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人生の最終段階の医療・ケア、ガイドライン改訂版を近く公表―厚労省・検討会

2018.2.26.(月)

 「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」(以下、ガイドライン)について、▼医療だけでなく「医療・ケア」を対象とすべきで、表記も修正する▼ACP(Advanced Care Planning)について解説編の中で紹介する▼人生の最終段階における医療・ケアを話し合う「家族等」の中に、親しい友人なども含まれることを明らかにする―といった見直しを行う—。

 2月23日に開催された、「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」(以下、検討会)でこういった方針が固められました。樋口範雄座長(武蔵野大学法学部教授)が文言整理を行い、近くガイドライン改訂版が公表されます。

 このガイドライン活用は、地域包括ケア病棟入院料1・3(従前よりも高い特定入院料を設定)や療養病棟入院基本料、在宅ターミナルケア加算(在宅患者訪問診療料の加算)の要件にもなっており、多くの病院で確認しておく必要があります。

2月23日に開催された、「第5回 人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」

2月23日に開催された、「第5回 人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」

最期の医療提供方針を決めた後も、繰り返し話し合い、都度修正することが重要

ガイドラインは、患者が「人生の最終段階において、自分の望まない医療を受けることがない」ように、医療従事者に、患者や家族と十分に話し合い「どのような医療を受けたいか」を明らかにするような支援を求めることを基本としています。

今般、(1)一度「どのような医療を受けたいのか」という方針を決めた後にも、本人、家族、医療従事者等の間で「繰り返し」話し合うことが重要である点を明確にする(2)在宅の特性を踏まえたものとする—という2軸に沿ってガイドライン見直しに向けた検討が進められています(関連記事はこちらこちら)。

2月23日の検討会には、パブリックコメントなどを踏まえて、例えば次のような修正を行ってはどうかとの提案が、厚生労働省から行われました。

▼人生の最終段階においては、医療のみならず、ケアの在り方も重視すべきであり、内容・表題ともに「医療・ケア」と修正する

▼国民一人ひとりが「人生の最終段階にどのような医療・ケアを受けたいかを、本人が家族や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合う」プロセスであるACP(Advanced Care Planning)について、医療・介護従事者向けの「ガイドライン解説編」に記載する

▼人生の最終段階について、本人・家族等が繰り返し話し合うことが重要であるが、家族等には「親しい友人等」も含まれることを明確にする(解説編)

 
近く、樋口座長が文言整理などを行ったうえで、ガイドライン改訂版を公表することになります。2018年度の診療報酬改定では、例えば【地域包括ケア病棟入院料1・3】(従前よりも高い特定入院料を設定)や【療養病棟入院基本料】、【在宅ターミナルケア加算】(在宅患者訪問診療料の加算)などでガイドライン活用が要件に盛り込まれており、各医療機関では改訂版の内容などを確認しておくことが求められます。

 
なお、「人生の最終段階の医療・ケア」の在り方を患者・家族等・医療介護従事者が話し合っていく上でのポイントは、次のように整理できそうです。

▽患者本人が多専門職種で構成される医療・ケアチームと十分な話し合いを行い、患者本人による意思決定を基本としたうえで、人生の最終段階における医療を進めることが最も重要な原則である

▽時間の経過、心身の状態病状の変化、医学的評価の変更等に応じて意思は変化しうるものであり、医療・ケアチームから「患者本人が自らの意思をその都度示し、伝えられる」ような支援が行われ、患者本人と話し合いが繰り返し行われることが重要である

▽患者本人の意思の確認ができる場合には、医療・ケアの提供は「患者本人と医療・ケアチームとの十分な話し合いを踏まえた、本人の意思決定」を基本とし、多専門職種から構成される医療・ケアチームとして行う

▽患者本人の意思確認ができない場合には、(1)家族等が本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重する(2)家族等が本人の意思を推定できない場合には、「患者本人にとって何が最善であるか」を、本人に代わる者として家族等と十分に話し合い、患者本人にとっての最善の方針をとることを基本とする(3)家族等がいない場合、家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合には、患者本人にとっての最善の方針をとることを基本とする—こととし、医療・ケアチームの中で慎重な判断を行う

 
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