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メトトレキサート、若年性皮膚筋炎・高安動脈炎・ANCA関連血管炎・悪性リンパ腫への使用を保険診療上認める―支払基金・厚労省

2022.9.28.(水)

社会保険診療報酬支払基金(支払基金)が、医薬品の適応外使用に関する特例ルールを9月26日に追加公表しました(支払基金の審査情報提供サイトはこちら(医科)こちら(歯科))。厚生労働省も同日に、事務連絡「医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱いについて」を示しています。

薬理作用等に照らし、審査における「医薬品使用の柔軟な取扱い」を一定程度認める

保険診療において、医薬品の使用は「薬事・食品衛生審議会(薬食審)で有効性・安全性が認められた傷病」(添付文書に記載された傷病)に限定されます。添付文書に規定されていない傷病への医薬品使用(適応外使用)を無制限に認めたのでは医療費の高騰・医療費財源の不適切な配分につながることはもとより、何より「医療安全の確保」ができなくなってしまうためです。したがって、「適応外使用」が行われた場合には、一連の診療はすべて自由診療となり、「全額自己負担」となるのが原則です(混合診療の禁止)。

しかし医療現場では、「医学的・薬学的知見に照らし、薬食審で認められていない傷病にも一定の効果がある」と強く推測されるケースがあります。こうした場合には、例外的にレセプト審査において一定の柔軟な対応(適応外使用であっても保険診療と扱うことを認める)がなされることがあります(いわゆる「55年通知」(旧厚生省保険局長による1980年(昭和55年)発出の通知)に基づく適応外使用など)。

ただし、こうした例外的な取り扱いを野放図に認めれば「全国一律の診療報酬」の原則に反します。現に、地方独自の審査ルール(都道府県ルール、例えば「山間部などでは冬期に高齢者の通院が困難になるので、薬剤の1回処方量を多くすることを認める」「地域によって、疾患別リハビリテーションを1日6単位までしか認めない(診療報酬点数上は9単位まで算定可能)」など)が存在しており、是正に向けた取り組みも進められています。また「審査の透明性」という面でも大きな問題があります(関連記事はこちらこちらこちらこちら)。

そこで支払基金では、こうした「例外的な取り扱い」に関する審査ルールを明確にし、適宜、医療関係者らに情報提供しています支払基金の審査情報提供サイトはこちら(医科))。



今般、支払基金は医科について、次の14の審査ルールを明確にしました。

(1)緑内障やてんかん、メニエール病などの治療に用いる「アセタゾラミド」(内服薬)(主な製品名:ダイアモックス末、ダイアモックス錠250mg)について、「周期性四肢麻痺」に対する投与を審査上認める
→薬理作用(炭酸脱水酵素抑制作用)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽通常、アセタゾラミドとして1日250-750mgを分割経口投与する(年齢・症状により適宜増減)
▽▼代謝性アシドーシス▼低カリウム血症▼低ナトリウム血症—など電解質異常が現れることがあり、異常が認められた場合には投与中止などの適切な処置を行う
▽▼腎疾患▼肝疾患▼糖代謝異常—のある患者においては慎重に投与する



(2)「アセタゾラミド」(内服薬)(主な製品名:ダイアモックス末、ダイアモックス錠250mg)について、「発作性失調症」に対する投与を審査上認める
→薬理作用(炭酸脱水酵素抑制作用)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽通常、アセタゾラミドとして1日250-750mgを分割経口投与する(年齢・症状により適宜増減)
▽▼代謝性アシドーシス▼低カリウム血症▼低ナトリウム血症—など電解質異常が現れることがあり、異常が認められた場合には投与中止などの適切な処置を行う
▽▼腎疾患▼肝疾患▼糖代謝異常—のある患者においては慎重に投与する



(3)高血圧症治療などに用いる「スピロノラクトン」(内服薬)(主な製名:アルダクトA細粒10%、アルダクトンA錠25mg、アルダクトンA錠50mg、ほか後発品あり)について、「低カリウム性周期性四肢麻痺」に対する投与を審査上認める
→薬理作用(抗アルドステロン作用)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽通常、成人には1日50-100mg、小児には体重1kg当たり1日1-3mgを6分割経口投与する(年齢・症状により適宜増減)
▽▼難治例▼既存治療で効果不十分な場合—に限り投与を認める
▽▼腎機能障害▼電解質以上—の患者には慎重に投与する



