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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

要介護高齢者の急性期入院医療、一括りに考えず、症状や患者の状態を踏まえた「丁寧」な対応を検討する必要あり—日病協

2023.5.1.(月)

要介護高齢者の急性期入院医療について、例えば「介護力・リハビリ力の充実した地域包括ケア病棟で対応してはどうか」という議論がある。しかし、疾患は様々であり、患者の状態も様々である。これらを一括りに議論することは好ましくなく、丁寧な対応を議論・検討しなければならない—。

新型コロナウイルス感染症が5類に移行した後、検査に対する公費負担が終了となるが、医療現場は大きな「不安」を感じている—。

4月28日に開かれた日本病院団体協議会の代表者会議で、こうした議論が行われたことが、会議終了後の記者会見で山本修一副議長(地域医療機能推進機構理事長)と仲井培雄会長(地域包括ケア病棟協会会長)から明らかにされました。

4月28日の日本病院団体協議会・代表者会議後に記者会見に臨んだ山本修一副議長(地域医療機能推進機構理事長、向かって左)と仲井培雄副議長(地域包括ケア病棟協会会長)

診療報酬改定実施時期を遅らせるなら、薬価改定時期なども同様に遅らせるべきでは

日本病院団体協議会は、地域医療機能推進機構や地域包括ケア病棟協会、日本病院会など15の病院団体で構成される組織で、主に「診療報酬改定に向けて病院団体の意見をすり合わせ、共同提案・要望を行う」などの活動をしています(もちろん、診療報酬以外の医療の諸課題について議論を行っている)。

2024年度には、診療報酬・介護報酬の同時改定(障害福祉サービス等報酬の改定も加わりトリプル改定でもある)が行われます。

すでに中央社会保険医療協議会と社会保障審議会・介護給付費分科会の意見交換会もスタートしており、その中で「要介護高齢者の急性期入院医療の在り方」が議題の1つになっています(関連記事はこちら)。

要介護高齢者の急性期入院には誤嚥性肺炎や尿路感染症が多く、「急性期病棟への入院が相応しいのか、介護力・リハビリ力の手薄な急性期病棟への入院が要介護状態を悪化させていはしないか」という問題点について、(1)急性期病棟においても十分な介護・リハビリを行う(2)「介護・リハビリ体制が整った病棟」等(例えば地域包括ケア病棟や老人保健施設の医療ショートなど)への入院・入所を促す—という2つの方策案が議論されています。

この点について日病協代表者会議では「要介護高齢者を一括りに議論するのはいかがなものか?同じ誤嚥性肺炎や尿路感染症でも、重度のケース・軽度のケースがあり、また高齢者の状態も千差万別であり、もちろん疾患も様々である。これらを一括りにして『要介護高齢者の急性期入院は地域包括ケア病棟を中心とする』などと論じていくことは適切でない。要介護高齢者の救急医療・急性期入院医療を類型化し、丁寧に議論していく必要がある」との点で一致。今後、具体的な議論が中医協で始まりますが、その際の重要な視点となるでしょう。

そこでは第8次医療計画論議の中で「高機能救急から一般救急への下り搬送」推進なども指摘されている点も踏まえ、例えば要介護高齢者が救急搬送された場合に「自院での対応が望ましいのか」「自院よりも介護力・リハビリ力の整った医療機関での対応が望ましいのか」を勘案していくルール作りなども検討される可能性があります。山本議長・仲井副議長は「もちろんケースバイケースだが、すでに救急患者をトリアージし、必要に応じて下り搬送する体制が整い、運用されている地域もある」ことを紹介し、こうした現場実態も踏まえた丁寧な論議が行われるべきと訴えています。

なお、関連して「重篤な救急患者に対応する3次救急(救命救急センター)も当初予定の3倍に増加しており、これが適切な救急医療の役割分担を阻害しているのではないか」との議論も行われています。



このほか、同日の日病協代表者会議では、次のような議論も行われたことが山本議長・仲井副議長から報告されました。

2024年度診療報酬改定に向けて「医療DXの推進」が重要テーマとなり、その1つにサイバーセキュリティ対策があげられているが、「個別医療機関での対応には限界がある」点を十分に認識すべきである(国等による十分な支援が必須である)

「医療DX」には「診療報酬改定DX」も含まれ、診療報酬改定実施時期の「後ろ倒し」が検討されているが、診療報酬本体のみではく「薬価改定・材料価格改定会」も同時に後ろ倒しすべきである

▽新型コロナウイルス感染症が5類に移行した後は、コロナ検査(PCR検査、抗原定量検査、抗原定性検査等)への公費負担が終了する(ただし重症化リスクが高い者が多く入院・入所する医療機関、高齢者施設、障害者施設において、集中的検査を地方自治体が実施する場合には行政検査として取り扱われる)。この点について多くの医療機関が「不安」を抱えており、周知徹底を図るべき



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