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GemMed塾 新制度シミュレーションリリース

安全性が証明されるまでPAAG等の充填剤注入による豊胸術は実施すべきでない―日本形成外科学会等4学会

2019.5.14.(火)

 安全性が証明されるまで「非吸収性充填剤」を豊胸目的の注入に用いるべきではない―。
 
 日本形成外科学会・日本美容外科学会(JSAPS:Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery)・日本美容外科学会(JSAS:JAPAN SOCIETY OF AESTHETIC SURGERY)・日本美容医療協会の4団体は4月25日、こうした内容を柱とする「非吸収性充填剤注入による豊胸術に関する共同声明」を発表しました(日本形成外科学会のサイトはこちら)。

 
 ワセリンやパラフィン、ゲル状シリコンなどの「非吸収性充填剤」を乳房内に注射器で注入する美容目的の乳房増大術(豊胸術)には、▼異物反応▼脳梗塞▼肺塞栓▼感染▼硬結▼石灰化▼異物肉芽腫▼皮膚浸潤―など、さまざまな合併症が報告され、諸外国では使用が禁止されています。

しかし我が国では、1990年代後期より、新たにポリアクリルアミドハイドロジェル(PAAG)と呼ばれる非吸収性充填剤を用いた豊胸術が「簡便な方法」として盛んに行われるようになっています。

この点、▼PAAGを製造販売していた中国でもPAAGの使用が禁止される▼米国FDA(食品医薬品局)は豊胸術に皮膚充填剤を用いること許可していない▼韓国の乳房美容再建外科学会では、新たな非吸収性充填剤の1つに対し「重大な懸念を表明し、長期安全性の十分な証拠が集積され検証されるまで、豊胸術目的に使用することに明確に反対する」旨の声明を発表している―ように、「安全性が確立されている」とは言えない状況です。

 
日本形成外科学会等4団体は、「我が国においては、医師が海外の未承認医薬・医療機器を個人輸入し、患者に使用することが認められており、巷間での使用状況に鑑みると、今後も、長期安全性が不明確な充填剤が患者に使用される可能性がある」と懸念。「非吸収性充填剤注入による豊胸術に関する過去の経緯を踏まえ、安全性が証明されるまで非吸収性充填剤を豊胸目的に注入することは実施するべきではない」と強く訴えています。

 
 
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