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全国病院等での診療情報共有、共有情報拡大に合わせ「患者同意」取得画面見直し—健康・医療・介護情報利活用検討会

2022.9.2.(金)

全国の医療機関等で、患者同意の下で「レセプト情報」を共有し、診療に活かす仕組みが稼働している。共有情報について、現在は「薬剤、特定健診」に限られているが、今秋(2022年9月)からは「病理診断や画像診断など」にも、さらに来春(2023年5月)からは「手術など」にも拡大される—。

このため、医療機関等の窓口で患者が「診療情報へのアクセス」に同意する画面(医療機関サイドからすれば「同意を取得する」画面)についても、順次、段階的に見直していく—。

8月31日に持ち回り開催された「健康・医療・介護情報利活用検討会」に、こういった点が報告されました。

なお、介護サービス利用者の情報を、介護事業所・施設間で共有し、質の高い介護サービス提供を目指し、検討会の下に新たに「介護情報利活用ワーキンググループ」を設置することも決まっています。

手術情報は機微性が一段高いため、他情報と切り離して「別個の同意」

Gem Medで繰り返し報じているとおり、オンライン資格確認等システムのインフラを活用した「全国の医療機関で診療情報(レセプト情報・電子カルテ情報)を共有する」仕組みの構築・運用が進められています。

医療機関等において「患者の情報を共有・閲覧する仕組み」には、大きく次の2つがあります。

(A)「レセプト」情報を共有・閲覧可能とする仕組み
(B)各医療機関の電子カルテ情報を共有・閲覧可能とする仕組み

医療情報の共有・閲覧に向けて2つの仕組みが動いている(医療部会(2)2 211209)

全国の医療機関での電子カルテ情報共有するにあたり「オンライン資格確認等システムのインフラ」を活用する方針を決定(医療情報ネットワーク基盤WG1 220516)



(B)の電子カルテ情報共有は、これから具体的な仕組みが構築されていきますが(関連記事はこちらこちら)、(A)のレセプト情報共有はすでに一部(薬剤、特定健診情報の共有)がスタートしており、この9月(2022年9月)から▼基本情報(医療機関名、診療年月日)▼放射射線治療▼画像診断▼病理診断▼医学管理、在宅療養指導管理料▼人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流—にも拡大されます。

さらに、「手術(移植・輸血を含む)、短期滞在手術等基本料」情報については、機微性が一段高い(例えばK655【胃切除術】の「2 悪性腫瘍手術」であれば、「胃がん」であると即座に分かってしまう)ことなどを踏まえ、他の情報と切り離し、別個に「当院があなたの手術情報へアクセスすることを許可するか?」という確認(同意)を行う(来年(2023年5月目途)方向が了承されています(関連記事はこちらこちらこちら)。

この方向に沿ってシステム構築が進められており、8月31日の「健康・医療・介護情報利活用検討会」には、次のような「診療情報へのアクセス・共有を、患者が別個に同意する」仕組みの画面イメージが報告されました。

【現在の確認画面イメージ】
▽患者が医療機関等を受診し、窓口でマイナンバーカードを利用して資格確認を行う

▽過去の「医薬品情報」に、当該医療機関がアクセスすることに同意するか、しないかを患者自身が判断する(画面でタッチ)

▽過去の「健診情報」に、当該医療機関がアクセスすることに同意するか、しないかを患者自身が判断する(画面でタッチ)

現在の画面イメージ(健康・医療・介護情報利活用検討会1 220831)



【共有可能な診療情報が一部拡大される、この9月(2022年9月)から】
▽患者が医療機関等を受診し、窓口でマイナンバーカードを利用して資格確認を行う

(改)過去の「診療・医薬品情報」に、当該医療機関がアクセスすることに同意するか、しないかを患者自身が判断する(画面でタッチ)

▽過去の「健診情報」に、当該医療機関がアクセスすることに同意するか、しないかを患者自身が判断する(画面でタッチ)

「画像診断」などの情報共有が始まる本年(2022年)9月以降の画面イメージ(健康・医療・介護情報利活用検討会2 220831)



【共有可能な診療情報が「手術」にまで拡大される、来年(2023年)5月から】
▽患者が医療機関等を受診し、窓口でマイナンバーカードを利用して資格確認を行う

(新)過去の「手術情報」に、当該医療機関がアクセスすることに同意するか、しないかを患者自身が判断する(画面でタッチ)

(さらに改)過去の「『手術以外』の診療・医薬品情報」に、当該医療機関がアクセスすることに同意するか、しないかを患者自身が判断する(画面でタッチ)

▽過去の「健診情報」に、当該医療機関がアクセスすることに同意するか、しないかを患者自身が判断する(画面でタッチ)

「手術」情報の共有が始まる来年(2023年)5月以降の画面イメージ(健康・医療・介護情報利活用検討会3 220831)



情報共有の可否を「3段階」で確認することになります。カードリーダーの画面サイズにより表示文字数が制限されるためです。

手術情報の共有は「来年(2023年)5月を目途」に開始される見込みで、厚労省は「手術情報の提供開始時には、国民や医療機関等へ十分な周知を行う」としています。

なお、こうした仕組みが十分な成果を生むためには、「すべての医療機関等がオンライン資格確認等システム(情報共有の基盤となる)を導入・運用する」「すべての国民・患者がマイナンバーカードで医療機関を受診する」ことが必要となります。このため厚労省は「オンライン資格確認等システムの導入促進」を強力に打ち出しており、医療機関等もこれに応える(まず「早期に申し込む」)ことが期待されます(関連記事はこちら(厚労省説明会))。

●診療報酬による支援や、療養担当規則での「義務化」に関する記事はこちら
●システム開発にかかる補助金拡充に関する記事はこちら

介護サービスの質向上目指し、「介護情報の介護事業者間での共有」も本格検討開始

なお、質の高い介護サービス提供を目指し、介護サービス利用者の情報を介護事業所・施設間で共有することにも期待が集まっています。介護サービス提供は、介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成した「ケアプラン」に沿って行われますが、「現場における、要介護者の当日の状況を踏まえたサービス見直し」なども行われることが少なくなく、「実際の情報を共有する」ことが極めて重要です。

このため検討会の下に新たに「介護情報利活用ワーキンググループ」を設置し、▼どのような情報を共有すべきかの選定と、共有のための「記録方法などの標準化」▼情報を共有するための仕組み構築—について議論。2023年度まで(2024年3月まで、データヘルス改革工程表の期限)に結論を得ることを目指します

介護情報の共有も重要課題となっている(健康・医療・介護情報利活用検討会4 220831)



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