2016年4月の特養待機者は29万5200人、2年前と比べて5万人減少―厚労省
2017.3.28.(火)
要介護3以上で特別養護老人ホームの入所を待っている人は、昨年(2016年)4月1日時点で29万5237人と推計され、2年前(2014年4月1日時点、34万5233人)に比べて約5万人減少している―。
厚生労働省が27日に公表した「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」から、このような状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。
ただし生活困難などの理由で特例入所が認められる要介護1・2の人を加えると、特養ホームの待機待ちとなっている人は、約36万6000人となります。
要介護1・2の特例対象者を加えると36万6200人が特養の入所待ち
2014年に行われた介護保険制度改正により、特養ホームの新規入所者は「原則、要介護3以上」に限定されました。限りある介護資源を、できるだけ重度の人に集中させる狙いがあります。
2016年4月1日時点で特養ホームの入所待ちとなっている要介護3以上の人は、都道府県による調査結果を集計したところ、全国で29万5237人。うち在宅の人は12万3224人・41.7%、在宅でない人(介護老人保健施設などに入所し、特養ホーム入所を待機している)は17万2013人・58.3%となっています。
2年前に厚労省が行った調査では、特養ホームの入所待ち者は52万3584人でしたが、制度改正後に合わせ要介護3以上の人に限定すると34万4233人。2016年と2014年を比較すると、入所待機者の数は約5万人(4万9996人)減少しています。また2014年時点では在宅の割合が44.3%、在宅以外の割合が55.7%だったので、若干、在宅で待機する人の割合が増加しています(2年前の調査結果はこちら)。
なお、前述のとおり特養ホームの新規入所は「原則、要介護3以上」に限定されていますが、要介護1・2の人でも「居宅での生活が困難なことについてやむを得ない事由があると認められる」場合には特例入所が可能です。この特例入所待機者数を正確に把握することは困難ですが、一定の仮定を置くと7万1000人と集計されました。要介護3以上の人と合計すると36万6200人程度が特養の入所待ちとなっている状況です。
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