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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

後発品割合は68.3%に上昇、増加ペースが維持されれば2017年3月に70%超―協会けんぽ2016年9月

2017.1.23.(月)

 主に中小企業のサラリーマンとその家族が加入する協会けんぽでは、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合が昨年(2016年)9月時点で68.3%(数量ベース、新指標)となり、政府の掲げる「70%以上」の第一目標までわずか1.7ポイントに迫っている―。

 こうした状況が、協会けんぽを運営する全国健康保険協会がこのほど公表した医薬品使用状況から明らかになりました(関連記事はこちらこちら)(協会のサイトはこちら)。

協会けんぽの後発品使用割合、現状ペースで進めば今年(2017年)3月に目標達成か

 医療保険制度の持続可能性が我が国の大きな課題となり、制度改革に関する議論がさかんに行われています。そうした中で、医療費の増加そのものを抑える(医療費の適正化)ことが重要テーマの1つとなり、「予防・健康増進」(そもそも病気にならない)や「早期発見・早期治療」(医療資源投入が小さくて済むうちに治療する)などのほか、「効果が同じで費用が安い」ジェネリック医薬品(後発品)の使用促進が重視されています。政府は後発品の使用促進に向けて、「2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とし、18年度から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする」という目標を設定しています。

 協会けんぽを運営する全国健康保険協会でも「後発品の使用促進」を重要施策に位置付け、加入者に対して「後発薬に切り替えた場合に、自己負担額がどの程度軽減されるのか」という効果通知を行っているほか、毎月の後発品使用割合を公表するなどしています。昨年(2016年)9月の状況を見ると、数量ベースで68.3%(新指標、調剤分)となり、過去最高記録を更新しました。

 2016年度の診療報酬改定以降の、後発品割合の動向を見てみると、▼2016年4月:66.8%→▼5月:67.1%(前月から0.3ポイント増)→▼6月:67.3%(同0.2ポイント増)→▼7月:67.5%(同0.2ポイント増)→▼8月:67.9%(同0.4ポイント増)→▼9月:68.3%(同0.4ポイント増)―となっており、1か月当たり平均0.3ポイントのペースで増加している状況です。このままのペースで進むと、今年2017年3月には政府の第一目標値である「70%以上」をクリアできる見込みです。

協会けんぽ全体の後発品使用割合(数量ベース、調剤分)は、2016年9月に68.3%になった

協会けんぽ全体の後発品使用割合(数量ベース、調剤分)は、2016年9月に68.3%になった

沖縄や鹿児島など14道県で70%以上をすでに達成、一方、徳島では56.6%にとどまる

 一方、都道府県別の後発品使用割合を見ると、依然として大きなバラつきがあることが分かります。昨年(2016年)9月に後発品割合が高かったのは、沖縄県(79.7%)、鹿児島県(75.1%)、岩手県(74.7%)、山形県(71.9%)、宮崎県(71.8%)、長野県(71.7%)、富山県(71.1%)、青森県(71.1%)、宮城県(70.8%)、島根県(70.7%)、北海道(70.5%)、新潟県(70.4%)、石川県(70.2%)、山口県(70.1%)で、これら14道県ではすでに目標達成しています。

 逆に徳島県56.6%、山梨県60.2%、高知県62.9%などでは、目標達成までにまだまだ時間が掛かりそうです。ただし前月からの上昇度合いを見ると、徳島県では0.4ポイント増、山梨県では0.5ポイント増、高知県では0.7ポイント増となっており、平均以上の大きな推進が見られます。今後のさらなる推進に期待したいところです。

都道府県別に見ると、14道県ですでに70%を達成できているが、まだまだなところもあり、大きくバラついている

都道府県別に見ると、14道県ですでに70%を達成できているが、まだまだなところもあり、大きくバラついている

薬効別の後発品使用割合(数量ベース)、血管拡張剤は75.9%、去たん剤は72.4%

 主な薬効分類別に、後発品使用割合が高い医薬品を見ると、数量ベースでは血管拡張剤の75.9%、去たん剤の72.4%、消化性潰瘍用剤の65.4%など、金額ベースでは血管拡張剤の62.6%、去たん剤の56.1%、抗生物質製剤(主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用するもの)の39.2%などとなっています。

 逆に後発品使用割合が低いのは、数量ベースでは代謝拮抗剤の1.9%、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の9.7%、金額ベースでは代謝拮抗剤の1.5%、抗ウイルス剤の2.6%などです。

主な薬効別に見た、後発品使用割合(数量ベース)。血管拡張剤や去たん剤で後発品の使用が進んでいることが分かる

主な薬効別に見た、後発品使用割合(数量ベース)。血管拡張剤や去たん剤で後発品の使用が進んでいることが分かる

主な薬効別に見た、後発品使用割合(金額ベース)。こちらでも、血管拡張剤や去たん剤で後発品の使用が進んでいることが分かる

主な薬効別に見た、後発品使用割合(金額ベース)。こちらでも、血管拡張剤や去たん剤で後発品の使用が進んでいることが分かる

  
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