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アセトアミノフェン(カロナール)、疾患・症状の縛りなく「鎮痛」目的での使用を保険診療の中で認める―厚労省

2022.8.2.(火)

アセトアミノフェン(カロナール)について、鎮痛目的で使用する場合の「疾患名・症状」を解除し、「各種疾患および症状における鎮痛」に使用することを保険診療の中で認める―。

厚生労働省は7月29日に通知「公知申請に係る事前評価が終了した医薬品の保険上の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。同日(2022年7月29日)から保険適用範囲が拡大されています(厚労省のサイトはこちら)。

国際的な状況、医療現場等の要望など踏まえ、効能・効果を拡大

欧米の先進諸国で使用できる医療用医薬品が我が国で保険診療において使用できない—。

こうした「ドラッグ・ラグ」が従前より問題視され、日本国民が最新の医療技術にアクセスしにくい状況の改善に向けて、例えば「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、我が国では未承認・適応外となっているが医療上の必要性の高い医薬品について製薬メーカーに開発要請を行うなど、ドラッグ・ラグ解消に向けた取り組みを進めています。また、未承認・適応外薬の開発促進に向けて、2010年度の薬価制度改革で【新薬創出・未承認薬解消等促進加算】を創設し、2018年度の薬価制度抜本改革でこれを制度化。その後の薬価制度改革でも加算の改善を続けています。

さらに、医療保険制度からドラッグ・ラグ解消に強力にアプローチするために、2010年8月25日の中央社会保険医療協議会・総会で「医薬品の適応外使用について、薬事・食品衛生審議会の事前審査で『公知申請を行っても差し支えない』と判断された場合には、その翌日から自動的に保険適用を行う」という特別ルールが創設されました。

保険診療においては、安全性・有効性を確保するために、医薬品は「効能・効果が認められた傷病の治療」以外に用いることはできません。仮にその他傷病の治療に用いれば保険外診療(自由診療)となり、当該一連の治療全体が全額患者負担となるのが原則です。「この医薬品は異なる傷病の治療に効果があるのではないか」と考えられる場合には、治験などを実施して有効性・安全性に関するデータを揃え、薬食審で効能・効果追加の承認を得ることが原則です。限られた公的財源(保険料、税)の中で、安全性・有効性が確認されていない治療を認めることは好ましくないためです。

ただし治験等を実施してエビデンスを構築し、審査が完了するまでには相当の時間が必要です。このため、上記原則をあまりに厳格に適用すれば、「今まさに疾病と闘っている患者」が最新の医療技術(医薬品)にアクセスするチャンスが大きく阻害されてしまいます(事実上、我が国では最新医療技術(医薬品)にアクセスできないことになる)。

そこで中医協は、「医療保険の原則」と「最新の医療技術へのアクセス」とのバランスに配慮して上記特別ルールを創設。▼適応外使用であれば、既に「人体への安全性」は審査済である(未承認ではない)▼海外の論文など(公知)で一定の有効性・安全性が確保され、それをもとに薬食審の事前審査で「公知申請を認めて良い」と判断された場合には、必ず後に効能・効果追加が認められている—ことなどに鑑みたものです。本特例ルールにより「公知申請を認めてよいとの事前審査から、実際に効能・効果追加が行われるまでの期間」分(概ね6か月程度とされる)、保険収載を前倒しすることが可能となります(ドラッグ・ラグの短縮)。



今般、この特別ルールにより次の用法用量を保険診療の中で用いることが認められました。

●「アセトアミノフェン」(販売名:カロナール原末、カロナール細粒20%、カロナール細粒50%、カロナール錠200、カロナール錠300、カロナール錠500」

▽現在認められている効能・効果
(1)下記の疾患ならびに症状の鎮痛
→頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分娩後痛、がんによる疼痛、歯痛、歯科治療後の疼痛、変形性関節症

(2)下記疾患の解熱・鎮痛
→急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

(3)小児科領域における解熱・鎮痛

▽今般、(1)について、疾患・症状の縛りを解き、「各種疾患および症状における鎮痛」に効能効果が拡大された((2)(3)の効能効果、(1)から(3)の用法用量については変更なし)



アセトアミノフェンについては、上述のとおり「疾患・症状名を多岐にわたって記載」し、これらの「鎮痛」に用いることが認められていました(上述(1))。今般、▼「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、本剤の「術後疼痛および関節リウマチ」に関する要望に対する検討結果(厚労省のサイトはこちら(術後疼痛)こちら(関節リウマチ))▼本剤は国際的に「標準的な鎮痛薬と位置づけられている」点—を考慮し、効能・効果について疾患名等の縛りを解き、「各種疾患および症状における鎮痛」とすることが適切と判断されました。

【更新履歴】厚労省サイトへのリンクを追記しました。



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