(4)高血圧症治療などに用いる「フロセミド」(内服薬)(主な製品名:ラシックス錠10mg、ラシックス錠20mg、ラシックス錠40mg、ほか後発品あり)について、「高カリウム性周期性四肢麻痺」に対する投与を審査上認める
→薬理作用(利尿作用・降圧作用)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽通常、成人にはフロセミドとして1日1回40-80mg、小児には1日体重1kg当たり1-4mgを連日または隔日経口投与する(年齢・症状により適宜増減)
▽▼難治例▼既存治療で効果不十分な場合—に限り投与を認める
▽▼腎機能障害▼電解質以上—の患者には慎重に投与する



(5)胃潰瘍治療などに用いる「シメチジン」(内服薬)(主な製品名:タガメット錠200mg、タガメット錠400mg、タガメット細粒20%、カイロック細粒40%、ほか後発品あり)について、「PFAPA症候群」に対する投与を審査上認める
→薬理作用(H2受容体拮抗剤)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽通常、シメチジンとして体重1kg当たり1日10-20mgを2回に分割して経口投与する▽効果不十分な場合は、1日単位の投与量として800mgを超えない範囲で増量できる
▽発熱のエピソードの頻度が高く、発熱に伴う苦痛や社会生活の制限により生活の質が低下している場合に限り投与を認める
▽本剤はH2受容体拮抗薬であり、比較的安全性の高い薬剤ではあるが、「小児への安全性」は確立していない
▽年長児では自然寛解傾向がある疾患なので、投薬期間が漫然と長期間にならないよう留意する



(6)関節リウマチ治療などに用いる「メトトレキサート」(内服薬)(主な製品名:リウマトレックスカプセル2mg、ほか後発品あり)について、「若年性皮膚筋炎」に対する投与を審査上認める
→薬理作用(免疫担当細胞への細胞増殖抑制作用等に基づく免疫抑制作用および抗炎症作用等)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽用法・用量は以下のとおりとする
【成人】
▼1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回または2-3回に分けて経口投与する
▼分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する
▼1回または2回分割投与の場合は残りの6日間 、3回分割投与の倍は残りの5日間は旧薬し、これを1週間ごとに繰り返す
▼患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする
【小児】
▼通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして体表面積1平米当たり4-10mgとし、1週間単位の投与量を1回または2-3回に分けて経口投与する
▼分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する
▼1回または2回分割投与の場合は残りの6日間 、3回分割投与の倍は残りの5日間は旧薬し、これを1週間ごとに繰り返す
▼患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減する
▽副作用に「間質性肺炎・肺線維症」があり、間質性肺炎合併例には本剤適用は慎重に検討する



(7)メトトレキサート」(内服薬)(主な製品名:リウマトレックスカプセル2mg、ほか後発品あり)について、「高安動脈炎」に対する投与を審査上認める
→薬理作用免疫担当細胞への細胞増殖抑制作用等に基づく免疫抑制作用および抗炎症作用等)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽用法・用量は以下のとおりとする
【成人】
▼1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回または2-3回に分けて経口投与する
▼分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する
▼1回または2回分割投与の場合は残りの6日間 、3回分割投与の倍は残りの5日間は旧薬し、これを1週間ごとに繰り返す
▼患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする
【小児】
▼通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして体表面積1平米当たり4-10mgとし、1週間単位の投与量を1回または2-3回に分けて経口投与する
▼分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する
▼1回または2回分割投与の場合は残りの6日間 、3回分割投与の倍は残りの5日間は旧薬し、これを1週間ごとに繰り返す
▼患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減する
▽▼難治例▼既存治療で効果不十分な場合—に限り投与を認める
▽高安動脈炎は8-9割が女性だが、妊娠時や授乳時は禁忌である



(8)メトトレキサート」(内服薬)(主な製品名:リウマトレックスカプセル2mg、ほか後発品あり)について、を「ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症)」に対する投与を審査上認める
→薬理作用免疫担当細胞への細胞増殖抑制作用等に基づく免疫抑制作用および抗炎症作用等)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽用法・用量は以下のとおりとする
【成人】
▼1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回または2-3回に分けて経口投与する
▼分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する
▼1回または2回分割投与の場合は残りの6日間 、3回分割投与の倍は残りの5日間は旧薬し、これを1週間ごとに繰り返す
▼患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする
【小児】
▼通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして体表面積1平米当たり4-10mgとし、1週間単位の投与量を1回または2-3回に分けて経口投与する
▼分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する
▼1回または2回分割投与の場合は残りの6日間 、3回分割投与の倍は残りの5日間は旧薬し、これを1週間ごとに繰り返す
▼患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減する
▽▼難治例▼既存治療で効果不十分な場合—に限り投与を認める



