骨粗鬆症治療における薬剤治療方針の選択に当たり、新検査を9月から保険収載—厚労省
2018.9.5.(水)
D007【血液化学検査】に、新たに「24」として「ECLIA法を用いた25-ヒドロキシビタミンD」を加える―。
厚生労働省は8月31日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こういった点を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら(通知)とこちら(中医協資料))。9月1日から適用されています。
高齢化が進行する中では骨粗鬆症がさらに増加していくと予想されます。骨粗鬆症は、骨量が減少し、骨折しやすくなる状態をさします。例えば、尻もちをついた際に大腿骨頸部を骨折し、それが引き金となって歩行困難となり、要介護状態となるケースなどが考えられます。このため、早期発見と適切な予防・治療が重要となります。
最近の研究において、「骨粗鬆症治療開始前の25-ヒドロキシビタミンD値が低いほど、以降5年間における骨折発生率が有意に高い」ことが明らかになりました。
これを受け、8月22日の中央社会保険医療協議会において、本検査が「代謝性骨疾患におけるビタミンD欠乏症の診断の補助やビタミンD不足状態の判定の補助」に有用であるとして、保険導入することが認められたものです。
具体的には、「原発性骨粗鬆症の患者」に対しECLIA法によって「25-ヒドロキシビタミンD」を測定した場合に、骨粗鬆症の薬剤治療方針の選択時1回に限って、D007【血液化学検査】の「30 KL-6」の所定点数(117点)に準じて算定できます。
本検査を実施する際には、関連学会の定める実施方針を遵守することが求められます。
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