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2020年度診療報酬改定で、看護必要度やDPC、手術の時間外等加算などの見直しを―日病

2019.5.14.(火)

 日本病院会は、2020年度の次期診療報酬改定に向けた要望書を、厚生労働省保険局の樽見英樹局長に宛てて4月26日に提出しました(日病のサイトはこちら)。

要望内容は膨大なため、目立つものを拾ってみましょう。

なお、2020年度診療報酬改定に向けた議論を行う中央社会保険医療協議会では、現在、総論として「世代別の医療課題」などを検討しており、日病の要望等に関連する具体的な議論は今秋(2019年秋)以降に行われることになるでしょう。

同一疾患の再手術でも、看護師の療養上の世話が必要である

 一般病棟入院基本料においては【急性期一般病棟入院料】の施設基準である「重症度、医療・看護必要度」について、医療現場の実情を踏まえた次の見直しを行うよう求めています。

▼C項目(手術等の医学的状況)について「同一疾患に起因した一連の再手術の場合は、初回の手術のみ評価の対象とする」とされているが、再手術後でも看護師による療養の世話は当然必要であり、「一旦退院し再度入院した場合(入院期間が通算される再入院を含む)には、評価の対象とする」ことと同じ取り扱いとすべき

▼「救急搬送後の入院」であればA項目1点と評価されるが、「予定入院」であっても一定の条件を満たした場合には評価をすべき

 
 【回復期リハビリテーション病棟入院料】については、▼重症度を加味した算定上限日数の設定▼パーキンソン病・ギランバレー・ALS・癲癇などの患者の算定対象への追加▼抗がん剤治療・神経ブロック・退院前訪問指導料・退院時リハビリテーション指導料などの包括評価からの除外―などを行うよう求めています。

 
 また特定機能病院並みの医療提供体制を敷く一般病院を評価するものとして創設され、その後、逐次見直しが行われている【総合入院体制加算】については、「放射線治療(体外照射法)4000件/年以上」との実績要件がありますが、放射線機器の入れ替えを行った場合には、この要件を満たすことが難しくなります。一方、機器の入れ替えコストを考慮すれば、経営的にはダブルパンチ(高コストと加算が取得できなくなることによる収益源)となるため、「機器入れ替えの前後1年間」については「実績要件の数値を見直すべき」と訴えています。

 
また【診療録管理体制加算】について、「有資格者の配置」を施設基準に盛り込むべきとも要望しています。「エビデンスに基づく医療」(いわゆるEBM)の重要性が増す中では、適切な診療データの管理・蓄積が不可欠となり(誤ったデータ、不確かなデータをいくら積み重ねても、適切なエビデンスは構築できない)、次代を見据えた要望内容と言えるでしょう。

 
一方、白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、重症複合型免疫不全症等の患者に無菌治療室管理を行うことを評価する【無菌治療室管理加算】の算定可能日数について、「1入院ごとに90日」とすべきと求めています。現在、同加算の算定可能日数は、「一連の治療につき90日まで」とされていますが、日病では「白血病等で入退院を繰り返す」患者もいることから、医療現場の実態を踏まえた算定可能日数を設定すべきと指摘しています。

 
 また、入院前から「入院時・入院中・退院」を見据えた管理を行うことを評価する【入院時支援加算】について、「緊急入院であっても、入院当初に療養支援計画を立てた場合」には取得を可能とするよう求めています。

手術等の【休日・深夜・時間外加算】、要件の緩和を

処置・手術については、次のような見直しを行うことを求めています。

▼【休日・深夜・時間外加算】について、「当直などが年12回以内」との厳しい要件があるが、「医師当たり年12回以内の当直」や「回数の増加」などの見直しとすべき(現状では超大規模病院でしか取得できない)

▼【脊椎固定術】について、「腸骨から採取した骨髄液を局所骨と混ぜて移植した場合」にも加算取得を認めるべき

▼【乳腺悪性腫瘍手術】の【乳がんセンチネルリンパ節加算】について、術中迅速病理標本作成を実施しない場合の加算(加算3など)を創設すべき

▼【後腹膜悪性腫瘍手術】(4万8510点)について、難易度に鑑み、【骨盤内蔵全摘術】(12万980点)並みの評価とすべき

▼「腹腔鏡+腹腔鏡」(例えば、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍手術と、腹腔鏡下肝切除術の同時実施など)の費用特例を設けるべき

DPCにおける入院患者の他医療機関への受診、「合議精算」を見直せ

 DPC制度では、入院中に「包括」(DPC)から「出来高」へ分岐が変更になった場合(例えば高額薬剤の使用など)には、月初めに戻って「出来高」となります。その際、レセプトの返戻・再請求、患者の費用精算しなおしなどの煩雑な事務手続きがあることから、日病では「DPC変更時の月内での調整」を可能としてほしいと求めています。

また機能評価係数IIについて、次のような見直しを行うよう求めています。

▼大学病院本院群(旧I群)・DPC特定病院群(旧II群)では、地域医療指数の「シェア率」(どれだけ地域の患者に支持されているかを評価する指標)が3次医療圏単位となっている。この点、北海道では道内に複数の3次医療圏があり係数が高くなり、その結果、他院の評価が低くなることから見直しを行うべき

▼【急性期一般病棟入院基本料1】(旧7対1)について、在院日数の評価にあたって、患者構成を補正するために「効率性指数」(または係数)を用いるべき

▼糖尿病の診療実績を「地域医療指数」の体制評価指数の中で評価すべき

 
 またDPC病院に入院中の患者が他医療機関を受診した場合には、病院間で合議して費用を精算することになる(DPCは包括評価ゆえ、他医療機関の医療行為で分岐変更等がなされない限り、支払額は一定である)。この点、日病では「DPC病院が、他医療機関の医療行為を買い取る」ことが多いが、高齢化の進展や医学医療の発展等に伴い、▼疾患の多様化▼治療内容の専門化―が進む中で、DPC病院の負担が大きくなっていることを踏まえた「見直し」を行うよう求めています。

 
 

 

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