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日本の平均寿命は世界トップクラス、男性80.75年、女性86.99年―2015年完全生命表

2017.3.2.(木)

 2015年の我が国の平均寿命は、男性が2010年から1.20年延びて80.75年に、女性が同じく0.69年延びて86.99年となりいずれも過去最長を更新した―。

 このような状況が、厚生労働省が1日に発表した「第22回生命表(完全生命表)」から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

 平均寿命をアメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、イギリスと比べると、男女ともに我が国が勝っています。

5年前(2010年)に比べ、男性は1.20年、女性は0.69年平均寿命が延伸

 生命表には、毎年の人口推計(10月1日時点)や人口動態統計月報年計(概数)による「簡易生命表」と、5年に1度の国政調査結果や人口動態統計(確定数)による「完全生命表」があります。今般の第22回完全生命表は、昨年(2016年)7月27日に公表された2015年簡易生命表の「確定版」にあたります。

 第22回完全生命表は、日本国内の日本人について「2015年の1年間の死亡状況が今後変化しない」と仮定したときに、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかなどを、死亡率や平均余命などの指標で表しています。医療費と年齢には深い関係があり、人口構成の変化は医療費・医療制度(保険および提供体制)見直しの呼び水になりえます。

0歳の平均余命である「平均寿命」は、2015年には男性80.75年(2010年の79.55年に比べて1.20年延伸)、女性86.99年(同86.30年に比べて0.69年延伸)となりました。平均寿命について諸外国と比べると、▼アメリカ(男性76.4年、女性81.2年)▼カナダ(男性79.4年、女性83.6年)▼フランス(男性79.0年、女性85.1年)▼ドイツ(男性78.18年、女性83.06年)▼イタリア(男性80.115年、女性84.606年)▼スイス(男性80.7年、女性84.9年)▼イギリス(男性79.09年、女性82.82年)―より、男女とも我が国のほうが勝っています(ただし、作成期間が若干異なる)。厚労省は「平均寿命は保健福祉水準を総合的に示す指標」であるとしており、我が国の保健福祉水準は依然として世界トップレベルにあることが分かります。

主な年齢別の平均余命(0歳時点が平均寿命に該当)の推移

主な年齢別の平均余命(0歳時点が平均寿命に該当)の推移

平均寿命を諸外国と比べると、我が国はトップ水準にあることが分かる

平均寿命を諸外国と比べると、我が国はトップ水準にあることが分かる

 

 死亡率について5年前と比較すると、男女ともほとんどの年齢で低下しています。年次推移を見ると、1975年から2015年にかけて、男女とも「0歳から10歳代」「70歳代」の低下が大きいことが分かります。衛生状態の向上や医療制度・技術の向上などによって、乳幼児と高齢者の死亡が減っている格好です。

死亡率の推移

死亡率の推移

 また、「10万人の出生者が年齢別死亡率に従って死亡していく」とした場合の死亡数を見ると、男女とも70歳代から急激に増加し、男性では87歳、女性では92歳でピークを迎えた後、急激に減少しています。生命表における死亡数のピークは、回を追うごとに高齢に移動しており、ここからも「高齢化の進展」が改めて確認できます。

死亡数の推移

死亡数の推移

   
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