(9)抗菌剤の「アジスロマイシン水和物」(内服薬・注射薬)(主な製品名:ジスロマック錠(250)、ジスロマック点滴静注用(500)、ジスロマック細粒小児用10%、ジスロマックカプセル小児用100mg、ほか後発品あり)について、▼小児副鼻腔炎▼百日咳—に対する投与を審査上認める
→薬理作用(抗菌作用)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽用法・用量は以下のとおりとする
【副鼻腔炎】
▼小児には、体重1kg当たり10mg(力価)を1日1回、3日間投与する(1日量は成人の最大投与量500mg(力価)を超えないものとする)
【百日咳】
▼生後6か月未満:体重1kg当たり10mg(力価)を1日1回、5日間投与する
▼生後6か月以上:初日は体重1kg当たり10mg(力価)(最大500mg)を1日1回、2日目-5日目までは同じく5mg(力価)(最大250mg)を1日1回投与する



(10)「アジスロマイシン水和物」(内服薬・注射薬)(主な製品名:ジスロマック錠(250)、ジスロマック点滴静注用(500)、ジスロマック細粒小児用10%、ジスロマックカプセル小児用100mg、ほか後発品あり)について、「現行の適応症について小児」に対する投与を審査上認める
→薬理作用(抗菌作用)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽用法・用量は以下のとおりとする
【内服薬】
▼小児には、体重1kg当たり10mg(力価)を1日1回、3日間経口投与する(1日量は成人の最大投与量500mg(力価)を超えないものとする)
【注射薬】
▼小児には、体重1kg当たり10mg(力価)を1日1回、2時間かけて点滴静注する(1日量は成人の最大投与量500mg(力価)を超えないものとする)



(11)抗菌剤の「ドキシサイクリン塩酸塩水和物」(内服薬)(主な製品名:ビブラマイシン錠(50)・(100))について、「小児のリケッチア感染症」に対する投与を審査上認める
→薬理作用(タンパク合成阻害作用)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽用法・用量は、小児には本剤を分割または粉末にして体重1kg当たり2.2mgを1日2回投与する(最大投与量は1回当たり100mgとする)
▽投与期間は、8歳未満の軽症もしくは合併症のない省令には5日間、8歳未満の重症もしくは合併症症例、8歳以上には14日間投与する
▽小児等(とくに歯牙形成期にある8歳未満の小児等)に投与した場合、▼歯牙の着色・エナメル質形成不全▼一過性の骨発育不全—を起こすことがある



(12)先天性尿素サイクル異常症などにおける血中アンモニア濃度の上昇抑制に用いる「L-アルギニン塩酸塩」(内服薬)(主な製品名:アルギU配合顆粒)ついて、「ミトコンドリア病」に対する投与を審査上認める
→薬理作用(尿素サイクル異常症薬)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽用法・用量は、1日量として体重1kg当たり0.3-0.5gを、毎食後3回、経口投与する
▽脳卒中発作が起こった場合、その重症度および発作の頻度を勘案し、適宜増減する



(13)「L-アルギニン塩酸塩」(注射薬)(主な製品名:アルギU点滴静注20g10%200ml)について、「ミトコンドリア病」に対する投与を審査上認める
→薬理作用(尿素サイクル異常症薬)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽用法・用量は、末梢血管から体重1kg当たり5ml(1回量で最大200ml)を1時間以上かけて点滴静注する
▽点滴終了後に脳卒中様発作を疑う症状(頭痛、嘔吐に加え、痙攣、麻痺、意識障害、視野異常のいずれか)が継続して観察される場合、上記用量を追加で使用する



(14)急性白血病などにおける自覚的・他覚的症状の緩解などに用いる「メトトレキサート」(注射薬)(主な製品名:注射用メソトレキセート5mg、注射用メソトレキセート50mg、メソトレキセート点滴静注液200mg、メソトレキセート点滴静注液1000mg)について、「悪性リンパ腫」に対する投与を審査上認める
→薬理作用(葉酸代謝拮抗作用、細胞増殖抑制)が同様で、妥当と推定される
→当該使用における留意事項
▽用法・用量(メトトレキサート・ロイコボリン救援療法(悪性リンパ腫))は、メトトレキサートとして通常、1週間に1回、体重1kg当たり30-100mg(有効なメトトレキサート脳脊髄液濃度を得るには、1回メトトレキサートとして体重1kg当たり30mg以上の静脈内注射が必要)を約6時間で点滴静脈内注射し、その後、ロイコボリンの投与を行う
▽メトトレキサートの投与間隔は、1-4週間とする
▽年齢、症状により適宜増減する
▽添付文書の記載のうち、メトトレキサート・ロイコボリン救援療に関する「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「使用上の注意」、「投与上の注意」に同じである



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