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妊婦健診への公費助成、回数は充足するが、助成額や検査項目に格差―厚労省

2017.9.11.(月)

 市区町村の実施する妊婦健康審査の公費負担状況を見ると、すべての自治体で14回以上の助成が行われているが、助成額には自治体間の格差があり、検査項目にも若干のバラつきがある—。

厚生労働省は9月8日、都道府県などにこうした状況を通知(妊婦健康診査の公費負担の状況に係る調査結果について)。妊婦の「健康管理の充実」「経済的負担の軽減」のため、妊婦健康診査に係る公費負担の一層の充実が図るよう要望しています(厚労省のサイトはこちら)(前年の記事はこちら)。

安心・安全な出産のために必要な健診(14回)への助成は、全市町村で実施

 出産年齢の上昇などで、健康管理がより重要な妊婦が増加傾向にあり、妊婦に対する保健指導・健康診査(健診)の重要性、必要性が一層高まっています。その一方で経済的な理由などから健診を受診しない妊婦も少なくないと指摘されます。こうした状況を踏まえ、妊婦健診に対する公費助成が行われており、2013年度からは「安心・安全な出産のために必要とされる受診回数(14 回程度)」分の検査費用について地方財政措置が講じられています(▼妊娠初期から妊娠23週まで:概ね4週間に1回▼妊娠24週から妊娠35週まで:概ね2週間に1回▼妊娠36週から出産まで:概ね1週間に1回)。

 厚労省は2016年4月1日現在の、妊婦健診に係る公費負担の状況を調査。まず公費負担回数を見ると、▼14回:1623自治体・93.2%(前年に比べて2.2ポイント減)▼15回:51自治体・2.9%(同増減なし)▼16回:37自治体・2.1%(同1.6ポイント増)▼17回:4自治体・0.2%(同0.1ポイント増)▼20回:2自治体・0.1%(同0.1ポイント増)▼無制限:24自治体・1.4%(同0.4ポイント増)—となっています。すべての市区町村で、国の定める望ましい受診回数「14回程度」の助成が行われており、かつ、公費負担回数がさらに増加している状況が伺えます。

公費負担額、最高の岐阜と最低の神奈川とで1.72倍の格差

 次に公費負担額を見てみると、全国平均では10万2097円で、前年に比べて2170円増加しています(公費負担額が明示されていない29市町村を除く)。

 都道府県別(管内市町村の平均)に見ると、最も高いのは岐阜県の11万9570円で、山口県11万9029円、青森県11万8920円(ただし非公表の自治体あり)などと続きます。

 逆に最も低いのは神奈川県の6万9644円で、東京都8万6657円、山梨県8万9808円と続いており、最高の岐阜県と最低の神奈川県では1.72倍の格差があるほか、地域によるバラつきが目立ちます。

2016年における妊婦健診に係る公費助成額を見ると、最高の岐阜県と最低の神奈川県には1.72倍の格差がある

2016年における妊婦健診に係る公費助成額を見ると、最高の岐阜県と最低の神奈川県には1.72倍の格差がある

A・Bレベルの推奨項目検査は全自治体で実施、それ以外にはバラつきも

 さらに国がAレベルで推奨する検査項目(血液型など、B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体、HTLV-1抗体)、およびBレベルで推奨する検査項目(性器クラミジア、B群溶血性レンサ球菌)については、受診券方式(毎回の検査項目が示されている券を、妊婦が医療機関に持参して健診を受ける)で公費助成している1449市区町村のすべてで実施されていることが分かりました。

しかし、Cレベルで推奨する検査項目(子宮頸がん)については91.2%に、推奨レベルの記載のない血糖検査(2回)は91.7%、血算検査(3回)は91.2%、超音波検査(4回)は84.2%にとどまっています。

2016年において、公費助成される妊婦健診項目を見ると、若干のバラつきがあることが分かる

2016年において、公費助成される妊婦健診項目を見ると、若干のバラつきがあることが分かる

 
厚労省は、こうした結果を「各市区町村間で公費負担額や公費負担の対象検査項目などに差が生じている」と捉え、妊婦健診に係る公費負担の一層の充実を図るよう自治体に要望しています。

 
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