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2018年度の同時改定に向け、医療・介護連携が重要な療養病床や訪問看護などを検討―中医協総会(2)

2016.12.14.(水)

 2018年度は診療報酬と介護報酬の同時改定となるため、「医療・介護連携」が特に重要となる「療養病床」や「訪問看護」「維持期リハ」などについても議論を深めていく―。

 14日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会では、こういった方針が了承されました。厚生労働省保険局医療課の迫井正深課長は「前倒し・前びろに議論していく」考えも示しています。

12月14日に開催された、「第341回 中央社会保険医療協議会 総会」

12月14日に開催された、「第341回 中央社会保険医療協議会 総会」

2018年度の同時改定に向け、「医療・介護連携」が特に重要となる項目を確認

 診療報酬は2年に一度、介護報酬は3年に一度改定されるため、6年に一度、同時改定が行われます。2025年には、いわゆる団塊の世代(1947-49年生まれの人)がすべて後期高齢者になるため、今後、慢性期医療や介護のニーズが加速度的に増加すると考えられます。そこで2018年度・2024年度の診療報酬・介護報酬同時改定で「医療・介護連携」を加速度的に進めることが考えられ、2025年までに時間のある「2018年度改定」の重要性が極めて高いと考えられるのです。

 また厚労省保険局医療課の迫井正深課長は、「2025年まで医療・介護ニーズが高まるが、人口減少社会野菜かでは、その後横ばいになり、やがて減少に転じる。さらに2025年以降は、医療提供側の働き手も減少していくことになり、マンパワーの確保という観点からも、『2025年から先の将来』を見据えた対応も求められる」ことを強調しています。医療・介護ニーズ増にばかり目を取られて体制を整備すると、その後の人口減少に対応できなくなることを懸念した考えと言えます。

 こうした点を考慮し、迫井医療課長は2018年度改定に向けた検討項目に、次のような「医療・介護連携」が特に重要と考えられるものを追加してはどうかと提案(医療・介護連携とは別の『急性期入院医療』や『外来機能分化』などももちろん重要検討項目である)。了承されています。

(ア)療養病床・施設系サービスにおける医療

▼介護療養病床の見直し(新施設体系)を踏まえた、外付け医療サービスの給付調整の在り方

▼療養病棟の入院患者の患者像を踏まえた適切な評価の在り方

(イ)居宅などにおける医療(訪問診療・訪問看護、歯科訪問診療、薬剤師の業務など)

▼介護報酬における居宅療養管理指導による評価と、診療報酬における訪問 指導管理の評価の在り方

▼医療と介護の訪問看護のサービスの在り方

▼居宅などにおける看取り支援の在り方

(ウ)維持期のリハビリテーション

▼外来や通所におけるリハビリテーションの在り方

▼地域(居宅など)におけるリハビリテーションの在り方

 

 このうち(ア)の「療養病棟の入院患者像を踏まえた評価」では、医療区分やADL区分についての見直しが議論される可能性もあります。診療側は「医療区分1は『医療区分2・3以外』という設定方法で、医療の必要性が相当高い患者も含まれている」とかねてより指摘しており、今後の議論の行方が気になります。

 

 なお、同時改定では、診療報酬を議論する中医協と、介護報酬を議論する社会保障審議会・介護給付費分科会とで、議論の調整をする必要もでてきそうです。前回の2012年度同時改定の折には、中医協と介護給付費分科会で「合同会議」が一度開催されており、2018年度改定に向けた議論でも、こうした調整が行われることになりそうです。幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)も「早い団塊で『医療と介護の連携や棲み分け』について基本方針を出し、それに基づいて中医協と介護給付費分科会で議論していく必要がある」とし、前倒し・前びろに議論していくべきと指摘。迫井医療課長も「同じ認識である」との考えを示しています。

 次回以降に、今後の検討スケジュールなどが示される見通しです。

 
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