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医学部地域枠の地元出身者への限定や、特定看護師確保策などを医療計画に記載—医療計画見直し検討会(2)

2017.6.30.(金)

 2018年度からの新たな医療計画(第7次医療計画)においては、地域における医師偏在の解消に向けて「大学医学部の地域枠入学生は、原則として地元出身者に限定する」「地域医療支援センターがキャリア形成プログラムを策定する際には、大学医学部などと十分連携する」ことなどを明確にする。また看護師特定行為研修の実施体制を充実する方策なども記載する—。

30日に開催された「医療計画の見直し等に関する検討会」では、こういった点も了承されました(関連記事はこちら)。近く開かれる社会保障審議会・医療部会の了承を経て、医療計画作成に関する通知が改めて発出されます。

6月30日に開催された、「第11回 医療計画の見直し等に関する検討会」

6月30日に開催された、「第11回 医療計画の見直し等に関する検討会」

医師の地域偏在是正に向けて、都道府県に「当面の対策」を求める

2018年度から新たな医療計画(第7次医療計画)がスタートするため、厚生労働省は今年(2017年)3月31日付で、都道府県に宛てて通知「医療計画について」(厚労省医政局長通知)および「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について」(同局地域医療計画課長通知)を発出しています(関連記事はこちら、通知へのリンクも関連記事にあります)。

しかし医療従事者の確保に関しては、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等 の働き方ビジョン検討会」や「医療従事者の需給に関する検討会」の議論を待ち、別途、考え方を示すこととなっていました。

今般、検討会において「当面の対策」(早急に実行可能な医師偏在対策)が固められたことを受け、医療従事者の確保に関する記述を充実することにしたものです。

医師確保については、「地域の医師偏在」を是正するために、地域医療支援センター(都道府県に設置)の作成するキャリア形成プログラムにおいて▼大学との十分な連携を図る▼地域枠入学生は地元出身者に限定し、当該都道府県での臨床研修を原則とする▼勤務地や診療科を限定する—ことなどを促すことにしています。また来年度(2018年度)予算において▼代診医師の派遣▼遠隔診療—に関する補助の拡大も目指すことになります(詳細はこちら)。

なお、より抜本的な偏在対策については、医師需給分科会(医療従事者の需給に関する検討会の下部組織)において今秋から議論が行われます(詳細はこちら)。

 
また看護職員の確保については、地域の実情を踏まえつつ▼看護師などの離職届出を活用した復職支援▼医療機関の勤務環境改善による離職防止—などを進めることを医療計画に記載することになります。

さらに、「特定行為に係る看護師の研修制度」を推進するために、「指定研修機関・実習を行う協力施設の確保など、研修体制の整備に向けた計画」も医療計画の中に明記することになります。2014年から、一定の研修(特定行為に係る研修、以下、特定行為研修)を受けた看護師は、医師・歯科医師の包括的指示の下で手順書に基づいて38の診療所の補助(特定行為)を実施することが可能になりましたが、特定行為研修を行う指定研修機関は25都道府県に40機関しか設置されていません(2017年3月末時点)。医療計画への研修体制整備計画を記載することで、「全都道府県における指定研修機関の設置」や「より身近な実習施設の設置」が期待されます(詳細はこちら)。

特定行為研修を行う施設(指定研修施設)の整備に関する計画を医療計画に記載する際のイメージ(その1)

特定行為研修を行う施設(指定研修施設)の整備に関する計画を医療計画に記載する際のイメージ(その1)

特定行為研修を行う施設(指定研修施設)の整備に関する計画を医療計画に記載する際のイメージ(その2)

特定行為研修を行う施設(指定研修施設)の整備に関する計画を医療計画に記載する際のイメージ(その2)

 
 また、病院において歯科医師を確保することが医科歯科連携推進に向けて極めて効果的なことから、厚労省内に設置されている「歯科医師の資質向上等に関する検討会」の議論を踏まえ、例えば「病院における歯科医師配置」などを医療計画に記載することなどを検討していきます。

脳卒中や心血管疾患、急性期から回復期・維持期までの一貫した医療提供体制を構築

 医療計画では、地域の適切な医療機能を確保するために、5疾病(▼がん▼脳卒中▼心血管疾患▼糖尿病▼精神疾患)・5事業(▼救急医療▼災害時医療▼へき地医療▼周産期医療▼小児救急医療を含む小児医療)、および在宅医療について、患者動向・医療の現状を把握し、「必要な医療機能」や「各医療機能を担う医療機関などの名称」「数値目標と必要な施策」などを記載することも求められます。

30日の検討会では、▼脳卒中▼心血管疾患▼精神疾患▼周産期医療体制—の整備計画のベースとなる厚労省検討会の状況が報告されました。

このうち脳卒中・心血管疾患については、急性期だけでなく「回復期から維持期まで一貫した診療提供体制の構築が必要」との考え方が打ち出されました。今村知明構成員(奈良県立医科大学教授)は「画期的である。素晴らしい考え方である」と称賛しています。

脳卒中においては、▼急性期医療機関で急性期治療(t-PA治療など)と急性期リハビリを実施する▼回復期医療機関で回復期リハビリと亜急性期治療(再発予防、基礎疾患・危険因子の管理、合併症への対応など)を行う▼維持期医療機関では、かかりつけ医による維持期治療(再発予防、基礎疾患・危険因子の管理など)を、老人保健施設や通所リハビリ事業所などで維持期リハビリを提供する—という機能分担を行うとともに、各医療機関で患者情報を共有し、面による疾病管理を行う構図が描かれています。

脳卒中にかかる診療提供体制のイメージ

脳卒中にかかる診療提供体制のイメージ

 
また急性期医療においては、施設間ネットワークを構築し、24時間専門的な診療提供体制の確保が求められますが、医療資源が乏しい地域では、遠隔診療なども活用した「平均的な救急搬送圏の『外』との連携」体制構築も求められます。
脳卒中にかかる急性期医療提供体制のイメージ

脳卒中にかかる急性期医療提供体制のイメージ

 
なお、より多くの施設でt-PA治療などを行うべきか(均てん化)という点については、「適切性・安全性を担保しながら進める必要がある」と慎重な姿勢を崩していません。

 
一方、心血管疾患については、入院医療において▼急性期治療・リハビリ▼亜急性期治療(基礎疾患・危険因子の管理、合併症への対応など)▼回復期リハビリ(患者教育、食事・服薬指導、運動療法など)―を機能分化・連携の上で提供するとともに、外来医療において▼回復期リハビリ(再発予防に向けた生活指導、危険因子の是正、運動療法など)▼維持期治療▼維持期リハビリ(定期外来受診による基礎疾患・危険因子の管理、生活習慣の改善など)―を行う体制を提示しました。ここでも各施設の連携が重視されます。

心血管疾患にかかる診療提供体制のイメージ

心血管疾患にかかる診療提供体制のイメージ

心血管疾患にかかる急性期医療提供体制のイメージ

心血管疾患にかかる急性期医療提供体制のイメージ

  
厚労省は、医療計画へのこうした内容の記載を求めることについて、社会保障審議会・医療部会の了承を待って、近く関連通知の再発出を行います(今夏予定)。

   

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