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GemMed塾 2024年度版ぽんすけリリース

画期的抗がん剤のバベンチオを薬価収載、希少なメルケル細胞がん治療に効果―厚労省

2017.11.20.(月)

 オプジーボの類薬である画期的な抗がん剤「バベンチオ点滴静注200mg」(成分名:アベルマブ(遺伝子組換え))が11月22日に薬価収載されることに伴い、最適使用推進ガイドラインを定め、保険診療上の留意事項通知を発出する—。

 11月15日の中央社会保険医療協議会・総会では、こういった点も了承されています(関連記事はこちらこちら)。

11月15日に開催された、「第370回 中央社会保険医療協議会 総会」

11月15日に開催された、「第370回 中央社会保険医療協議会 総会」

オプジーボの類薬、最適使用推進ガイドラインを設定

 免疫チェックポイント阻害剤のバベンチオ点滴静注200mgは、メルケル細胞がん(皮膚の最も外側の層にある「メルケル細胞」が際限なく増殖することによって発生する極めて稀な皮膚がん。ほとんどの場合、頭部や頸部、腕、脚、体幹から発生する)への適用が認められ、11月22日に薬価既収載する(保険収載する)ことが中医協総会で了承されました。

 オプジーボの類薬であり、10mL1瓶で21万8955円という高額な薬価が設定されていること、本剤の有効性が確認された患者に対して、適切な知識・技術を持った医療機関で投与されることが必要なため、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課の山本史課長は「最低使用推進ガイドライン」を設定する考えを提示。11月15日の中医協総会で了承されています(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

具体的な内容は以下のとおりで、オプジーボやキイトルーダのガイドラインに類似したものとなっています。

(1)施設要件
▼がん診療連携拠点病院や特定機能病院などである
▼医薬品情報管理の専任者が配置され、製薬企業からの情報窓口、有効性・安全性などの薬学的情報の管理・情報提供、有害事象発生時の報告業務などの体制が整っている
▼間質性肺疾患などの重篤な副作用が発生した際に、24時間診療体制の下で入院管理や鑑別検査を直ちに得られるような体制が整っている

(2)医師要件
▼「初期臨床研修後に5年以上のがん治療の臨床研修を行い、うち2年以上がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学の研修を行っている」または、「初期臨床研修後に5年以上の皮膚悪性腫瘍診療の臨床経験を有している」医師が、本剤の治療責任者として配置されていること

(3)患者要件
【安全性】

▼禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
▼慎重投与を考慮できる(推奨されないが、他に治療選択肢がない場合):▽間質性肺疾患の合併・既往がある▽胸部画像検査で間質影を認める、活動性の放射線肺臓炎や感染性肺炎など肺に炎症性変化が見られる▽自己免疫疾患の合併、または慢性的・再発性の自己免疫疾患の既往歴がある▽ECOG Performance Status 3-4―の患者

【有効性】
▼「化学療法歴のない」および「化学療法歴のある」根治切除不能なメルケル細胞癌患者のいずれにも、本剤の有効性が示されている
▼「他の抗悪性腫瘍剤」との併用については、有効性が確立されておらず、本剤の投与対象とならない

 本剤の投与中は定期的な効果の確認(臨床試験では投与開始から1年間は6週間ごと、それ以降は12週間ごと)を行うとともに、▼間質性肺炎▼肝不全や肝炎、肝機能障害▼甲状腺機能障害、副腎機能障害▼腎障害▼1型糖尿病▼アナフィラキシー反応、発熱、悪寒、呼吸困難―をはじめとする副作用への留意が必要となります。

 また、保険診療上、上記ガイドラインを遵守することが求められ、レセプトの摘要欄に▼施設要件への該当性(がん診療連携拠点病院などであるか)▼医師要件の該当性—を記載することが必要となります(関連通知が11月21日に発出され、22日から適用される見込み)。

 
 なお、11月15日の中医協総会では、▼関節リウマチ治療薬のサリルマブ(遺伝子組換え)(販売名:ケブザラ皮下注150mgシリンジほか)▼全身性エリテマトーデス治療薬のベリムマブ(遺伝子組換え)(販売名:ベンリスタ皮下注200mgシリンジほか)―の2新薬がC101【在宅自己注射指導管理料】の対象となることも了承されました。前者のサリルマブは薬価収載から1年後(2018年11月)、後者のベリムマブは薬価収載時(2017年11月)から対象となります。

 
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