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2017年1月の後発品割合70.6%、32道県で70%クリア―協会けんぽ

2017.5.17.(水)

 主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する協会けんぽでは、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合が今年(2017年)1月時点で70.6%(数量ベース、新指標)となり、政府の掲げる「後発品使用割合70%以上」の第1目標をクリアできた(ただし調剤分)―。

 こうした状況が、協会けんぽを運営する全国健康保険協会が16日に公表した医薬品使用状況から明らかになりました(協会のサイトはこちら)。医療保険全体(院内を含める)で見ても、昨年(2016年)11月時点で67.5%に達しており、今後のターゲットは「2018から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする」との第2目標であることが明確な状況と言えます(関連記事はこちらこちら)。

医療保険全体でも2016年11月時点で67.5%に

 画期的な抗がん剤の開発など新規の医療技術が普及し、また高齢化がさらに進展していることなどにより、我が国の医療費は増加を続けています。医療費が国民の負担能力を超えてしまえば、医療保険制度の維持はできなくなるため、政府は医療費の増加そのものを抑える(医療費の適正化)取り組みを進めており、その1つとして「効果が同じで価格が安いジェネリック医薬品(後発品)」の使用促進があります。後発品使用割合(数量ベース)について、▼2017年央に70%以上とする(第1目標)▼2018年度から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする(第2目標)―という2段階の目標値を設定し、後発品使用が進められています。

 協会けんぽを運営する全国健康保険協会でも、この点を重要施策に位置付け、加入者に対し「後発品に切り替えた場合の効果通知」(どの程度自己負担が安くなるのか)を発出しているほか、毎月の後発品使用割合を公表するなどしています(関連記事はこちらこちらこちら)。今年(2017年)1月の状況を見ると、数量ベースで70.6%(新指標、調剤分)となり、過去最高記録を更新しました。

 2016年度診療報酬改定以降の、後発品割合の動向を見てみると、▼2016年4月:66.8%(0.3ポイント増)→▼5月:67.1%→(0.2ポイント増)→▼6月:67.3%→(0.2ポイント増)→▼7月:67.5%→(0.4ポイント増)→▼8月:67.9%→(0.4ポイント増)→▼9月:68.3%→(0.5ポイント増)→▼10月:68.8%→(0.6ポイント増)→▼11月:69.4%→(0.4ポイント増)→▼12月:69.8%→(0.8ポイント増)→▼2017年1月:70.6%—となっています。1か月当たり平均0.42ポイントのペースで増加している格好で、増加のスピードが徐々に上がっていることも分かります。医療保険全体で見ても、2016年11月には67.5%を達成しており、協会けんぽの取り組み射程は、すでに第1目標(70%以上)ではなく、第2目標(80%以上)に移っていると考えられます。

協会けんぽ全体の後発品使用割合(数量ベース、調剤分)は、2017年1月に70.6%になった

協会けんぽ全体の後発品使用割合(数量ベース、調剤分)は、2017年1月に70.6%になった

沖縄や鹿児島など32道県で70%以上をクリア、東京・大阪・京都などでは未達

 協会けんぽ全体では目標達成が確実な状況ですが、都道府県別に見ると残念ながら大きなバラつきがあります。

 今年(2017年)1月に後発品割合70%をクリアしているのは、沖縄県(80.9%)、鹿児島県(77.1%)、岩手県(75.9%)、宮崎県(74.5%)、山形県(73.6%)、長野県(73.5%)、富山県(73.4%)、宮城県(72.6%)、山口県(72.6%)、青森県(72.6%)、佐賀県(72.5%)、新潟県(72.4%)、福井県(72.4%)、島根県(72.3%)、北海道(72.2%)、熊本県(72.2%)、石川県(72.1%)、静岡県(72.0%)、鳥取県(71.9%)、群馬県(71.6%)、愛知県(71.4%)三重県(71.4%)、長崎県(71.3%)、滋賀県(71.0%)、埼玉県(71.0%)、福岡県(70.9%)、岡山県(70.8%)、秋田県(70.6%)、千葉県(70.4%)、栃木県(70.2%)、兵庫県(70.2%)、岐阜県(70.1%)、の32道県で、7割の自治体で目標を達成していることになります。

 しかし徳島県59.7%(前月から0.9ポイント増)、山梨県62.7%(同0.9ポイント増)、高知県64.5%(同1.0ポイント減)などでは、目標達成までにもうしばらく時間が掛かりそうです。もっとも、いずれの県でも前月から大きな伸びを示しており、今後に期待が持てます。

 なお東京都、大阪府、京都府といった人口密集地(当然、医療機関数も、医薬品使用量も多い)で目標値をクリアできていない点が、今後、第2目標達成に向けて障壁となるかもしれません。

都道府県別の後発品割合を見ると、32道県ですでに70%の目標を達成しているが、依然としてバラつきがあることが分かる

都道府県別の後発品割合を見ると、32道県ですでに70%の目標を達成しているが、依然としてバラつきがあることが分かる

 
 
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