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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

看護師に特定行為研修を実施する機関、34都道府県・69機関に―厚労省

2018.2.21.(水)

 厚生労働省は2月19日に、(1)旭川赤十字病院(2)済生会小樽病院(3)本荘第一病院(4)野村病院(5)日本赤十字社(6)武蔵野赤十字病院(7)佐久大学大学院(8)大阪府看護協会(9)姫路赤十字病院(10)鳥取大学医学部附属病院(11)山口赤十字病院(12)高松赤十字病院(13)戸畑共立病院(14)琉球大学医学部附属病院(15)浦添総合病院―の15機関を、新たに「看護師の特定行為研修を行う指定研修機関」として指定しました(厚労省のサイトはこちら)。

 これにより、34都道府県で69機関が指定されたことになります(厚労省のサイトはこちら

15機関を指定研修施設に新指定、青森県、長崎県など13県で未指定

 一定の研修(特定行為に係る研修、以下、特定行為研修)を受けた看護師は、医師・歯科医師の包括的指示の下で手順書に基づいて38の診療所の補助(特定行為)を実施することが可能になります(関連記事はこちらこちら)。医師等から看護師へのタスク・シフティング(業務移管)が求められる中、極めて重要な取り組みです(関連記事はこちらこちら)。

 今般、次の15機関が「特定行為研修を行う指定研修機関」として指定されました。

(1)旭川赤十字病院(北海道):「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」の1行為
(2)済生会小樽病院(北海道):「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」など8行為
(3)社会医療法人青嵐会 本荘第一病院(秋田県):「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」の1行為
(4)医療法人財団慈生会 野村病院(東京都):「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」の1行為
(5)日本赤十字社(東京都):「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」など5行為
(6)武蔵野赤十字病院(東京都):「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」など5行為
(7)佐久大学大学院(長野県):「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」など8行為
(8)大阪府看護協会(大阪府):「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」など13行為
(9)姫路赤十字病院(兵庫県):「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」など5行為
(10)鳥取大学医学部附属病院(島根県):「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」など5行為
(11)山口赤十字病院(山口県):「創傷管理関連」など2行為
(12)高松赤十字病院(香川県):「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」など4行為
(13)社会医療法人共愛会 戸畑共立病院(福岡県):「栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連」の1行為
(14)琉球大学医学部附属病院(沖縄県):「創部ドレーン管理関連」など2行為
(15)社会医療法人仁愛会 浦添総合病院(沖縄県):「呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連」など2行為

 新規15機関の指定により、34都道府県・69機関が指定研修機関となっています。

2018年2月19日に15機関が新規指定され、特定行為研修を実施する指定研修機関は34都道府県・69機関となった。青森県や新潟県、三重県、長崎県など13県では未指定となっている(白地の県)

2018年2月19日に15機関が新規指定され、特定行為研修を実施する指定研修機関は34都道府県・69機関となった。青森県や新潟県、三重県、長崎県など13県では未指定となっている(白地の県)

特定行為研修を実施する指定研修期間一覧(2018年2月19日時点)その1

特定行為研修を実施する指定研修期間一覧(2018年2月19日時点)その1

特定行為研修を実施する指定研修期間一覧(2018年2月19日時点)その2

特定行為研修を実施する指定研修期間一覧(2018年2月19日時点)その2

 
昨年(2017年)3月末時点では、25都道府県・40機関にとどまっていたので、1年弱で9都道府県・29機関が増加した格好です。もっとも厚労省は、「看護師が就業しながら、身近な施設で研修を受ける」ことが必要と考え、「1都道府県に少なくとも1か所の指定研修機関を指定する」考えです。

指定研修機関が指定されていないのは、▼青森県▼新潟県▼山梨県▼静岡県▼岐阜県▼三重県▼広島県▼島根県▼徳島県▼愛媛県▼長崎県▼宮崎県▼熊本県―の13県で、早期の指定に期待したいところです。

厚労省は指定促進に向けて、(1)指定研修機関が行わなければならない▼特定行為研修修了証の交付▼特定看護師の名簿の厚生労働大臣への提出▼記録の保存▼指定申請および変更承認に係る申請―などを、指定研修機関が所属する医療関係団体などに委託することを認める(2)看護師が特定行為研修を地域で受講できるよう、医療計画に「指定研修機関および実習を行う協力施設の確保などの研修体制」を具体的に記載し、都道府県に整備を求める(3)特定行為研修制度の認知度向上に向けて、より積極的な周知活動を行う—こととしています(関連記事はこちらこちらこちら)。

 なお、次の6機関では研修できる特定行為区分が追加されました。全機関ですべての研修を実施することは現実的ではありませんが、各機関で特定行為区分が追加(増加)すれば、看護師がより身近な機関で研修受講することが可能となるため、今後も区分の追加に期待が集まります。

▼岩手医科大学附属病院高度看護研修センター(岩手県):
現在「創傷管理関連」1区分の研修を実施しており、新たに「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」など6区分を追加
▼公益財団法人星総合病院(福島県):
現在「創傷管理関連」1区分の研修を実施しており、新たに「ろう孔管理関連」など3区分を追加
▼筑波大学附属病院(茨城県):
現在「呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連」など10区分の研修を実施しており、新たに「腹腔ドレーン管理関連」など2区分を追加
▼社会医療法人愛仁会(大阪府):
現在「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」など9区分の研修を実施しており、新たに「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」など2区分を追加
▼奈良県立医科大学(奈良県):
現在「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」など7区分の研修を実施しており、新たに「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」など3区分を追加
▼鹿児島大学病院(鹿児島県):
現在「・呼吸器(気道確保に係るもの)関連」など5区分の研修を実施しており、新たに「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」など2区分を追加

 
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