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外来診療 経営改善のポイント 看護必要度シミュレーションリリース

後発品使用割合67.3%、政府目標の70%まであと一歩―協会けんぽ2016年6月

2016.10.17.(月)

 主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する協会けんぽでは、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合が今年(2016年)6月時点で67.3%(数量ベース、新指標)となり、政府の掲げる「70%以上」の第一目標にあと一歩に迫っている―。

 こういった状況が、協会けんぽを運営する全国健康保険協会が14日に公表した医薬品使用状況から明らかになりました(関連記事はこちら)(全国健康保険協会のサイトはこちら)。

 2016年度の診療報酬改定以後、協会けんぽのジェネリック医薬品使用割合の伸びが鈍化していますが、遅くとも政府目標は期限(17年央)内に達成できそうです。

協会けんぽ全体の後発品使用割合(数量ベース、調剤分)は、67.3%になった

協会けんぽ全体の後発品使用割合(数量ベース、調剤分)は、67.3%になった

協会けんぽの後発品使用割合、現行のペースでは来年5月に70%の目標を達成

 医療保険制度の持続可能性を考えたとき、医療費の増加を国民の負担できる範囲内に抑えることが必要です。その中で、「効果が同じで費用が安い」とされるジェネリック医薬品(後発品)の使用促進が医療費適正化に向けた最重要施策の一つに掲げられ、政府は「2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とし、18年度から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする」という目標を設定しています。

 協会けんぽを運営する全国健康保険協会でも、「後発品の使用促進」を重要施策に位置付け、「後発薬に切り替えた場合の自己負担額の軽減効果通知」などの取り組みを進めているほか、毎月、後発品の使用割合を公表しています。

 それによると、今年(2016年)6月の後発品割合は数量ベースで67.3%(新指標、調剤分)となり、過去最高を記録しました。

 ただし、2016年度の診療報酬改定以後(関連記事はこちらこちらこちら)、後発品割合の伸び率はやや鈍化し、毎月0.25ポイントとなりました。昨年(2015ねん)7月(59.9%)から今年4月(66.8%)にかけての伸び率は、平均して毎月0.77ポイントでしたので、最近の状況(伸び率の鈍化)が気になります。今後、改定後の状況についての詳細な分析が必要でしょう。

 もっとも、現在の伸び率(毎月0.25ポイント)が続いたとしても、2017年5月に後発品割合は70.05%となる見込みで、政府の定める第一目標「後発品割合70%」を期限(17年央)内に達成できる見込みです。

沖縄78.8%など8県では70%以上を達成、徳島は56.0%

 このように全国ベースで見ると後発品使用は進んでいますが、都道府県別に見ると若干の心配もあります。

 沖縄県では78.8%、次いで鹿児島県74.3%、岩手県74.0%、長野県・山形県70.9%、宮崎県70.5%、富山県70.1%、青森県70.0%では、すでに目標達成していますが、徳島県56.0%、山梨県58.7%、高知県61.4%などでは、徐々に後発品割合が上昇しているものの、「もう一頑張り」を期待したいところです。

都道府県別に見ると、後発品使用割合には大きなバラつきがある

都道府県別に見ると、後発品使用割合には大きなバラつきがある

薬効別の後発品使用割合(数量ベース)、血管拡張剤は75.0%、去たん剤は71.6%

 主な薬効分類別に、後発品使用割合が高い医薬品を見ると、数量ベースでは血管拡張剤の75.0%、去たん剤の71.6%、消化性潰瘍用剤の64.9%などで、いずれも上昇傾向にあります。また金額ベースでは、血管拡張剤の61.4%、去たん剤の54.9%、抗生物質製剤(主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用するもの)の38.7%などが高くなっています。

 逆に後発品使用割合が低いのは、数量ベースでは代謝拮抗剤の1.7%、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の9.8%、金額ベースでは代謝拮抗剤の1.3%、抗ウイルス剤の2.0%などとなっています。

主な薬効別に見た、後発品使用割合(数量ベース)。血管拡張剤や去たん剤で後発品の使用が進んでいる

主な薬効別に見た、後発品使用割合(数量ベース)。血管拡張剤や去たん剤で後発品の使用が進んでいる

主な薬効別に見た、後発品使用割合(金額ベース)。血管拡張剤や去たん剤で後発品の使用が進んでいる

主な薬効別に見た、後発品使用割合(金額ベース)。血管拡張剤や去たん剤で後発品の使用が進んでいる

 
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