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診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

腎臓移植を受けたが当該臓器が機能しない場合、「待機期間」の継続を認める―厚労省

2019.1.29.(火)

腎臓移植に当たって、どの希望者(移植希望者、レシピエント)に移植するかを判断する際、新たに「無機能腎に関する待機日数の算定の特例」を設け、移植された臓器が機能しない場合には「待機期間の継続」を認める―。

 厚生労働省は1月11日に通知「移植希望者(レシピエント)選択基準の一部改正について」を発出し、こうした改訂点への留意を呼びかけました。

 
 臓器を、どの希望者(移植希望者、レシピエント)に移植するかを判断するに当たっては、▼ABO式血液型の一致または適合▼搬送時間▼HLAの適合度▼待機日数▼年齢―などを、一定のルールに則って検討し、決定します。貴重な臓器であり生着率を考慮しなければならないとともに、移植希望者の期待感への配慮も必要となるためです。

 適合条件に合致する希望者が複数いる場合には、「血液型一致の小児レシピエント」>「血液型適合の小児レシピエント」>「血液型一致の成人レシピエント」>「血液型適合の成人レシピエント」とし(>の場合、前者を優先する)、また上記の条件を「点数化」し、合計点数の高い希望者を優先することになります(関連記事はこちら)。

今般、条件の1つである「待機日数」について、新たに次のような特例を設けることとなりました。腎臓移植を受けても、その臓器が機能しなかった場合などには、待機期間の継続を認めるものです(移植により待機期間は中断しない)。

【無機能腎に関する待機日数の算定の特例】
移植後3か月の時点で▼移植された腎臓が機能しない場合▼週に1-2階程度透析が必要な場合(いわゆる「無機能腎」の場合)―のうち、それが当該移植に用いられた臓器の状態に係る絶対的因子(温阻血時間WIT>30分もしくは総阻血時間TIT>24時間、またはドナー年齢70歳以上)による場合は、当該移植を受けたレシピエントの待機日数は「当該移植により中断することなく継続するものとみなして算定する」こととする。

また、上記以外の場合(当該移植に用いられた臓器の状態に係る相対的因子、レシピエント側因子また移植腎動静脈血栓症による場合)において、評価委員会は、当該移植を受けたレシピエントの待機日数の取扱い(当該移植により中断することなく継続するものとみなして算定するか否か)について、移植施設からの申出後1週間以内に持ち回り審議を行い決定する。

移植施設は、無機能腎のレシピエントについて「待機日数が当該移植により中断することなく継続するものとみなして算定する」こととなる場合、当該移植を受けたレシピエントの移植希望登録の復帰に関する手続きを行う。

 
 
今般設けられた特例は、「今年(2019年)3月1日以降に腎臓移植を受けたレシピエントの待機日数」および「今年(2019年)3月1日以前に移植を行い、今年(2019年)3月1日以降に『移植後3か月』を迎え、当該時点で無機能腎であるレシピエントの待機日数」の算定について適用されます。
 
   
 
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