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GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

1000万人で糖尿病が強く疑われ、1000万人で糖尿病の可能性否定できず―厚労省

2017.9.22.(金)

 男性の16.3%、女性の9.3糖尿病が強く疑われ、合計1000万人と推計される。また男性の12.2%、女性の12.1%で糖尿病の可能性が否定できず、こちらも合計1000万人と推計され、日本ではおよそ2000万人の人が糖尿病の可能性ありと言える—。

 厚生労働省が9月21日に公表した2016年の「国民健康・栄養調査」結果から、こうした状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

減少傾向にあるものの、成人国民の4分の1が糖尿病の可能性

 「国民健康・栄養調査」は、健康増進法に基づいて国民の身体の状況や栄養素の摂取量、生活習慣の状況などを明らかにするもので、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料となります。メディ・ウォッチでは、2016年調査結果から(1)糖尿病(2)血圧(3)血中コレステロール―の状況に注目しました。

糖尿病が強く疑われる人の割合は、男性(20歳以上、以下同)で16.3%(2012年調査に比べて1.1ポイント増)、女性(20歳以上、以下同)で9.3%(同0.6ポイント増)でした。また、糖尿病の可能性を否定できない人の割合は、男性で12.2%(同0.1ポイント増)、女性で12.1%(同1.0ポイント減)となりました。両者を合わせると国民全体の4分の1弱が「糖尿病の可能性あり」という状況です。

2016年における糖尿病が強く疑われる人は成人日本国民の12.1%、糖尿病の可能性を否定できない人は同じく12.1%いる

2016年における糖尿病が強く疑われる人は成人日本国民の12.1%、糖尿病の可能性を否定できない人は同じく12.1%いる

 
また年齢階層別に見ると、男女のいずれでも「糖尿病が強く疑われる」「糖尿病の可能性を否定できない」人の割合が概ね高くなります。70歳以上男性の23.2%、70歳以上女性の16.8%が「糖尿病が強く疑われる」という状況で、生活習慣の改善と重症化予防を総合的に進めていく必要があるでしょう。
男女ともに、年齢があがるにつれて糖尿病が強く疑われる・糖尿病の可能性を否定できない人の割合が高くなる

男女ともに、年齢があがるにつれて糖尿病が強く疑われる・糖尿病の可能性を否定できない人の割合が高くなる

 
 糖尿病が強く疑われるとは、「HbA1c(NSGP)値が6.5%以上、または、糖尿病の治療有」の人を指し、糖尿病の可能性を否定できないとは、「HbA1c(NSGP)値が6.0%以上6.5%未満で、糖尿病が強く疑われる人以外」の人を指します。

また人数で見てみると、糖尿病が強く疑われる人は1000万人(同50万人増)、糖尿病の可能性を否定できない人も1000万人(同100万人減)と推計され、両者を合わせると2000万人が「糖尿病の可能性あり」と言えます。ただし「糖尿病の可能性を否定できない」人の推計人数は2005年調査以降減少傾向にあり、両者を合わせた人数も同様となっています。

2016年における糖尿病が強く疑われる人は1000万人、糖尿病の可能性を否定できない人も1000万人と推計される

2016年における糖尿病が強く疑われる人は1000万人、糖尿病の可能性を否定できない人も1000万人と推計される

 
さらに「糖尿病が強く疑われる」人のうち、治療を受けている人の割合を見てみると、男性は78.7%(同12.8ポイント増)、女性は74.1%(同9.8ポイント増)で、合計76.6%が何らかの治療をうけています(同11.4ポイント増)。治療を受け入ている人の割合は年々増加していますが、男性では5人に1人、女性では4人に1人が「治療を受けていない」ことはやはり問題で、重症化予防に向けた「かかりつけ医や医師会と、自治体・保険者との連携」を強力に進めていく必要があります(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。
糖尿病が強く疑われる人のうち、男性では5人に1人、女性では4人に1人が治療を受けていない

糖尿病が強く疑われる人のうち、男性では5人に1人、女性では4人に1人が治療を受けていない

成人男性の35%、成人女性の25%が高血圧

 血圧については、ゆるやかな減少傾向がありましたが、男女共に前年(2015年)よりも上昇してしまいました。収縮期(最高)血圧の平均は男性で134.3mmHg(前年に比べて0.5mmHg上昇)、女性で127.3mmHg(同0.1mmHg上昇)となりました。

収縮期(最高)血圧は、緩やかな減少傾向にあったが、2015年から16年にかけて男女ともに上昇してしまった

収縮期(最高)血圧は、緩やかな減少傾向にあったが、2015年から16年にかけて男女ともに上昇してしまった

 
 また、最高血圧が140mmHg以上の人の割合は、男性で34.6%(同0.5ポイント増)、女性で24.8%(同0.3ポイント減)で、男性では「高血圧」が増加している状況です。
収縮期(最高)血圧が140mmHg以上の人の割合は、男性では34.6%、女性では24.8%にのぼっている

収縮期(最高)血圧が140mmHg以上の人の割合は、男性では34.6%、女性では24.8%にのぼっている

 

成人女性の17.3%が高コレステロール

 血清総コレステロールの平均値は、男性で196.3mg/dL(同0.5mg/dL増)、女性で207.6mg/dL(同0.3mg/dL減)という結果で、厚労省は「男女ともに10年間で有意な増減は見られない」とコメントしています。

血清総コレステロールの平均値は、男性は196.3mg/dL、女性は207.6mg/dLとなっている

血清総コレステロールの平均値は、男性は196.3mg/dL、女性は207.6mg/dLとなっている

 
血清総コレステロールが240mg/dL以上の人の割合は、男性で9.8%(同増減なし)、女性で17.3%(同0.5ポイント減)となっています。血清総コレステロール値が高くなると、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの循環器疾患リスクが高まるため、「女性の2割弱で高コレステロール」という状況に早急に手を打つ必要がありそうです。
血清総コレステロール値が240mg/dL以上の人は、男性では9.8%にとどまるが、女性では17.3%にのぼる

血清総コレステロール値が240mg/dL以上の人は、男性では9.8%にとどまるが、女性では17.3%にのぼる

 
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