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てんかん患者に用いる「イーケプラ点滴静注」を「てんかん重積状態」にも使用可、スキャンドネストを伝達麻酔にも使用可―厚労省

2022.8.9.(火)

てんかん患者に用いる「イーケプラ点滴静注」について、「てんかん重積状態」にも使用することを保険診療の中で認める—。

歯科・口腔領域の浸潤麻酔に用いる「スキャンドネストカートリッジ」について、同領域の「伝達麻酔」に使用することを保険診療の中で認める—。

厚生労働省は8月4日に通知「公知申請に係る事前評価が終了した医薬品の保険上の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。同日(2022年8月4日)から保険適用範囲が拡大されています(厚労省のサイトはこちら)。

保険診療の中で「ドラッグラグ」に協力に対応する特別ルール

「ドラッグ・ラグ」(欧米の先進諸国で使用できる医療用医薬品が我が国で保険診療において使用できない)が従前より問題視され、日本国民が最新の医療技術にアクセスしにくい状況の改善が求められています。

そこで、例えば「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、我が国では未承認・適応外となっているが医療上の必要性の高い医薬品について製薬メーカーに開発要請を行うなど、ドラッグ・ラグ解消に向けた取り組みを進めています。また、未承認・適応外薬の開発促進に向けて、2010年度の薬価制度改革で【新薬創出・未承認薬解消等促進加算】を創設し、2018年度の薬価制度抜本改革でこれを制度化。その後の薬価制度改革でも加算の改善を続けています。

さらに、医療保険制度からドラッグ・ラグ解消に強力にアプローチするために、2010年8月25日の中央社会保険医療協議会・総会で「医薬品の適応外使用について、薬事・食品衛生審議会の事前審査で『公知申請を行っても差し支えない』と判断された場合には、その翌日から自動的に保険適用を行う」という特別ルールが創設されました。

保険診療においては、安全性・有効性を確保するために、医薬品は「効能・効果が認められた傷病の治療」以外に用いることはできません。仮にその他傷病の治療に用いれば保険外診療(自由診療)となり、当該一連の治療全体が全額患者負担となるのが原則です。「この医薬品は異なる傷病の治療に効果があるのではないか」と考えられる場合には、治験などを実施して有効性・安全性に関するデータを揃え、薬食審で効能・効果追加の承認を得ることが原則です。限られた公的財源(保険料、税)の中で、安全性・有効性が確認されていない治療を認めることは好ましくないためです。

ただし治験等を実施してエビデンスを構築し、審査が完了するまでには相当の時間が必要です。このため、上記原則をあまりに厳格に適用すれば、「今まさに疾病と闘っている患者」が最新の医療技術(医薬品)にアクセスするチャンスが大きく阻害されてしまいます(事実上、我が国では最新医療技術(医薬品)にアクセスできないことになる)。

そこで中医協は、「医療保険の原則」と「最新の医療技術へのアクセス」とのバランスに配慮して上記特別ルールを創設。▼適応外使用であれば、既に「人体への安全性」は審査済である(未承認ではない)▼海外の論文など(公知)で一定の有効性・安全性が確保され、それをもとに薬食審の事前審査で「公知申請を認めて良い」と判断された場合には、必ず後に効能・効果追加が認められている—ことなどに鑑みたものです。本特例ルールにより「公知申請を認めてよいとの事前審査から、実際に効能・効果追加が行われるまでの期間」分(概ね6か月程度とされる)、保険収載を前倒しすることが可能となります(ドラッグ・ラグの短縮)。



今般、この特別ルールにより次の2医薬品について、新たな効能・効果が認められることになりました(保険診療の中で実施が認められる)。

●「レベチラセタム」(販売名:イーケプラ点滴静注500mg)

▽現在認められている効能・効果
一時的に経口投与ができない患者における、▼てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)▼他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法—の治療に対するレベチラセタム経口製剤の代替療法

▽今般、新たに認められた(追加された)効能・効果:てんかん重積状態
▼留意事項として「診療ガイドラインを参考とし、本剤の投与が適切と判断される患者に投与する」ことを求める
▼用法・用量について「成人の場合1回1000-3000mgを静脈内投与(投与速度は2-5mg/kg/分で静脈内投)するが、1日最大投与量は3000mg」とする



●「メピバカイン塩酸塩」(販売名:スキャンドネストカートリッジ3%)

▽現在認められている効能・効果:歯科・口腔外科領域における浸潤麻酔

▽今般、新たに認められた(追加された)効能・効果:歯科・口腔外科領域における伝達麻酔
▼用法・用量について変更なし(通常、成人には 1管1.8mL(メピバカイン塩酸塩として 54mg)を使用。年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減するが、増量する場合には注意する)
▼効能・効果に関連する注意について、「浸潤麻酔においては、30分以内の処置に適用する」(本剤は、血管収縮薬配合の局所麻酔剤と比較して作用時間が短い)旨を明示



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