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要介護4・5では排泄・食事介助、要介護1・2では掃除・洗濯などの利用が多い―15年介護サービス施設・事業所調査

2016.9.21.(水)

 要介護度別に訪問介護サービスの提供内容を見てみると、排泄介助や食事介助などの利用は要介護4・5の重度者で多く、掃除や洗濯、一般的な調理・配膳は要介護1・2の軽度者で利用が多い―。

 また介護保険施設入所者の要介護度を見ると、介護療養型医療施設では要介護4・5の重度者が9割弱を占めている―。

 厚生労働省が14日に公表した、2015年の「介護サービス施設・事業所調査」の概況からこういった状況がわかりました(厚労省のサイトはこちら)。

定期巡回・随時対応や看多機の事業所数が大幅増加

 この調査は介護サービスの提供体制、提供内容を把握し、基盤整備の課題などを明らかにすることを狙いとして毎年実施されています。

 まず事業所数・施設数の動向を見てみると、訪問看護ステーション(前年から10.7%増)や定期巡回・随時対応型訪問介護看護(同30.8%増)、複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護、同52.4%)、地域密着型介護老人福祉施設(同12.4%増)などで増加が目立ちます。とくに定期巡回・随時対応サービスと看多機については、事業所数こそ少ないものの急ピッチで整備が進んでいることが分かります。

 一方、介護療養については前年から6.4%減少しており、2017年度で設置根拠(経過措置)が切れることを見据えて、老健施設や医療療養などへの転換が徐々に進んでいると見られます。

2014年から15年にかけて、定期巡回・随時対応サービスでは事業所数が30.8%増、看護小規模多機能型では同じく52.4%増加している

2014年から15年にかけて、定期巡回・随時対応サービスでは事業所数が30.8%増、看護小規模多機能型では同じく52.4%増加している

 

重度者の訪問介護、訪問滞在時間が短く、内容は排泄・食事介助などが多い

 次に訪問介護サービスの提供内容を見てみましょう。

 利用者の要介護度別に訪問滞在時間を見てみると、軽度者のほうが滞在時間の長くなっていることがわかります。

要介護度別に訪問介護の訪問滞在時間を見てみると、要介護1・2では60-90分未満がもっとも多いが、要介護4・5では60分未満の短時間サービスが多くなっている

要介護度別に訪問介護の訪問滞在時間を見てみると、要介護1・2では60-90分未満がもっとも多いが、要介護4・5では60分未満の短時間サービスが多くなっている

 

 また利用者の要介護度別にサービス提供内容を見てみると、排泄介助や食事介助などの身体介護は要介護4・5といった重度者で多くなっていますが、掃除や洗濯、一般的な調理・配膳については要介護1・2の軽度者の利用が多くなっています。

要介護度別に訪問介護のサービス内容を見ると、要介護4・5では排泄介助や食事介助などが多いが、要介護1・2では掃除、洗濯、一般的な調理・配膳が多くなっている

要介護度別に訪問介護のサービス内容を見ると、要介護4・5では排泄介助や食事介助などが多いが、要介護1・2では掃除、洗濯、一般的な調理・配膳が多くなっている

 

 社会保障審議会の介護保険部会では、骨太方針2015の指示を受け「軽度者の生活援助サービスを、介護保険給付から市町村の地域支援事業へ移行すべきか」といったテーマについて検討しています。今回のデータが議論にどのような影響を与えるのか、今後の介護保険部会の議論に要注目です(関連記事はこちらこちら)。

介護療養、入所者の9割弱が要介護4・5の重度者

 次に介護保険施設の状況を見てみましょう。

 ユニットケアの実施施設数が占める割合は、特別養護老人ホームで35.9%(前年より2.1ポイント増)、介護老人保健施設で10.7%(同0.4ポイント増)となり、定員に占める割合は特養ホームで35.7%(同3.0ポイント増)、老健施設で6.7%(0.4ポイント増)となりました。徐々に、しかし確実にユニット型の整備が進んでいる状況が伺えます。

ユニットケア施設の占める割合は、特養ホームでは35.9%、老健施設では10.7%となり、徐々にユニット型の整備が進んでいることがわかる

ユニットケア施設の占める割合は、特養ホームでは35.9%、老健施設では10.7%となり、徐々にユニット型の整備が進んでいることがわかる

 

 また介護保険3施設別に、入所者の要介護度を見てみると、▼介護療養型医療施設では要介護4が33.3%、要介護5が54.7%で、合計88.0%▼特養ホーム(介護老人福祉施設)では要介護4が34.2%、要介護5が33.0%で、合計67.2%▼老健施設では要介護4が26.9%、要介護5が19.4%で、合計46.3%―などとなっています。介護療養で重度者が著しく多くなっており、介護療養からの新たな移行先では「重度者に適切に対応できる医療・介護体制の整備」が極めて重要となります(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

介護保険施設入所者の要介護度を見ると、介護療養では要介護4・5が9割弱を占めていることがわかる

介護保険施設入所者の要介護度を見ると、介護療養では要介護4・5が9割弱を占めていることがわかる

 

1事業所当たりの介護・看護職員が減少しているサービスが多い

 最後に、現在、そしてこれからの介護サービス提供体制でもっとも大きな課題となる「従事者」の状況を見てみましょう。

 各サービスについて、1事業所当たりの看護・介護職員数(常勤換算)を見ると、▼訪問介護7.4人(前年に比べて0.1人減)▼訪問看護4.8人(同0.1人増)▼通所介護5.5人(同増減なし)▼通所リハビリ7.9人(同0.2人減)▼短期入所生活介護13.8人(同1.0人減)▼特定施設入居者生活介護19.8人(同0.2人減)▼認知症対応型共同生活介護11.4人(同0.1人減)―などとなっており、前年調査より従事者が減少しているサービスが多いことが分かりました。

1事業所当たりの介護・看護職委員数を見ると(上表)、前年よりも減少しているサービスが目立つ

1事業所当たりの介護・看護職委員数を見ると(上表)、前年よりも減少しているサービスが目立つ

 

 安倍晋三内閣は「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定し、介護離職ゼロを目指して特養ホームなどの整備を進める方針を明確にしています。あわせて、そこで働く「人」を確保するために、月1万円程度の処遇改善を行う方針を示し、厚労省は来年度(2017年度)に臨時の介護報酬改定を行う考えですが、これだけで「介護人材不足」という課題が解決するわけではありません。2025年、さらにその先を見据えて、介護人材の確保・定着に向けた方策を国民全体で考える必要があります。

 

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