況に係る調査結果」から明らかになりました。

 ただし健診項目については自治体間で若干のバラつきがあります。

推奨される全検査項目について公費助成を行っているのは954市町村で、全体の64.8%

 少子高齢化が進行する我が国において、次世代を支える「子ども」をどう増やし、育てていくかが極めて重要な課題になっています(関連記事はこちらこちらこちら)。

 少子化対策にはさまざまな手法がありますが、妊娠・出産に係る経済的な不安の軽減も重要なテーマと言えます。多くの自治体でもこの点を重視し、「妊婦が経済的な事情から健康診査を受けられない」状況を打開するため、健診費用に対する公費助成が行われています。厚労省は、こうした妊婦健診への公費助成の状況を調べ、その結果を公表しています。

 まず公費負担の回数について見てみましょう。厚労省では「安心・安全な出産のためには14回程度の妊婦健診を受診することが必要」と考えており、2015年4月時点で、1741すべての市区町村で「14回以上の公費助成」が行われていることが分かりました。中には公費助成の回数を「無制限」としている自治体も18あります。

 また公費助成額について見てみると、妊婦1人当たり全国平均で9万9927円となっています。前年に比べて1093円の増額となりました。助成額の分布を見ると、9万円-9万9999円が最も多く33.4%、次いで10万円-10万9999円の24.2%、11万円-11万9999円の24.0%となっており、8割超が9万円-11万9999円の範囲に収まっています。

 公費助成には、毎回の検査項目が示されている券(受診券)を妊婦が医療機関に持参する方式(受診券方式)と、補助額が記載された券(補助券)を妊婦が医療機関に持参する方式(補助券方式)の2手法があります。後者の補助券方式では、検査項目は毎回、医療機関が判断します。両者の割合を見ると、84.5%は前者の受診券方式となっています。

 前者の受診券方式を採用している自治体について、どのような検査項目が設定されているのかを見ると、次のような状況です。

▽推奨レベルA・B・C・記載なし(注)のすべてを実施:64.8%(前年に比べて1.9ポイント増)

▽推奨レベルA・B・C:81.8%(同0.4ポイント増)

▽推奨レベルA・B:94.0%(同1.3ポイント増)

▽推奨レベルA:95.9%(同1.4ポイント増)

 このうち推奨レベルAは「実施が強く勧められる」もので、▽血液型▽B型肝炎抗原▽C型肝炎抗体―などが含まれます。推奨レベルBは「実施が勧められる」もので、▽性器クラミジア▽B群溶血性レンサ球菌―が該当します。さらに推奨ベルCは「実施が考慮される」もので、子宮頸がん検診が該当します。また、記載なしは「推奨される」ものの、内容や回数などが複雑なため、推奨レベルが記載されていないもので、▽血糖▽決算▽超音波―の検査を指します。

妊婦健診の検査項目と推奨レベル、さらに市区町村別の実施率

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