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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

フィジシャン・アシスタントなどの活用は医療安全など考慮し、慎重な議論を—日医

2017.4.10.(月)

 「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の報告書で提言された、チーム医療推進のための「フィジシャン・アシスタントの創設」などによるタスク・シフティングやタスク・シェアリングについては、医療安全や医療の質向上の視点に立ち「慎重な議論」が必要である—。

 日本医師会の横倉義武会長は6日、このようなコメントを発表しました(日医のサイトはこちら)。

診療報酬などへの言及について、「中医協などで議論すべき」と不快感も

 お伝えしているように、厚労省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(ビジョン検討会)が6日、報告書をまとめました。医療・介護従事者が持つ力量を最大限に発揮できる環境の構築に向け、(1)能力と意欲を最大限発揮できるキャリアと働き方をフル・サポートする(2)地域主導で医療・介護人材を育み、住民の生活を支える(3)高い生産性と付加価値を生み出す―ための提言を行っています。

 このうち(3)の「高い生産性と付加価値を生み出す」ための提言では、医師が本来の業務に徹するために「フィジシャン・アシスタント」(PA)資格の創設を提案し、これら職種も活用した「タスク・シフティング」「タスク・シェアリング」を進めることを求めています。フィジシャン・アシスタントとは、医師の監督のもとに▼診察▼薬の処方▼手術の補助―など、医師が行う医療行為の相当程度をカバーする医療資格者のこと、米国では、さらに医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療などを行うことができる「ナース・プラクティショナー」(NP)資格もあります。

 この点について日医は、医療安全や医療の質の向上の視点に立ち十分かつ「慎重に議論することが必要」との見解を表明しています。一方で日本看護協会は、「新たな医療における看護師への期待として前向きに受け止め、実現に向け積極的に活動していく」考えを示しており、今後、関係審議会などで熱い火花が飛び交いそうです。

 

 またビジョン検討会の報告書では、専門医制度について▼国際評価に耐えうる医療の質の担保や▼地域枠の卒業医師を含めた若手医師のキャリアなどへの配慮▼制度構築の議論の透明性の確保―が必要とし、専門医認定の基準づくり、枠組みの整備を行っていくべきと提案しています。この点、日医は「日本専門医機構が広く関係者の意見を集約しつつある状況」を踏まえ、標榜との関係も含めプロフェッショナル・オートノミーに基づき適切に運用していくことが肝要との考えを述べています。いたずらに議論をひっくり返し、それまで関係者が構築してきた信頼関係などを揺るがすことは、医療現場や若手医師にとって必ずしも好ましい結果を生むとは限りません。

 

 このほか日医は、▼医師偏在対策については、医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会で現状を踏まえた適切な議論が行われることが重要(関連記事はこちらこちら)▼プライマリ・ケアの充実では、地域のかかりつけ医が果たす医療的・社会的機能が発揮され、外来医療への患者アクセスが確保され、多職種協働・有機的連携が優先されるべき—と指摘。さらに、報告書が「プライマリ・ケアの充実に向け、診療報酬における包括点数導入」などに触れている点については、「診療報酬や介護報酬の議論が中央社会保険医療協議会や社会保障審議会・介護給付費分科会でなされるべき」と不快感も示しています。

  
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