Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
診療報酬改定セミナー2024 新制度シミュレーションリリース

要介護1・2の特養ホーム入所申請、認知症や虐待などの申立てある場合には排除してはならない—厚労省

2017.3.31.(金)

▼認知症▼知的障害・精神障害など▼家族などによる深刻な虐待▼単身世帯―などの、やむを得ない事情で居宅生活の継続が困難な要介護1・2の人も、特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)への特例入所が可能であり、申込者がこうした要件に合致すると申し立てた場合には、入所申込を受け付けなければならない―。

厚生労働省は29日に、「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針について」の一部改正を行い、このような点を明確にしました。

要介護1・2の申込者を一律に排除してはならない

2014年に行われた介護保険制度改革により、限られた介護資源を重度者に集中させる目的で、特養人ホームの新規入所者は原則「要介護3以上」とされました。ただし、▼認知症▼知的障害・精神障害など▼家族などによる深刻な虐待▼単身世帯―などの、やむを得ない事情で居宅生活の継続が困難な要介護1・2の人も、特養人ホームに入所することが可能です(特例入所)。

特例入所に関する具体的な手続きについて、厚労省は「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針」を定めており、そこでは、特養ホームと市町村(当該入所者が加入する介護保険の保険者)との間で「やむを得ない事情」などの情報共有をすることとされていました。

今般、厚労省はこの指針について次のような見直しを行っています。申込者側が「やむを得ない事情がある」と申立てた場合には、要介護1・2というだけで排除せず、特養ホーム入所の可否をきちんと検討するよう求める内容です。

(1)入所申込み書類に特例入所の要件を具体的に記載した上で、その内容を申込者側に丁寧に説明し、申込者側に「特例入所の要件への該当に関する申込者側の考え」を記載してもらう

要介護1・2の特養ホーム入所申込者に、自身にやむを得ない事由があるのかを記載してもらうことが必要

要介護1・2の特養ホーム入所申込者に、自身にやむを得ない事由があるのかを記載してもらうことが必要

(2)申込者側から「特例入所の要件に該当している」旨の申立てがある場合には、入所申込みを受け付けない取扱いは認めない

(3)申込者側から「特例入所の要件に該当している」旨の申立てがない場合には、取扱いは各施設に委ねる

なお、特養ホームでは、例えば「要介護度Xであれば●点、単身世帯であれば▲点」といった具合に基準を設け、さらに施設長・生活相談員・介護職員・看護職員・ケアマネジャーらの関係職員で構成する「入所を検討する委員会」を設置し、そこで入所の可否を判断することになっています。これも指針で規定されている事項で、待機者が多い特養ホームの入所を公平に決定するための仕組みと言えます。

ただし、今般の改正では「虐待を受けている」など緊急的な保護が必要とされる場合には、こうした手続きを省き、早急な入所を認めることを可能としています。
診療報酬改定セミナー2024MW_GHC_logo
【関連記事】
2016年4月の特養待機者は29万5200人、2年前と比べて5万人減少―厚労省
株式会社などにも特養ホームの開設を認めるべき―公取委が提言
特養ホーム、介護報酬改定に対応し、社会の要請に応えることが必要―福祉医療機構
特養ホーム、人員の安定・育成とケアの質向上は相互関連し、組織・チームで動けるかが鍵―福祉医療機構